日立ハイテクソリューションズと慶應義塾大学がMIツールで創薬研究

活性硫黄分子の産生酵素阻害剤を開発へ、候補物質を探索

 2023.01.12−日立ハイテクソリューションズは11日、慶應義塾大学薬学部とマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の活用で共同研究を開始すると発表した。日立ハイテクソリューションズが製品化しているMIツール「Chemicals Informatics」(CI)を、いわゆるAI創薬分野に応用する取り組みであり、低分子薬をターゲットにしていく。

 CIは、学術文献や特許などから1億以上の化合物データを抽出して学習したシステムで、主に材料探索に利用されてきたが、既知の化合物ライブラリーからリードを探す低分子創薬にも適用が可能だと期待されていた。

 今回の共同研究では、慶應義塾大学薬学部による活性硫黄分子の産生酵素に対する選択的阻害剤の創薬研究への適用を図る。活性硫黄分子が細胞内で大量に産生されることで抗酸化作用やタンパク質の活性制御、エネルギー産生などを示すことが知られており、その産生酵素の働きを阻害することで、生命現象の解明やがんなどの疾病の治療につながることが期待されているという。

 CIで阻害剤の候補物質を網羅的に探索し、作用機序を分子動力学シミュレーションで予測することにより、研究の効率化と期間短縮、成功率向上を支援していく。

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<関連リンク>:

日立ハイテクソリューションズ(Chemicals Informatics 製品情報ページ)
https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/products/ict-solution/randd/ci/


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