印CDMOのエンキューブ社が米タイオガを買収

皮膚適用製剤などエンドツーエンドで、CRO/CDMOサービス連携

 2020.01.21−皮膚に使用する医薬品や化粧品を専門とする米国のCROであるタイオガリサーチ(Tioga)は、今年1月1日付でインドに本拠を置くCDMOサービスのグローバルリーダーであるエンキューブ・エチカル(Encube Ethicals)に買収され、100%子会社として活動していくことになった。グループの一員となることで補完的なスキルと能力が結合され、双方にとって大きな価値を与えることになるという。とくに、皮膚に使用する薬剤の実際の製剤化から量産までエンドツーエンドのサービスを提供できる意義は大きい。

 エンキューブは、製薬会社から医薬品の開発・量産を受託する「医薬品製剤開発・製造支援事業(Contract Development and Manufacturing Organization:CDMO)」を営む企業で、局所半固形製剤に特化したサービスで20年以上の実績を積み重ねている。インドのゴア州に構える製造センターでは、タイオガが開発する局所皮膚適用製剤などを、FDAの規制に準拠しつつ、治験薬あるいは商業化スケールで生産することが可能。このセンターには100kg/200kgのパイロットバッチから3トンまでの各種バッチサイズで、軟膏、ゲル、クリーム、ソリューション、ローションなどのさまざまな半固体形態を製造できるバルク製造容器が装備されており、トータルで年間9,000トン/3億ユニットを生産できる能力がある。

 今回の戦略的買収に基づき、タイオガはエンキューブの協力によりGLPに準拠した広範なサービスを提供するほか、今年中に欧州における正式なビジネスプレゼンスを確立する計画。また、データサイエンスプログラムの拡大を加速することや、独自のハイスループット実験(HTE)技術におけるイノベーションの継続という面でも、事業基盤が強固になったとしている。

 個々の顧客のプロジェクトをサイロ化し、切り離して秘密保持を徹底するというタイオガのビジネススタイルはこれまでと変わらない。エンキューブ側からみると、タイオガのサービスを利用することにより、研究開発のアーリーステージでの対応力が強化されることになる。例えば、FDA申請時に必要なIVRT/IVPTなどの複雑な in vitro 試験を実施する上で大きなシナジーを発揮するという。

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<関連リンク>:

タイオガリサーチ(トップページ)
http://www.tiogaresearch.com/

エンキューブ・エチカル(トップページ)
https://www.encubeethicals.com/


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