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CCS特集2023年夏：パトコア
データ駆動型創薬を支援、バイオ医薬向け登録新製品も
2023.06.28−CABC'S（カブクス）グループのパトコアは、長年のインフォマティクス技術を核に、創薬研究のデジタルトランスフォーメーション（DX）、化学特許作成などの知財DX、法規制や安全性などの化学物質管理DXを3本柱として幅広いソリューションを提供している。ハンガリーのケムアクソン社との協業が主軸となっており、今年も新製品の投入を予定している。
ケムアクソンは、データベース（DB）で化学構造式を扱うための標準的なケミストリーエンジンを提供しており、国内でも多くの試薬メーカーが自社の検索サービスに組み込んでいるほか、製薬業向けのシステム開発を行うベンダーにも数多く採用されている。製品としては、ケムインフォマティクス分野のツールやアプリケーションを幅広く揃えていることが特徴だ。
とくに、戦略商品として伸びているのが、データ駆動型創薬を支援する「DesignHub」。コラボレーションのプラットフォームでもあり、CRO（医薬品開発受託機関）などの外部のパートナーと複数連携しながらDMTA（設計・合成・評価・分析）サイクルを回す際に、すべての情報を集約して共有し、各プロジェクトの進捗を的確に管理することに役立つ。米サターラのデータサイエンス基盤製品「D360」と連携することで社内外のデータソースを統合的に利用することが可能であり、共同プロモーションを展開中。
また、ケムアクソンが開発中の新製品がバイオモダリティ登録システム「Bioregistration」。ケムインフォマティクスとバイオインフォマティクスの機能が１つのパッケージで提供され、複雑な分子の標準化、一貫性チェック、ユーザー定義可能で柔軟なモダリティ（核酸配列から実験動物、生体抽出物まで）、エンティティーの一括登録などの機能がある。とくに、標準化された生体高分子記述言語であるHELMを採用。モノマーライブラリーを使用して生体分子の構成要素を原子レベルで認識できることが特徴となっている。すでに、クラウドサービスとしてアーリーアダプター向けにリリースされており、さらにブラッシュアップされて正式版が登場する予定だ。
一方、化学物質管理DXの関係では、やはりケムアクソンが開発した「cHemTS」の販売を強化する。これは、化学物質の貿易で必要となるHSコードを簡単に調べることができるソフト。この業務は複雑で、しばしば誤ったHSコードを割り当てるミスが発生し、過剰な税金の支払い、通関の遅延などを招くことがあるという。cHemTSを使えば、分子の化学構造から国ごとのコードを検索することが可能。米国、EU（欧州連合）、英国、スイス、中国、インドに加え、日本も対象になった。コスト削減と規制順守を実現し、貿易コンプライアンスをDXで支援するツールとして提案していく。