2021年冬CCS特集:ウェイブファンクション

最新版の利用者に広がり、ソフト機能の動画配信に力

 2021.12.01−ウェイブファンクションは、分子モデリングソフトウエアの最新版「Spartan '20」を販売中。Windows、マッキントッシュ、Linuxとさまざまな環境で利用できることが特徴で、大学や高専などでの教育用途から企業をはじめとする研究用途まで幅広く活用されている。

 今年は、Spartan '20へのバージョンアップが順調に進んでいることに加え、新規の引き合いも増えているという。ユーザーが他の研究機関に異動したり企業に就職したりして広がりが出ているだけでなく、研究者間の口コミによる効果も大きい。実用性が評価されていることは間違いない。

 同社の日本支店では、ワークショップを定期的に開催し、ユーザーの裾野を広げる活動を続けてきているが、コロナ禍でリアルの開催ができなくなっているため、動画配信に力を入れている。動画自体は以前から揃えており、チュートリアルや各種のセミナー・講演の内容を視聴することができたが、今回はSpartan '20を使ったワークショップの半日コース、および追加コースの一部、TIPS(使いこなしのヒントやコツ)を再撮影し、公開したもの。同社のホームページから誰でも視聴できるので、ソフトの実際の動きや機能を購入前に確かめたいといった目的にもかなっている。

 具体的には、イントロダクションから3次元構造の組み立て、2次元構造式のスケッチ、配座解析、遷移構造探索、スペクトル予測、エネルギープロファイル、グラフィック操作まで、基本的な使い方を示している。また、追加コースでは、理論モデルの評価と限界、熱力学支配と速度論支配、高度な遷移構造探索、フラグメントライブラリー、溶媒効果などのほか、ベンゼンの二量体と結晶構造、置換基としてのクロミウムトリカルボニル、カルボン酸の酸性度などの解析例をみることができる。さらに、メディシナルケミストリーコースとして、極性表面積の定義(ポーラーサーフェスエリアとポーラーエリア)、化学特性記述子(CFD)、タンパク構造からリガンドの切り出し、などの動画を公開中だ。

 Spartan '20は、16コアまで使用できるパラレルスイート版と、コア数無制限のパラレルスイートGt16版の2種類のパッケージが用意されている。最近は高度な環境で活用したいユーザーが増え、Gt16版のニーズが増えているということだ。


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