米タイオガリサーチが対日市場展開で新戦略

“姉妹会社”を提案、緩やかな結びつきで進出を支援

 2019.11.14−皮膚に使用する医薬品や化粧品を専門とする米国のCROであるタイオガリサーチ(本社・カリフォルニア州サンディエゴ、ジョン・ニューサムCEO)は、日本市場における事業展開を強化するための新戦略として、姉妹会社(シスターカンパニー)についてのプロポーザルを開始した。いわゆる姉妹都市をヒントに考えたもので、緩やかな結びつきによる友好的な関係のもとに、お互いの国内市場への進出を支援し合う。同様の市場領域を狙いつつ直接競合しない企業同士での関係構築が理想だという。当面、サンディエゴと姉妹都市を結んでいる横浜市内のライフサイエンス企業に提案を行っている。

 同社の設立は2011年。同社が持つ技術が、膝に直接塗布する変形性関節症治療薬「PENNSAID」の開発に貢献した実績がある。設立の翌年には、日本の製薬企業からプロジェクトを受注し、それ以後もいくつかの日本企業にサービスを提供。とくに、皮膚浸透のスクリーニングを目的としたハイスループットアプリケーションに優れており、医薬向けの多くのプロジェクトを実施する中で多くの特許にも関係してきた。最近では化粧品分野の案件が増えており、世界の化粧品メーカートップ7社のうちの4社がユーザーだという。日本の化粧品メーカーの米国研究所とプロジェクトを行った実績もある。

 同社は、サンディエゴと横浜市が姉妹都市である縁を生かし、「横浜ライフイノベーションプラットフォーム」(LIP.横浜)の会員にもなっている。ニューサムCEOは、10月に横浜市や日本貿易振興機構(JETRO)が企画したトレードミッションで来日し、シスターカンパニーの取り組みについて関係者らに説明、LIP.横浜会員などに対してプロポーザルを行った。

 シスターカンパニーは代理店契約とは異なり、大きな資金を動かさずに簡単な覚え書きで関係を結び、限定的で非独占的なかたちで、人と人との相互作用によって成果を生み出すことを目指す。相手国に進出するに当たって必要となる法律やビジネス習慣などの知識、また業界リーダーや団体、学界とのコネクションなどの支援を得ることができる。関係を結ぶに当たっては、技術力や信頼性などの要素も重視したいということだ。シスターカンパニーとしては、それぞれに現地法人を設立することが当座のゴールになりそう。

******

<関連リンク>:

米タイオガリサーチ(トップページ)
http://www.tiogaresearch.com/


ニュースファイルのトップに戻る