PFCCがMIクラウドサービスを米国市場に提供

DFT計算の2,000万倍の速度で解析、72元素に対応

 2023.05.01−Preferred Computational Chemistry(PFCC)は4月28日、汎用原子レベルシミュレーター「Matlantis」(マトランティス)を米国市場で提供開始したと発表した。これはマテリアルズ・インフォマティクス(MI)研究を実行するためのクラウドサービスで、国内では2021年7月にリリースされ、すでに50以上の企業・研究機関での利用実績がある。世界のMI研究の中心地であるともいえる米国での反響が注目される。

 Matlantisのコア技術はニューラルネットワークポテンシャル「Preferred Potential」(PFP)で、大量の密度汎関数法(DFT)計算結果を学習させることによって汎用的な力場ポテンシャルを構築している。このため、力場計算の計算負荷でDFTクラスの計算精度を得ることが可能。グループが保有する独自のスーパーコンピューター、および産業技術総合研究所のAI橋渡しクラウド(ABCI)マシンを用いて3,300万以上の仮想的な分子や結晶などの構造からなるデータセットを用い、1GPU換算で1,650年に相当する計算量で生成されているという。

 計算速度はDFT計算の最大2,000万倍となり、72種類の元素に対応し、2万原子までの系を解析できる。このため、探索対象も幅広く、電池や半導体のほか、クリーンエネルギー、環境、触媒、吸着剤、合金などの分野で利用されているという。今年1〜3月の計算実績は累積の原子数で2兆6,000億個にのぼる。

 なお、同社はPreferred Networks(PFN)とENEOSとの合弁会社で、両社が共同開発したMatlantisをクラウドサービスとして展開することを事業としている。

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<関連リンク>:

Matlantis(トップページ)
https://matlantis.com/ja/


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