CCSニュースファイル
   2012年7−9月

  • 米アクセルリス:カーネッキア社長兼CEOインタビュー、SILM領域に照準
     2012.07.04−アクセルリスは、企業の研究開発における科学的な革新を支援する“SILM”(Scientific Innovation Lifecycle Management)領域に照準を定める。そのためのソリューションを幅広く用意するため、M&A戦略をさらに積極化させはじめた。「いろいろなベンダーが関連する領域に進出してきているが、プラットホームを統一できているのは当社だけだ」と述べるマックス・カーネッキア(Max Carnecchia)社長兼CEOに、最近の状況と今後の戦略を聞いた。
  • TSテクノロジーが計算化学クイックオーダー、物性計算など低価格で実施
     2012.07.05−Transition State Technology(TSテクノロジー)は、低料金で手軽に利用できる「理論分析クイックオーダーサービス」を提供開始した。化学物質の物性や反応性などを示すさまざまな理論値を計算し、1物質当たり3万円からという低価格で、基本的に即日返答するともの。受託計算・受託研究サービスの総合メニューの一環として取り入れた。詳しい分析や考察は抜きにして、計算結果だけをすぐにほしいというニーズに応えた。
  • 富士通が臨床開発向けソリューションを強化、クラウドサービスで製品化
     2012.07.13−富士通は12日、医薬品の臨床開発向けソリューション「tsClinical」のラインアップを強化し、9月から日本と米国で発売すると発表した。臨床試験の実施基準をグローバルに統一する動きに対応した「tsClinical DDworks21 Global」と、臨床試験のコスト削減・期間短縮を実現する「tsClinical X-Management」の2製品を加えることにより、グローバルな臨床試験における品質確保とコンプライアンス対応が可能となる。2015年までに海外を含めて累計50億円の販売を見込む。
  • 化学情報協会が「SciFinder」を医薬研究分野で浸透へ、生物活性情報など
     2012.07.24−化学情報協会(JAICI)が国内で提供している米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)のオンライン検索サービス「SciFinder」が機能強化され、その新機能のいくつかが医薬品開発分野で注目されている。とくに、生物活性関連情報がデータベースに収録されたことや、LD50などの物性で物質検索ができるようになったことなどが高い評価を受けている。
  • 富士通九州システムズが「ADMEWORKS」バージョン7、カクテルモデル搭載
     2012.07.27−富士通九州システムズ(FJQS)は26日、化学物質や薬物の安全性や物性を予測する「ADMEWORKS」を機能強化し、最新バージョン7を8月1日に発売すると発表した。予測したい対象に最適なモデルを適用して精度を高めるカクテルモデル機能を搭載したほか、この新機能を利用して作成したAMES変異原性予測モデルも提供する。パッケージの構成は、ユーザーが自分でモデル作成を行える「ADMEWORKSモデルビルダー」と、あらかじめ用意されたモデルを用いて予測を行う「ADMEWORKSプレディクター」に分かれており、価格は前者が永久ライセンス300万円、年間ライセンス120万円。後者は同様に100万円と40万円。
  • パーキンエルマーがインフォマティクス製品のブランドを統一
     2012.07.28−パーキンエルマーは、旧ケンブリッジソフト製品を含めたブランディングやパッケージ構成を変更する。同社のインフォマティクス事業は、ケンブリッジソフトのほか、品質分析・試験業務のデータ管理システムを開発していたラボトロニクス、電子実験ノートブック(ELN)ベンダーのアルタスラボ、LIMS(研究情報管理システム)ベンダーのラボワークス−の4社を中心に統合したもの。製品間の連携も進んでおり、一体化したソリューションであることを印象づける狙いもあるようだ。
  • 米CASがユーザー会で「SciFinder」のロードマップ、年内に2回の新リリース
     2012.07.31−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)と化学情報協会(JAICI)は、7月24日に東京、25日に大阪で「SciFinderユーザーミーティング」を開催した。両会場で150人ほどの参加登録があり、国内ユーザーから合わせて4件の事例発表が行われた。CASからは、今年の後半以降に予定されている開発計画などが紹介された。
  • エルゼビア・ジャパンが旧アリアドネのパスウェイ解析ツール
     2012.08.18−エルゼビア・ジャパンは、昨年12月にオランダ本社が吸収合併した米アリアドネゲノミクスの「Pathway Studio」の国内での販売・サポートを8月から開始した。これは、たん白質間相互作用や遺伝子発現制御、GPCR(Gたん白質共役受容体)、転写因子、代謝経路などを収集したデータベースと、自然言語処理アルゴリズムに基づくテキストマイニングツールを統合したパスウェイ解析ツール。創薬ターゲット候補探索、トキシコゲノミクス解析、次世代シーケンサーからのゲノミクス解析、バイオマーカー探索などに活用できる。同社では、ハンズオン型のトレーニングコースの提供など、代理店時代とは異なるサービス体制を敷き、さらなる普及を目指すことにしている。
  • パーキンエルマーがELNでケムアクソンのJChemをサポート
