QunaSysがデータマネジメントプラットフォーム「EDAMAME(仮)」開発意向
実験と計算データ統合しコミュニケーション促進、PoC通じ開発・製品化目指す
2022.11.15−量子コンピュータースタートアップのQunaSysは、次世代のデータ駆動型材料研究基盤として、計算データと実験データを組み合わせて蓄積・活用できるデータマネジメントプラットフォーム「EDAMAME(仮)」の開発意向を表明した。今後、必要とされる機能のPoC(概念実証)に参加する企業を募って開発を行い、最終的な製品化を目指していく。
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)などのデータ駆動型で材料開発を行うためには、質量ともに充実したデータを多く集める必要があり、実験から得たデータと計算で求めたデータの両方を活用する方法が注目されている。しかし、実験部門と計算部門のコラボレーションは十分に進んでいないというのが同社の認識で、「実験と計算の両方のデータをどのように組み合わせて利活用するかの方法論が定まっていない」「実験課題を計算作業に落とし込むのが難しく、両部門間での伝達が困難」「両部門がコミュニケーションできるよう、データが使いやすいかたちで保存・共有されていない」などの問題点があるという。
EDAMAMEは、単にデータ管理を効率化するだけでなく、実験部門と計算部門のパートナーシップを醸成するためのシステム。データ統合機能、イシューベースの情報伝達機能、データプラットフォーム機能などが想定されており、実験課題からの計算内容の導出、データ統合による実験データと計算データの統合、これらのための計算データの効率的な管理などを組み合わせて、効率的で高度な材料開発を実現していく。
具体的なPoCにおいては、データ統合機能では密度汎関数法(DFT)の汎関数と量子コンピューティング計算データをデータ同化することで、DFT計算の精度向上が図れるかを実証。イシューベースの情報伝達機能では、実験課題の計算課題への変換、また計算結果を実験にフィードバックする際に人間が解釈している内容を言語化し、定型的な処理に落とし込める部分がないかを探索する。また、データプラットフォーム機能では、実験データをウェブ入力もしくは機器から自動登録するツール、計算データを再利用しやすいかたちで格納し、容易に検索・参照できるツールの開発を行うことにしている。
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