長瀬産業がIBMと共同でSaaS型MIサービス

2種類の異なるアプローチ提供、研究開発のDX支援

 2020.11.19−長瀬産業は18日、米IBMと共同開発した新材料探索プラットフォーム「TABRASA」のサービスを開始すると発表した。IBMの技術をベースに、長瀬産業がマテリアルズ・インフォマティクス(MI)用SaaSとして製品化したもので、高機能素材やバイオケミカルをはじめとしたNAGASEグループの顧客・サプライヤー向けに展開し、研究開発プロセスのDX(デジタルトランスフォーメーション)による課題解決、イノベーション推進を支援していく。

 TABRASAは、IBMのクラウド環境でユーザーの機密情報をセキュアに管理するSaaS型のプラットフォームサービスで、初期投資なしで、MI研究に取り組むことが可能。ユーザーが求める性質を有している化合物の構造式を提案する「アナリティクス・アプローチ」と、人工知能(AI)に論文や技術資料を学習させ、ナレッジグラフを作成する「コグニティブ・アプローチ」の2つの異なる機能を提供できるのが特徴。

 いずれもIBMリサーチのマテリアルズデザイン技術によるエンジンが使われている。コグニティブのためのエンジンは、ユーザーが持つ技術文書(研究成果や論文データ)、特許文書などの非構造化文書をもとに、NLP(自然言語処理)によって構造化し、体系化した知識として蓄積。カスタマイズ性が高く、知識をユーザーの専門分野や目的に応じて体系化でき、入力データを増やしていくことで提案の質が向上していく。また、アナリティクスのためのエンジンは、分子構造や物性値のデータを機械学習して、逆問題に対応した回答を出力できるようになっている。ユーザーの思い込みや先入観にとらわれない回答が得られるため、新発見につながる可能性が出てくるという。

 現在、2つのエンジンが個別に提供されるが、将来的にはこれらのエンジンを連携させる機能を実現する予定。MIを核にした研究開発のDX支援やインフラ構築に加え、商社の機能性を生かし、価値の源泉であるデータやリソースを取引するマッチングの場の提供など、さまざまな問題を解決するプラットフォームに発展させていきたいとしている。

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<関連リンク>:

長瀬産業(トップページ)
https://www.nagase.co.jp/

長瀬産業(TABRASA製品サイト)
https://tabrasa.jp/

長瀬産業(TABRASA製品紹介動画)
https://www.youtube.com/watch?v=i_jlfMO_ipw


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