米インサイトフルサイエンスが英ドットマティクスを買収

実験室のDX実現、クラウドファーストでデータ駆動型研究を支援

 2021.03.24−米インサイトフルサイエンスは22日、英ドットマティクスを買収すると発表した。インサイトフルが提供するバイオ研究ソリューションに、研究データ管理を中心とするドットマティクスのインフォマティクスソリューションが統合されることで、クラウドファーストな環境でデータ駆動型の科学研究をサポートするプラットフォームを実現、実験室にデジタルトランスフォーメーション(DX)をもたらすことを目的としている。買収手続きは今年の第2四半期に完了する予定で、合併後は1億ドルを超える経常利益を計上する企業になるとしていることから、統合新会社の形に移行する可能性がある。ドットマティクスのブランドが存続するという観測もあるようだ。

 インサイトフルサイエンスは、カリフォルニア州サンディエゴに本社を置き、投資会社のインサイトパートナーズの傘下でここ数年にわたり、矢継ぎ早にソフトベンダーの買収を実施してきている。2017年にインサイトが統計解析ソフトベンダーのGraphPadに出資。その後、GraphPadが2019年にバイオインフォマティクスベンダーのSnapGene と Geneiousを買収して、インサイトフルサイエンスが設立された。昨年5月にフローサイトメトリーの受託研究機関であるCytapex、6月に臨床研究のデザインプラットフォームを開発しているnQueryを買収している。ライフサイエンスに特化し、データ分析とバイオインフォマティクスソフトウエアの最先端ソリューションを提供している。

 一方のドットマティクスは2005年設立の英国企業で、クラウド対応に強みがあり、医薬・化学・材料研究のためのインフォマティクスプラットフォームを提供している。2017年にはスコティッシュイクイティパートナーズ(SEP)からの出資を受け入れており、今回の買収にもSEPの意向がいくらか働いたと考えられる。

 両社は、今回の統合により、データ駆動型の研究をサポートし、クラウドファーストな環境を通して科学イノベーションを加速させたいとしている。とくに、研究者はいままで以上に多様なデータセットを分析するために、ますます強力で統合されたインフォマティクスツールを必要としている。また企業や研究所も、より優れたワークフォローとデータ管理ソリューションを必要としている。人工知能(AI)による分析と意思決定を強化することが重要になるとみられるためだ。

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<関連リンク>:

インサイトフルサイエンス(トップページ)
https://www.insightfulscience.com/

ドットマティクス(トップページ)
https://www.dotmatics.com/


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