NTTコミュニケーションズが製薬業向けAI自動翻訳サービス

第2期の利用メンバーを募集、コーパス収集で高精度化

 2019.12.26−NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は19日、みらい翻訳(本社・東京都渋谷区、栄藤稔社長)および翻訳センター(本社・大阪市、二宮俊一郎社長)と共同で推進している「製薬カスタムモデル共同開発」の取り組みにおいて、新たな製薬企業メンバーの公募を開始したと発表した。このプログラムに参加した企業は、NTT Comが提供しているAI翻訳プラットフォームサービス「COTOHA Translator」上で、製薬関連文書に特化した高精度の自動翻訳(日英および英日)を利用することができる。すでに、第1期メンバー12社を集めてクローズドテストを行ってきており、さらなる翻訳精度の向上を目指してメンバーを追加することにした。

 NTT Comは、2017年1月に業界特化型のAI翻訳プラットフォームサービスを開発すると発表。2018年3月から商用サービスが開始され、「COTOHA Translator」として機能を順次拡張強化してきている。

 AI翻訳の精度を高めるためには、機会学習用に収集するコーパス(自然言語の文章を体系的に収集した大規模なデータベースで、構造化され、付加的な情報とともに集積されたもの)の数を増やしていくことが重要。ただ、1社で収集できるコーパスの数は限られるため、参加企業間でコーパスを持ち寄ることにより、大幅な精度向上が期待できる。各社のコーパスについては、機密が保たれるように運用し、この取り組みに参加したメンバー間でのみ利用するようにしているという。

 製薬業界では、治験薬概要書や治験実施計画書などの膨大な文書を翻訳する必要があるが、これらには難解な専門用語や複雑な文章が含まれるため、AIを利用しても実用的な精度での自動翻訳は難しかった。第1期のクローズドテストで、すでに翻訳精度の大幅な向上効果を実証しており、今回のコーパス追加によって実用性はさらに高まるという。

 なお、「COTOHA Translator」は、最新のニューラルマシントランスレーション(NMT)技術と、NTTグループの強みである日本語解析技術、およびみらい翻訳と情報通信研究機構が共同開発した翻訳エンジンを活用することで高精度な機械翻訳を可能にしたサービス。TOEICで960点を超える精度をマークしており、中国語翻訳も得意であるほか、多言語対応のオプションも提供している。

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<関連リンク>:

NTTコミュニケーションズ(トップページ)
https://www.ntt.com/

NTTコミュニケーションズ(AIエンジンCOTOHAの紹介ページ)
https://www.ntt.com/business/services/ai.html

NTTコミュニケーションズ(COTOHA Translatorの紹介ページ)
https://www.ntt.com/business/services/application/ai/cotoha-translator.html


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