セールスフォースが武田薬品に「Salesforce Health Cloud」を提供

パーキンソン病患者向けプロジェクト、患者情報を包括的に管理・分析

 2020.05.30−セールスフォース・ドットコムは29日、地域医療課題解決に向けて武田薬品工業と神奈川県が進めている臨床研究に対し、技術提供を行うと発表した。これは、パーキンソン病患者における一気通貫のオンライン診療・服薬指導・処方薬配送の実現を目指すもの。患者情報を包括的に管理・分析できる機能を含む「Salesforce Health Cloud」を武田薬品に提供する。同システムの国内の導入は初めてだという。

 今回対象となるのは、昨年9月に武田薬品と神奈川県が締結した「地域医療の充実及び医療費適正化の推進等に係る連携・協力に関する協定」におけるパイロットプロジェクト。オンライン診療・服薬指導を通じてパーキンソン病患者とその家族をサポートするとともに、ウェアラブルデバイスと専用アプリケーションを用いた症状(振戦、ジスキネジア等)のモニタリングを臨床研究として実施する。通院が困難なパーキンソン病患者が自宅にいながら充実した疾病管理ができる環境の構築を目指しており、オンラインプラットフォームの実装に向けて、患者、介護者、医師、医療機関、薬剤師の満足度、および実装に向けた課題を検討することを目的として今年7月からスタートする予定である。

 「Salesforce Health Cloud」は、医療、保険、製薬、医療機器業界向けに患者を中心に捉えたプラットフォームで、2015年に米国で提供開始されて以来、グローバルで多くの採用実績があるという。今回、武田薬品への導入に当たっては、デロイト トーマツ コンサルティングがシステム設計・開発を担当した。

 なお、今回のプロジェクトには同社のほか複数の企業が参加。腕時計型デジタルデバイスとしてApple Watchを採用し、病状記録用デバイスとしてNTTドコモが被験者に貸与するiPhoneを用いている。いずれのデバイスにも、パーキンソン病症状管理プログラムであるアプリケーション「モニパド」がインストールされる。オンライン診療システムについては、インテグリティ・ヘルスケアの「YaDoc」を利用。薬剤の配送は、メディパルホールディングスの完全子会社であるメディセオが協力している。

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<関連リンク>:

セールスフォース(Salesforce Health Cloud 製品情報ページ)
https://www.salesforce.com/jp/solutions/industries/healthcare/health-cloud/


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