2021年夏CCS特集:MI-6

MI研究を総合的に支援、ロボット技術で自動化推進も

 2021.06.29−MI-6は、データサイエンスを活用した材料開発を推進する専門企業で、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)専業のスタートアップとして2017年から活動している。すでに100以上のプロジェクトを実施した実績があり、電子材料から複合材料、磁性材料、顔料・染料、合金、ガラス材料、生産プロセス関係まで幅広い分野で経験を積んでいる。

 同社は、材料開発とデータサイエンスのハブとしての役割を担う存在。材料研究を含む専門知識を持つ大学研究者らを技術顧問とし、20人以上の社内スタッフとともに、企業研究者をさまざまな角度からサポートしている。

 とくに、「Hands-on MI」はデータ駆動型材料開発を直接支援する受託サービスで、第一原理計算や機械学習・数理最適化技術などを生かしながらテーマに適したソリューションを提供。初めてMIに取り組みたいが社内体制が不十分、やってみたが課題に突き当たっている、あるいは開発テーマが多岐にわたり手が足りないなど、いろいろなニーズで声がかかるという。具体的なテーマでの受託解析、共同研究だけでなく、新しい研究手法を現場に根付かせ、組織や体制を整備・構築するための伴走者としてきめ細かなサービスを行うこともあるという。

 また、昨年4月からはSaaS(サービスとしてのソフトウエア)型の「miHub」の提供も開始した。一般的なAIツールを利用するにはプログラミングやデータサイエンスの知識が必要だが、材料研究者がわかりやすい直感的なインターフェースによって機械学習などを実施することが可能。パラメーター設定や条件の最適化など、利活用するための手厚いサポートもあり、実績も増えてきている。

 さらに、新たなサービスとして、「Robotics」を開発中。MIとロボット(自動化技術)を組み合わせて、材料探索を効率化し、さらに加速させようという試みで、すでに複数のユーザー企業と実証を進めている。全自動型実験サイクルを回すことで、得られるデータの質と量を飛躍的に高めることができると期待される。今年の後半から来年にかけて、アズ・ア・サービスとして本格的にスタートさせたい考えだ。


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