CCS特集2024年夏:日本ケミカルデータベース

改正安衛法への対応支援、SDSデータ化サービスも

 2024.06.25−日本ケミカルデータベース(JCDB)は、化学品法規制をはじめとするケミカルデータベースを活用し、国内外で複雑化する化学物質管理や、化学品にかかわるコンプライアンス活動に対するソリューションを提供している。とくに、改正労働安全衛生法(安衛法)への対応に苦労している企業が多いことから、これをサポートする製品やサービスの開発を積極的に進めていく。

 改正安衛法では、ラベルやSDS(化学物質の安全データシート)通知、リスクアセスメント対象物質が改正前の674物質から約2,900物質へと大幅に増加するとともに、自律的な管理に向けた実施体制を確立することが求められている。

 同社はSDS作成代行・受託サービスをはじめ、クラウド型SDS作成支援ツール「ezSDS」の提供も行っているが、すでに改正安衛法に対応しているほか、新たなJISやGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)のサポートも含め、今後も使いやすいソフトの開発に力を注ぐ方針。法規制の更新を通知するサービス「ezMONITOR」も改正安衛法に対応した更新情報を取り込んでおり、皮膚等障害化学物質や許容濃度などの通知にも対応できるようになっている。NAGASEグループと共同開発し、ナガセ情報開発が運営・提供する化学品ドキュメント管理プラットフォーム「CDPF」で利用できる「ChemValue」にも、それらの機能を実装済みだ。

 さらに、新しく準備中なのがSDSのデータ化サービス。SDSは基本的に紙やPDFベースなため、リスクアセスメントなどの目的でデータを再利用することが難しい。そこで、SDSを取り込んで電子データに変換するサービスを計画中。表記の揺らぎを吸収するため生成AI(人工知能)を利用する予定だという。また、企業全体で効率良く使える化学物質リスクアセスメントツールも開発中である。複数の原料を複数の設備で扱う際の有害性評価など、従来は評価が煩雑だったものにも対応しやすい。これらの新サービスは年内のリリースを目指している。


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