2020年夏CCS特集:コーワメックス

ポリウレタン成形に対応、熱伝導・流動・反応を連成

 2020.07.15−コーワメックスは、韓国S&WISE社が開発したポリウレタン発泡解析ソフトウエア「AnyFOAM」を昨年4月から国内で販売開始。化学反応や発泡をともなう複雑なポリウレタン成形プロセスを精密にシミュレーションすることができる。金型開発をはじめ、試行錯誤をなくして製造工程を大幅に効率化できるため、自動車・自動車部品関連の展示会への出展などを通してマーケティングを実施してきた。今年度からは材料メーカーにも対象を広げて普及を目指していく。

 同社は、豆蔵ホールディングスグループの一翼を担い、自動車や航空機関連の機器設計、ハード・ソフト開発をコアとする総合エンジニアリング企業。CAEに関してはユーザーとして豊富な経験を有しており、そのノウハウを生かすかたちでAnyFOAMの販売・サポートに乗り出している。

 樹脂流動解析CAEソフトは各種存在するが、ポリウレタン専用に機能や使い勝手を高めた製品はほかにないという。熱伝導と流動、化学反応という異なるモデルを連成解析する機能があり、樹脂が発泡しながら金型内を満たし、硬化する過程を三次元グラフィックスで描き出すことが可能。密度・粘度・圧力の変化や分布などから欠陥が生じやすい部位を解析したり、金型の複数のノズルから固さの違う原料を注入した際に狙い通りの構造になるかを確かめたりすることが簡単に行える。

 CADデータをインポートすれば、AnyFOAM側でメッシュ分割、条件設定、計算、結果解析まで一貫して処理することが可能。化学反応モデルとしては、イソシアネートとポリオールのゲル化反応(発熱)、化学発泡(発熱)、物理発泡(吸熱)などに対応。材料データベースも用意されているが、精度を高めるためには、ユーザー側で材料データを測定することが望ましいという。

 開発元のS&WISEは2007年設立で、2013年にAnyFOAMを製品化して以降、自動車関連ではGMやヒュンダイ、アディエント、家電関係はサムソン、LG、ハイアール、素材メーカーはBASFやコベストロへの導入実績がある。金型製作や製品開発のコスト削減効果のほか、試作にともなう材料の廃棄を低減できるため、環境に優しいというメリットも注目されているということだ。


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