     2012.08.29−パーキンエルマーは、電子実験ノートブック(ELN)「E-Notebook」の標準オプションとして、ハンガリーのケムアクソン社が開発した化学構造検索エンジン「JChemカートリッジ」をサポートする。日本国内で両者を組み合わせた導入実績が多いことから、開発元として標準でサポートすることを決めたもの。ELNは主に製薬産業の研究開発で利用されるが、化学や生物、分析部門など社内の各部署との連携、外部機関への委託研究などの際に、コラボレーションのハブとして働く役割が期待されている。今回のJChemのサポートを皮切りに、他システムとの連携をさらに推進していく考えだ。
  • マイクロソフトリサーチのトニー・ヘイ副社長が会見、eサイエンス振興
     2012.09.15−米マイクロソフトリサーチのトニー・ヘイ産学連携部門担当副社長(Tony Hey)がこのほど来日し、記者懇談会を開いた。いくつかの研究プロジェクトの例をあげながら、膨大な学術データを整理・体系化し、データを出発点に理論や仮設を構築していく“データ集約型の研究方法”(eサイエンス)が浸透している現状を紹介した。ヘイ副社長は、eサイエンスによる成果が期待される有望な研究領域として、生命科学分野と環境科学分野に注目していると述べた。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • マカフィーが業界初のハードウエア支援型セキュリティ、ルートキット検知
     2012.07.26−マカフィーは25日、親会社のインテルと共同で業界初のハードウエア支援型セキュリティ技術を開発し、次世代エンドポイントセキュリティソフト「McAfee Deep Defender」(ディープディフェンダー)とセキュリティ管理ソフト「McAfee ePO Deep Command」(ePOディープコマンド)を日本で8月1日から発売すると発表した。ルートキットを使用した高度なステルスマルウエアなど、シグネチャーベースでは防ぎにくい標的型攻撃に有効。管理ソフトと組み合わせることで、管理コストの低減と運用の最適化を実現できる。
  • PaaSベンダーの米エンジンヤードが日本市場に進出、シングルテナント
     2012.09.05−PaaS(サービスとしてのプラットホーム)ベンダーの米エンジンヤード(本社・カリフォルニア州、ジョン・ディロンCEO)は4日、100%出資で日本法人を設立し、本格的に日本市場でビジネスを開始したと発表した。ウェブアプリケーションの開発・展開・管理のためのプラットホームをクラウド上で提供するもので、すでに世界58ヵ国に数千社のユーザーがいるという。まずは、AmazonEC2をベースにしたセルフサービス型の「Engine Yard Cloud」を中心に紹介し、来年以降は国内のSIベンダーやデータセンター事業者と協業して大企業向けのプライベートクラウドへの事業展開も進める。2013年末までに200社の新規ユーザー獲得を目指す。
  • 日本マイクロソフトがWindowsサーバー2012を提供開始、仮想化機能強化
     2012.09.06−日本マイクロソフトは5日、最新型のクラウドOSとして開発した「Microsoft Windows Server 2012」(Windowsサーバー2012)を提供開始したと発表した。1日にボリュームライセンスの出荷を開始しており、26日からパッケージ版を店頭で発売する。仮想化機能である「Hyper-V」を機能強化し、強力な仮想マシン実行環境を実現したほか、ストレージの仮想化による効率的なディスクの使用、仮想化したレプリケーションを活用した事業継続への対応など、前バージョンのWindowsサーバー2008 R2に比べて180種類以上の機能強化を施した。価格は最上位のデータセンターエディションで92万5,000円から。
  • 日立ソリューションズが協働学習支援、電子黒板とタブレット端末連携
     2012.09.15−日立ソリューションズは12日、電子黒板とタブレット端末を活用した協働学習支援ソリューションを開発、4ヵ国語(日本語、英語、中国語、トルコ語)で製品化し10月1日から発売すると発表した。教師が電子黒板やパソコン上のコンテンツを生徒のタブレット端末に配信し、生徒が書き込んだ回答や意見、感想などを電子黒板にフィードバックすることが可能。それらの情報を学級全体で共有し話し合う協働学習を実現することができる。ソフト価格は27万900円で、1台の教師用パソコンと50台の生徒用タブレット端末が使用できる。
  • 三三がWindows8対応クラウド名刺管理アプリ、ビジネス情報を持ち歩き
     2012.09.26−三三(本社・東京都千代田区、寺田親弘社長)は24日、Windows8ベースのタブレットPCを活用する名刺管理アプリ「Link Knowledge for Windows8」を開発し、Windows8発売の10月26日に合わせて販売・サービスを開始すると発表した。「Link Knowledge」自体は2007年に発売して700社のユーザーに利用されている製品で、専用スキャナーで名刺データを読み取り、クラウド上に顧客データベースを構築して、その情報をビジネスに活用するための各種アプリケーションを提供している。タブレットPCに対応することにより、外回りの営業マンなどにとってさらに使いやすい環境が実現する。使用料金は月額2,500円からで、3年間で3,000社への導入と、3年後の年間売上20億円を見込んでいる。

 

 

 


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