CTCとQuesTekが合弁で日本法人設立

材料設計サービスなど展開、統合計算材料工学技術を活用

 2020.02.18−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、新規材料の開発や既存材料の特性向上などの高度な技術を擁する米QuesTekインターナショナル(本社・イリノイ州、Aziz Asphahani会長兼CEO)と提携し、材料設計サービスや合金などの材料ライセンス販売を2月10日から開始すると発表した。マルチスケールシミュレーションによって新しい材料開発を行う技術を確立しており、日米の合弁で「QuesTek Japan」を設立し、実際に事業を進めていく。

 QuesTekは、米国のマテリアルゲノムイニシアティブ(MGI)に先立つ1996年に設立された。米マサチューセッツ工科大学(設立当時はノースウエスタン大学)のグレゴリー・オルソン教授のICME(Integrated Computational Materials Engineering)研究成果を商業化したもので、“Materials by Design”と呼ばれる独自手法により、耐久性の高い鉄鋼やアルミニウム、チタン、銅、ニッケル、コバルトなどをベースにした新しい合金を開発している。

 これは、独自の材料特性データベース、モデリング&シミュレーション、特性評価ツールなどを組み合わせて材料設計を行う手法で、米海軍機の着艦フックとして製造された独自合金「Ferrium M54」鋼などの成功事例があり、すでに実際に採用されている。

 国内では、2月10日付で合弁会社「QuesTek Japan」(本社・東京都品川区、澤田繁樹代表取締役)が設立されている。独自技術を活用した新規材料の設計サービス、合金ライセンスの販売を行っていく。

 CTCは、合金設計、材料プロセス設計、材料評価などの科学技術ソフトの販売・サポート、関連データベースの提供などを事業化しており、近年ではナノスケールの材料解析サービスを拡充し、マルチスケールな計算ソリューションも展開している。昨年から、セミナーを通じてQuesTek社の技術やサービスを国内で紹介してきていた。

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<関連リンク>:

米QuesTek(トップページ)
https://www.questek.com/

伊藤忠テクノソリューションズ(ICME材料設計ソリューション紹介ページ)
http://www.engineering-eye.com/lp/ICME/index.html


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