CCS特集2025年夏:ダイキン工業

エクセルからデータ結合、実験記録の蓄積活用を支援

 2025.06.24−ダイキン工業は、電子システム事業部として、製造業や建設業、大学・研究機関などに向けてITソリューションを提供。分子ソフト&インフォマティクス分野では、ダッソー・システムズの代理店として材料科学系および生命科学系のモデリング&シミュレーションソフト、電子実験ノートの販売・サポートを行うとともに、独自にユーザーニーズをとらえ、自社パッケージ開発にも取り組んでいる。実験記録を柔軟にデータベース化し、データ活用への取り組みを支援できる「ParsleyLab」(パースリーラボ)の普及に力を入れている。

 同社が調べたところによると、研究実験データの1次記録は、90%がExcelで管理されている。しかし、人工知能(AI)や機械学習でデータ活用を推進するための基盤となるデータ蓄積のところで壁に当たるユーザーも多いという。研究グループや研究内容によってExcelワークシートのフォーマットがまちまちであり、データを統合するのが難しいためだ。同社は、ダッソー・システムズの電子ノート「BIOVIA Notebook」を採用し、新たなデータ基盤にするという選択肢も提示できるが、一方でExcelを活用するスタイルを維持したいというニーズに応えるかたちで「ParsleyLab」を開発した。

 「ParsleyLab」はオンプレミスで使用できるパッケージソフト。共有フォルダーのイメージで、自由にフォルダーとファイルをつくってデータ管理ができる。最初に入力フォーマットを作成する段階で、AIが読みやすいデータ形式(構造化データ、半構造化データ、ツリー型データ構造)を意識して設定を行う。これは、研究者とデータ科学者が短時間ですり合わせできるようになっており、入力された実験データに対して、ワークシートの見出しの関係や順序の関係、表の関係などをパース機能を使って関連付けていく。Excelに貼られた画像も同様にデータ化することが可能。これにより、複数のファイルにまたがる蓄積データを集約・結合させることができ、目的に合わせて解析用のデータマートを作成することも簡単に行える。生成AIと組み合わせて社内実験記録を活用することも可能だ。


ニュースファイルのトップに戻る