日立ハイテクがAI応用の化学研究支援サービス

1億の化合物データとGPU基盤を用意、クラウド上で利用

 2020.11.11−日立ハイテクソリューションズは10日、化学分野における研究開発プロセスの高度化・効率化ニーズに対応し、付加価値の高い新素材の早期市場投入を支援するソフトウエア「Chemicals Infomatics」を発売すると発表した。マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を手助けするサービスで、文献などから収集した1億以上の材料データを揃え、人工知能(AI)/機械学習を行うための高速な計算環境をクラウド上に用意している。将来的には、日立製作所が提供している「材料開発ソリューション」との連携も図るという。

 化合物ディスカバリーAI「Chemicals Infomatics」は、長年蓄積してきた製造業への知見と、AIテクノロジーに関するノウハウを化学・材料分野の研究開発に応用したもの。AIによる探索手法を用いることで、既存製品にとらわれない新たな領域の素材や化学物質、代替材料などの有望化合物を探索し、効率的に発見することを狙いとしている。

 同社では、独自のNLP(自然言語処理)技術を用いて、化合物・文献・特許などの膨大なデータと、独自の新規化合物生成AIから生み出されたデータを含む、合計1億以上の化合物関連データを蓄積。利用者はこのデータベースを利用し、前準備なしでMIに取り組むことが可能。探索に当たっては、DNAの掛け合わせと突然変異による生物進化のメカニズムを模倣した独自手法を活用することができる。

 インフラとしては、高度なセキュリティと安定性を備えた自社プライベートクラウド「ayamo」上に、NVIDIAのV100テンソルコアGPUを搭載した「NVIDIA DGXシステム」を用意している。高性能なディープラーニング基盤として最適な環境を提供できる。

******

<関連リンク>:

日立ハイテク(トップページ)
https://www.hitachi-hightech.com/jp/

日立ハイテク(Chemicals Infomatics 紹介ページ)
https://www.hitachi-hightech.com/hsl/products/ict/cloud/ci/

日立製作所(材料開発ソリューション紹介ページ)
https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/app/mi/index.html


ニュースファイルのトップに戻る