CCSニュースファイル
   1992年7−9月

  • 三菱総研が独インタフェイスと提携してポリマー設計支援システムを輸出
     1992.07.10−三菱総合研究所は、ポリマー設計用のCCS(コンピューターケミストリーシステム)でドイツのソフトウエア会社、インタフェイスコンピュータ社(クラウス.M.ミューラー社長)と販売契約を結んだ。三菱総研が1990年9月にマルチクライアント方式で開発したポリマー設計支援システム「EXPOD」(商品名)を、欧州、米国、東南アジアなどインタフェイスのルートを通じてワールドワイドに販売していく。インタフェイス社は知識工学分野の専門ソフト会社で、CCSのアプリケーションソフトを手がけるのは初めてだが、ポリマー設計の専門家をサポート要員として採用するなど、充実した事業体制を築いていく。
  • 菱化システムが物産アドバンストシステムとバイオシム製品の販売で提携
     1992.07.11−三菱化成のソフトウエア子会社、菱化システム(森本隆社長)と三井物産100%出資の情報商社、物産アドバンストシステム(BASYS、宮崎重則社長)は、CCS(コンピューターケミストリーシステム)で提携した。BASYSが菱化システムの代理店となり、菱化システムが販売権をもつ米国バイオシム社のCCS製品群を、とくに医薬/バイオ向け市場に対して、一手に扱っていく。
  • 菱化システム:吉田和夫社長インタビュー、CCS事業で差別化図る
     1992.08.05−菱化システムは、米国バイオシムテクノロジーズ社の国内総代理店としてCCS(コンピューターケミストリーシステム)事業を推進、ポリマー設計、触媒設計、電子・光学・磁気材料設計など最先端の分子設計支援技術を次々に切り開くバイオシムの戦略に呼応して国内でもユニークな事業活動を繰り広げてきた。同社は三菱化成100%出資の情報子会社だが、今回、三菱化成で総合研究所長を務めた吉田和夫常務が新社長に就任した。「CCSについては三菱化成社内で長年にわたり経験を積んできた。その研究ネットワークをフルに生かせる分野であり、これで菱化システムとしての特色を出していきたい」と述べる吉田社長に今後の事業戦略を聞いた。
  • 住商エレクトロニクスが日本電子輸入販売と販売提携
     2000.08.19−住商エレクトロニクスは、米国のCCS(コンピューターケミストリーシステム)ベンダー同士の買収・合併にともなう国内での新しい事業体制を正式に固めた。今年の3月末に、住商エレが総代理店として提携している大手CCSベンダー、トライポス社がNMR(核磁気共鳴)のデータ解析ソフトで高い実績をもつニューメソッドリサーチ(NMRi)社を買収した。NMRi社の日本総代理店はすでに日本電子輸入販売が務めており、国内での新体制づくりが注目されていた。
  • 住商エレクトロニクスが三次元対応化学DBシステムUNITYを発売
     1992.08.24−住商エレクトロニクスは、米国の大手CCS(コンピューターケミストリーシステム)ベンダー、トライポス社が開発した三次元データベース管理システム「SYBYL/3DB UNITY」(商品名)の国内販売を開始した。分子の三次元の構造情報を効率良く管理する。分子の機能・活性の発現の要である三次元形状に注目してさまざまな情報検索ができるので、これまでの二次元データベースを利用するよりもさらに高い次元で研究開発を推進することができる。同社の統合分子設計支援システムSYBYLと組み合わせても、単独でも利用でき、ソフト価格は1,340万円。
  • フジシステムリソースがコンピュードラッグ製品を低価格システム販売
     1992.09.02−フジシステムリソース(本社・東京都新宿区、青田俊郎社長)はこのほど、ハンガリーのソフト会社、コンピュードラッグ社の化合物代謝予測・毒性予測システムの機能強化版を新発売するとともに、ソフトとハードをセットにしたシステム販売に乗り出した。コンピュードラッグ製品は任意の化合物の代謝物質を予測する「MetabolExpert」、毒性予測の「HazardExpert」など、研究活動を支援するための幅広いツール群をもつが、ソフト価格が350万円と、パソコンソフトとしては比較的高額だった。このため、同社では最新のパソコンとセットにしたリース販売を行い、安価に導入できるようにしたもの。IBM-PCの互換機で動作し、月額リース料は10万9,400円。
  • ダイキン工業が菱化システムと提携しバイオシム製品を販売
     1992.09.21−ダイキン工業は、菱化システムとの間で、米国の大手CCS(コンピューターケミストリーシステム)ベンダーであるバイオシム社の製品群の販売に関して基本合意に達し、きょう22日から本格的に営業活動を開始した。ダイキン工業は分子シミュレーション演算結果の可視化機能を中心にした分子設計支援システム「MOL-GRAPH」を開発、1987年に発売して以来、国内CCSベンダーとしてトップクラスの導入実績を築いている。しかし、バイオシム社がポリマーや触媒、電子材料分野などMOL-GRAPHを補完する領域で強みを発揮しているため、あえてバイオシム製品を自社の製品ラインに加えてCCS事業の発展を図ることにした。
  • 米ヒューレットパッカードとMSIが戦略提携を締結
     1992.09.24−米国ヒューレット・パッカード社(HP)は、大手CCS(コンピューターケミストリーシステム)ベンダーの米国モレキュラーシミュレーションズ社(MSI)との間で、戦略的提携関係を結んだ。HPの協力を得て、MSIは自社のCCS製品群をHPのRISCワークステーションに移植。これにより、HPは同市場へのワークステーション販売を加速する。
  • ソニー・テクトロニクスがパーソナルCACheを発売
     1992.09.29−ソニー・テクトロニクスは、米国CACheサイエンティフィック社が開発したコンパクトな分子モデリングシステム「パーソナルCAChe」(商品名)を10月1日から受注開始する。三次元で分子構造を組み立てるための分子エディターとフラグメントライブラリー、および分子力場法計算プログラムを内蔵しており、分子の安定配座の探索などに威力を発揮する。同社では新発売に合わせ、開発元と歩調をとって全世界でのキャンペーンセールを日本でも展開。大幅な値引きを実施し、基本構成の「パーソナルCACheイノベーター」(定価91万8,000円)を58万2,000円で、拡張ヒュッケル法の計算機能と可視化システムを加えた「パーソナルCACheイノベータープラス」(同183万7,000円)を116万3,000円で提供していく。また教育機関向けには「同プラス」を22万6,000円で販売。
  • NECが分子軌道法AMOSSの可視化機能にAVSを採用へ
     1992.09.30−NECは、スーパーコンピューターSX-3Rシリーズで利用できる独自のab initio分子軌道法システム「AMOSS」(商品名)の可視化機構を、米国アドバンスト・ビジュアル・システムズ(AVS)社が開発したグラフィックソフトウエア「AVS」を利用して構築する方針を固めた。今年度中に開発を完了させる。AVSは業界標準の可視化ツールで、広範に普及しているため、他社機種を含めた各種のワークステーションから自由にAMOSSを駆使できるようになる。同社はこのほど、AMOSSの初受注を海外であげたばかりであり、今回の可視化機能の提供を機に、普及にはずみをつけたい考え。

 


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