インテージヘルスケアらがAI創薬プラットフォームサービス
武田薬品工業と共同検証プロジェクト、深層強化学習でde novoデザイン
2019.12.28−インテージヘルスケアと理論創薬研究所、アフィニティサイエンスの3社は、人工知能(AI)創薬プラットフォーム「Deep-Quartet」によるサービスを本格的にスタートし、実際に武田薬品工業との間で共同検証プロジェクトをスタートさせたと発表した。3社は、ディープラーニングなどのAI技術に基づく化学構造のde novo(デノボ)デザインについて、Gタンパク質共役受容体(GPCR)などで成果を出しており、共同で学会発表も行っている。今回のプロジェクトは、その技術を現実の創薬課題に実践投入するかたちとなる。
「Deep-Quartet」は、(1)Deep Reinforcement Learning(深層強化学習)、(2)LigandScout(ファーマコフォア技術を用いるソフトウエア)、(3)CzeekS(網羅的なターゲット予測を可能とする機械学習ベースのスクリーニング技術)を組み合わせた一連のフローで、ここに製薬企業が持つ(4)メディシナルケミストの知見を加えることにより、四重奏(Quartet)によるAI創薬を実現するとの意味が込められているという。
具体的には、ChEMBLなどミリオン級の化合物ライブラリーを利用し、SMILES形式でドラッグライクな構造を持つ文字列を発生させる。その後、LigandScoutの結合スコアが高くなるように強化学習を実施、相互作用マシンラーニング法(CGBVS)によるCzeekSでフィルタリングし、候補化合物を絞り込む。大本の化合物ライブラリーやCzeekSによるスクリーニングの際には、製薬会社の社内データを含めることができることも、このサービスの特徴となっている。
基本的に、スピーディーに発展するAI技術をテンポ良く取り入れ、細かなノウハウも含めて情報公開するオープンイノベーションによる研究開発を進めていく方針。より実践的な創薬につなげるために、AIが出す結果はメディシナルケミストと議論できるものであるとするコンセプトも掲げている。
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