富士通九州システムズが「SCIGRESS」最新バージョン3発売

外部プログラムとの連携強化、反応経路計算やラマンスペクトル予測も

 2020.06.25−富士通九州システムズ(FJQS)は24日、計算化学統合プラットフォーム「SCIGRESS」の最新バージョン3を発売したと発表した。低分子、高分子、結晶、アモルファスなど多岐にわたるモデリング機能を搭載し、分子軌道法(MO)、分子動力学法(MD)、密度汎関数法(DFT)などの計算化学手法を駆使して、新材料・新素材の開発を支援する機能を持つ。今回は、外部プログラムとの連携がさらに強化されて実用性が高まっている。

 SCIGRESSは富士通が独自開発し、20年以上の歴史があるソフトで、日本語で利用でき、日本語でサポートを受けられるということで根強い人気がある。簡単で直感的なGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を基本に、外部の広範な計算エンジンとの接続が可能で、色素、ポリマー、電池、液晶、半導体、触媒など幅広い材料開発分野をカバーしている。

 さて、今回のSCIGRESS V3の主な新機能だが、Quantum ESPRESSOのNEB計算機能として、初期構造と最終構造(任意で中間構造)を与えることで、構造の変化にともなう全エネルギー変化を計算できるようになった。構造の変化とその時のエネルギーを参照することにより、反応障壁や反応経路を考察することが可能。また、Quantum ESPRESSOのPhonon計算により、ラマンスペクトルの予測にも対応した。

 そのほか、LAMMPS、Quantum ESPRESSO、GAMESSの計算実行時に入力ファイルを自由に編集できるようになったため、標準のプロシージャーよりも柔軟な計算設定が可能。モデリングウィンドウも強化されており、X/Y/Z軸方向に視点を切り替えるボタン、視点を自動で回転させるボタンを新しく設けるなど、操作性が向上している。

 なお、同社では、V3リリースセミナーを7月15日にウェブで開催する予定。詳しくは下記リンクを参照されたい。

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<関連リンク>:

富士通九州システムズ(SCIGRESS製品紹介ページ)
https://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/solutions/industry/lifescience/scigress/index.html

富士通九州システムズ(SCIGRESS V3 リリースセミナー紹介ページ)
https://www.fujitsu.com/jp/group/kyushu/about/resources/events/2020/0715.html


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