2021年夏CCS特集:パトコア
化学物質管理で実績拡大、化学特許のクレーム文書生成
2021.06.29−パトコアは、CABC'S(カブクス)グループを構成する企業として、創薬支援、化学特許支援、化学物質管理を3本柱に事業を展開。いずれも化学構造を取り扱うケムインフォマティクス技術が基盤になっており、ここ5年連続で過去最高の収益を記録している。グループ内から人的応援を随時得られることもあり、効率的なプロジェクト運営が可能になっているようだ。
最近、引き合いが強いのが化学物質管理関係のニーズ。国内法規制対応の試薬カタログデータベース「SMARTS」は、主要試薬ベンダー14社のカタログを集め、構造式と国内法規制情報、SDS(安全データシート)へのリンクなどを付与し、共通フォーマットで検索できるようにしたもの。製品数で3,000万、製造元で1,500社近くを網羅している。
さらに、試薬管理パッケージ「CRAIS Reagent」、法規制物質判定ソフト「CRAIS Checker」と組み合わせて、化学物質管理のための標準的ソリューションとして導入が増えている。今後は、SMARTSのコンテンツを生かして、SaaS(サービスとしてのソフトウエア)形式で利用できるサービスも企画したいということだ。
一方、化学特許の支援は、ハンガリーのケムアクソン製品として各種ツールを提供しているが、新製品の「マーカッシュエディター」が注目されている。これは、特許明細書の請求項(クレーム)に記載する化合物情報を自動的にまとめてくれるソフト。クレームに含めたい化合物のリストを入力すると、構造式からマーカッシュ構造を自動生成し、クレーム文書に仕上げる機能を持っている。抜けや漏れがなく、特許作成業務に大幅な効率化をもたらすことが可能。日本語の文書作成にも対応している。さきごろウェビナーで国内の顧客に紹介したが、大きな反響を得たという。
また、ケムアクソン製品はモダンなテクノロジーを採用して発展を遂げており、大規模なデータセットを効率良く扱えるマイクロサービスアーキテクチャーにも対応。十数億件の化合物データベースを高速に検索することも可能となっている。