CCS特集2022年冬:日立ハイテク
MI利活用支援サービス、実験データ収集もサポート
2022.12.01−日立ハイテクは、日立製作所と連携し、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)支援サービスである「材料開発ソリューション」を展開している。独自サービスの拡充も図り、グローバルビジネスでの強みを生かして、海外顧客に向けたサービス展開も検討し始めている。
同社の「材料開発ソリューション」は、日立の「Lumada」に関連したMIプラットフォームを利用。ユーザー自身がMIを使って分析できる環境をクラウドに用意した「材料データ分析環境提供サービス」と、顧客データを同社が預かり分析の代行をする「材料データ分析支援サービス」の両方を提供している。分析環境は定期的にアップデートを行い、この秋にもユーザーインターフェースを改善したばかり。直感的に迷いなく操作できるようになり、分析の初心者でもさらに扱いやすくなった。スモールスタートが可能で、トライアルの依頼も増えている。
また、MIを使う以前に社内のデータが揃えられないという悩みを持つ顧客が多いため、開発元の日立製作所と連携し、新たに「実験データ収集サービス」の提供を開始した。実験計画・結果をデータベース化し利活用までを考慮したもので、社内に散在する実験データなどを一括して管理し、業務ワークフローとの統合も行う。顧客に合わせて柔軟にカスタマイズができる点も特徴のひとつだ。さらに、同社は計測器事業として電子顕微鏡や熱分析・粘弾性測定装置などを手がけているため、MIに必要なデータ取得に関するサポートも可能。とくに、SEM画像などから特徴量を抽出する画像処理技術に長けていることが強みであり、画像からもMIに必要な数値データを集めることができる。
一方、グループ会社の日立ハイテクソリューションズが提供している「Chemicals Informatics」(CI)との連携も進める。CIは公開データを利用した材料探索が可能。そのうえで社内の実験データを加えて、「材料開発ソリューション」を利用し、データ駆動型材料開発を前進させることができる。