CCSニュースファイル
   2009年1−3月

  • ヒューリンクスが米ハイパーキューブのバイオインフォ関連新製品
     2009.01.07−ヒューリンクスは、米ハイパーキューブが開発した新製品「HyperProtein」を国内で販売開始した。たん白質をターゲットとしたバイオインフォマティクス領域のソフトウエアで、アミノ酸配列のアラインメントから系統樹の作成、2次構造予測、立体構造の組み立てまで、さまざまな研究プロジェクトを洗練されたGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)環境で実行することができる。Windows専用で、価格は28万3,500円、教育機関向けは19万3,200円。
  • アクセルリスが最新版MaterialsStudio4.4をリリース、ナノ領域機能強化
     2009.01.15−アクセルリスは、このほど材料設計支援システム「Materials Studio」の最新バージョン4.4をリリースした。材料の大規模な系を扱うメソスケールシミュレーションのための新しい計算エンジンが組み込まれたほか、原子を単位としたモデルからビーズを単位としたモデルへの変換を容易にする粗視化ツールなど、メソ領域に対応したGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)も一新した。各種材料を対象にしたモデリングやシミュレーションの適用範囲が広がったことで、さらなる普及が期待される。
  • CASがDBに1H-NMRの予測値2,380万件を収録、ACD/Labsと提携で
     2009.01.31−米国化学会(ACS)の情報部門であるCAS(ケミカルアブストラクツサービス)はこのほど、データベースサービスの新しい登録情報として、2,380万件を超える1H-NMR(プロトンNMR)スペクトルチャートを収録した。実測値ではなく計算によって予測した情報で、オンライン検索サービスである「SciFinder」を通して利用できる。
  • JSOLがパッケージ販売から解析サービス中心へと事業方針転換
     2009.02.09−JSOL(旧日本総研ソリューションズ)は、材料設計支援のための国産パッケージ「J-OCTA」の事業方針を転換し、個別のユーザーニーズに合わせた解析コンサルティングサービスを主力に事業展開していくことにした。これにともない、汎用機能のバージョンアップと新規のパッケージ販売は停止するが、コアとなる先進ユーザーの獲得には成功したと判断。具体的な研究テーマに対して、既存ユーザーがOCTAをうまく活用できるように技術的に支援していく。大学や研究機関などとの共同研究も継続し、得られた成果を発表するなど、今後もOCTAの普及に向けた活動に力を入れる。
  • 菱化システムがMOPAC2009を発売、MOZYME法でたん白質に対応
     2009.02.10−菱化システムは、米スチュワート・コンピューテーショナルケミストリーが開発した半経験的分子軌道法ソフトの最新版「MOPAC2009」の販売・出荷を開始した。最大の特徴は、巨大分子系を高速に計算できるMOZYME法が搭載されたことで、たん白質の構造最適化などを手軽に行えるようになった。MOZYME法は、MOPACが富士通によって開発されていた時代に導入された手法で、富士通版の後継製品である「MO-G」には含まれているが、本家のMOPACには組み込まれていなかった。今回のMOZYME法のサポートで、MOPAC2009はようやく完全版になったといえそう。
  • エルゼビアが新統合ファクトDBサービス「Reaxys」、合成計画など新機能
     2009.02.25−科学技術・医学分野の学術出版および情報サービス大手のエルゼビア(本社・オランダ)は、化学・創薬研究のためのリニューアルされたファクトデータベースサービス「Reaxys」(リアクシス)を提供開始した。定評のある「CrossFire Beilstein」(バイルシュタイン)、「CrossFire Gmelin」(グメリン)、「パテントケミストリーデータベース」(PCD)の3つのデータベースコンテンツを統合し、使いやすく一新されたウェブ環境で利用できるようにしたもの。現場の合成化学者が手元で直接使用して研究活動を効率化することができる。合成経路を視覚的に探索できる“合成計画”など、ユニークな新機能も搭載されている。
  • デンマーク・モレグロ社:トムセンCEOインタビュー、高精度ドッキングで注目
     2009.03.19−新しい医薬品を設計するための研究手法としてドッキングシミュレーションの採用が拡大している。ターゲットとなるたん白質の構造の解明が急速に進んでいることにともない、その活性部位に特異的に作用する医薬品分子の構造を探ることが可能になってきたため。海外製・国産を含め多数のソフトがしのぎを削っているが、なかでも高精度・低価格で注目を集めているのが、デンマークのモレグロ社が開発した「Molegro Virtual Docker」(Molegroバーチャルドッカー)だ。既存のソフトへの不満がきっかけだったというレネ・トムセン(Rene Thomsen)社長兼CEOは、「製品には自信がある。ぜひ一度試してほしい」と述べる。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • PTCジャパンが日本市場だけの中堅市場向けCADパッケージ
     2009.01.09−PTCジャパンは、2009年の重点戦略として中堅・中小市場向けチャネル販売を拡大する方針を打ち出した。組織面でパートナー支援体制を強化するとともに、製品面では代理店販売に限定した3次元CADシステムの新パッケージ「Pro/ENGINEERファウンデーションエッセンシャルエディション」を日本市場向けに製品化し、5日から販売開始した。続けて2月には製品ライフサイクル管理を実現する「Windchill」の中堅・中小ユーザー向けパッケージの投入を計画するなど、積極的に攻勢をかけていく。
  • アスペンテックジャパンが環境対応シミュレーションを強化、CO2分離
     2009.02.04−アスペンテックジャパンは、工場などから排出される前に二酸化炭素を分離・回収するためのシミュレーション技術を確立、地球温暖化対策のための環境対応ソリューションとして国内市場での拡販を目指す。二酸化炭素回収に必要なエネルギー負荷とコストを低減した効率的なプロセス設計を支援することができ、すでに世界では95の大学・研究機関・企業に利用されている。国内では地球環境産業技術研究機構(RITE)の「COCSプロジェクト」で活用されているほか、企業からの関心も急速に高まっているという。
  • キングソフトが無料の辞書・翻訳ソフト、マウスオンで辞書を検索
     2009.03.31−中国のソフト会社の日本法人、キングソフト(本社・東京都港区、翁永飆代表取締役/沈海寅代表取締役)は、辞書機能と翻訳機能を兼ね備えた無料のソフトウエア「キングソフト辞書」日本語版の提供を開始した。中国では1997年に発売され、7,000万人のユーザーが利用。昨年5月にはグーグルと提携してオンライン翻訳機能を統合した製品。常駐させておくことによって、調べたい言葉の上にマウスを載せるだけの操作で、その意味や英訳を調べることができる。

 

 


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