富士通がペプチド創薬の研究プロセス管理プラットフォーム

DMTAサイクルを加速、ペプチド化合物の設計支援も

 2023.05.19−富士通は18日、ペプチド創薬の研究プロセスを管理するプラットフォーム「Biodrug Design Accelerrator」(バイオドラッグデザインアクセラレーター)を製品化し、販売開始したと発表した。今年度の第3四半期からはグローバルにも順次展開していく。ペプチド医薬品の候補として抽出された数千種類の化合物を、数十種類まで絞り込む過程において、研究プロセスの可視化やデータの一元管理、研究者間のコラボレーションを可能にすることにより、DMTA(設計・合成・評価・分析)サイクルを加速させることを狙う。研究対象として、ペプチドだけでなく核酸医薬品や抗体医薬品にも対応できるほか、将来的には人工知能(AI)やシミュレーション技術の統合も図っていく予定。

 富士通は、2019年からペプチドリームとの間でいくつかの共同研究を実施してきており、実際の創薬プロジェクトでの実用性を反映させるかたちで、今回の製品も開発された。とくに、ペプチドを含む中分子医薬品は、分子量が低分子医薬品と抗体医薬品(高分子医薬品)の中間に位置し、比較的低コストで開発・製造ができるうえ、薬効が高く副作用のリスクは小さいという利点があるとされている。ただ、長年研究されている低分子薬と比較し、複数のアミノ酸が結合したペプチドの膨大で複雑な計算結果を、手作業での実験結果と合わせて管理するツールや環境の整備が進んでいなかったという。

 今回の「バイオドラッグデザインアクセラレーター」は、研究プロセスの可視化やデータ連携を可能にし、創薬プロジェクト全体を管理し推進するプラットフォームの機能を提供。行程ごとの進捗を可視化し、候補となるペプチドやアッセイデータ、リード化合物などさまざまなデータを一元化し、各工程とひも付けることでDMTAサイクルを視覚的に分かりやすく確認できる。数十個のアミノ酸が結合した複雑なペプチドをできるHELMに準拠しており、シミュレーション結果や実験結果などをHELMとひも付けて管理することができる。

 また、簡単な操作でシミュレーションと連携したペプチド化合物設計が可能である。アミノ酸配列を一覧から選択し、配列への追加や変更をマウス操作で実施。実験から導いた活性値や物性値、化学構造などを、複数のシミュレーション結果を参照しながら設計することができる。設計したペプチド化合物を実際に合成し、その結果をフィードバックするサイクルを回していくことになる。さらに、チャット機能を使い、こうした情報やデータを共有しながら、議論や意見交換をリアルタイムで行える。ノウハウを記録として残し、継承することにもつながるという。

 富士通では今後、量子現象に着想を得たコンピューティング技術「デジタルアニーラ」、AIやHPCを組み合わせて活用できるクラウド計算サービス「Fujitsu Computing as a Service」との連携機能をプラットフォームに実装し、データ解析やシミュレーションをシームレスに実施できるようにしていく。

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<関連リンク>:

富士通(バイオドラッグデザインアクセラレーター 紹介ページ)
https://www.fujitsu.com/jp/solutions/uom/healthy-living/smartlab-bda/?_gl=1*14bif14*_ga*MTMyMzE2MzQyMi4xNjgxMTgwMDEw*_ga_3XKLQLRH61*MTY4NDM3ODA0My41LjEuMTY4NDM3ODEyMC41Ny4wLjA.

富士通(Fujitsu Computing as a Service 紹介ページ)
https://www.fujitsu.com/jp/services/caas/?_gl=1*1keeb87*_ga*MTMyMzE2MzQyMi4xNjgxMTgwMDEw*_ga_3XKLQLRH61*MTY4NDM4MzYwOS42LjEuMTY4NDM4MzY1OC4xMS4wLjA.


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