CCS特集2025年夏:日本ケミカルデータベース
化学物質リスク評価支援、結果をサーバーで一元管理
2025.06.24−日本ケミカルデータベース(JCDB)は、物質情報・法規制情報などからなるケミカルデータベースを活用し、国内外で複雑化する化学物質管理や、化学品にかかわるコンプライアンス活動に対するソリューションを提供している。とくに、化学物質に関するリスクアセスメント業務は、今後ますます重要性を帯びると予想されていることから、これを支援する新サービスを市場投入する。
これは、7月にリリース予定の「ezRisk Assessor」。リスク評価実施に必要な情報を標準搭載し、リスク評価から実施結果の記録までをワンストップで行えるリスクアセスメント支援サービスである。とくに、2つのリスクアセスメントツールを搭載しており、厚生労働省が開発・公表している「CREATE-SIMPLE」と、産業環境管理協会が開発した「TRA_Link」を使って正確なリスク評価が行える。物質データも、約3,000物質の情報を備えており、すぐに利用することが可能。データ数は今後も増やしていく予定だが、現在の対象物質以外の物質についてもリスクアセスメントを義務化する動きがあることから、このシステムを利用していくことで将来的に物質情報を調べる作業負担が大幅に軽減されると見込まれる。
また、データが一元管理されているため複数人での情報共有も可能。製品情報を登録したり検索したりする機能も搭載している。前回のリスクアセスメント実施後に物質等の情報の変更があった場合に、アラートが示される機能も便利だ。さらに、過去に実施したリスクアセスメント結果はレポートとして保存することができる。条件の絞り込みでの検索も可能で、対象物質が増えていってもレポート管理が非常に楽になるという。
まとめると、2つのツールを用いての正確なリスク評価が行えるほか、物質情報や製品情報、リスクアセスメント結果をサーバーで一元管理できるため、リスクアセスメント業務負担の大幅な削減が見込まれる。クラウドサービスであるため、コスト的にも優れている。年間契約で3ユーザーまで120万円となっている。
一方、「SDSデータ化サービス」も計画中。SDS(化学物質の安全データシート)をまとめてアップロードすると、それを読み取ってデータ化し、指定されたデータ形式(Excel、CSV、JSON)に変換して戻してくれる。データ読み取りは日本のSDSと海外30言語のSDSに対応。複数の方式で読み取り、データを比較することで高精度な処理を実現しており、生成AI(人工知能)も使用してデジタル化する。秋ごろにサービス開始の予定だ。