CCS特集2023年夏:日本ケミカルデータベース

化学物質管理を効率化へ、法改正の通知など新サービス

 2023.06.28−日本ケミカルデータベース(JCDB)は、ケミカルデータ(物質情報、法規制情報)およびケミカルデータベースを利用したサービスを提供している。とくに、近年では化学物質に関する法規制が強化される流れが鮮明であり、法改正に迅速に追随し、顧客等へ的確に情報伝達することは、メーカーの使命として重要になっている。そうした化学物質管理業務を支援する意味で、同社の事業展開が注目されている。

 同社は昨年10月、新サービス「ezMONITOR」を提供開始した。これは、国内化学品法規制の更新通知を行うサービス。「製品」「物質」「法規」の3要素で法改正による変更をモニタリング(化学品法律32法律、280以上の規制に対応)しており、法改正があった場合にプッシュ型によって通知が送られてくるという仕組み。「製品」の区分では、混合物としてそこに含まれる化学物質の組成や性状を登録しておくことができる。

 先般の労働安全衛生法改正でも、ラベルやSDS(化学物質の安全データシート)通知、リスクアセスメント対象物質が改正前の674物質から約2,900物質へと大幅増加するとともに、自律的な管理に向けた実施体制を確立することを求めている。もはや人手でもれなく調査し対応するのは困難なレベルであり、「ezMONITOR」の活用が不可欠だともいえよう。

 また、法規制情報を調査するためのサービスも、昨年12月にリニューアルされた。それまでの「ezCRIC」と「ezADVANCE」を統合して新サービス「ezCRIC+」をスタートしたもの。ケミカルデータとして新たに外部の法規制データベースを搭載したほか、JCDBの国内法規制データには検索結果の「該当」判定に加えて、「非該当」「未確定」「未調査」の結果も表示できるようになった。検索機能も強化され、CAS登録番号の複数設定、化学式での検索、詳細検索なども可能になっている。利用者は自社に必要なコンテンツだけを選択して利用することができるのもメリットだという。

 そのほか、同社がNAGASEグループと共同開発し、ナガセ情報開発が運営・提供する化学品ドキュメント管理プラットフォーム「CDPF」も今年から正式サービスが開始されている。化学品ドキュメントを作成する「ChemValue」と、ドキュメントの確実な伝達を実現する「DocuValue」を組み合わせて利用するサービス。業務効率化やコンプライアンスの観点で重要な機能を提供している。


ニュースファイルのトップに戻る