CCSニュースファイル
   2009年7−9月

  • 英IDBSがインフォセンスを買収、R&D統合データ管理ソリューション提供へ
     2009.07.04−生物系のデータ管理システムで知られる英IDBSは6月26日、同じく英国のデータマイニングツールベンダーであるインフォセンス社を買収すると発表した。買収金額などは明らかにされていないが、7月中に買収は完了するという。両社の統合により、ライフサイエンスおよびヘルスケア分野の研究開発において、完全なデータ管理/データ解析の基盤技術を提供できる世界で唯一のベンダーになったとしている。
  • 富士通九州システムズが経皮吸収製剤開発支援ソフトの最新版
     2009.07.10−富士通九州システムズ(FJQS)は、経皮吸収型薬剤の開発を支援する「SKIN-CAD」の最新バージョン6を販売開始した。製剤の臨床性能予測や投与計画の策定などに利用することができ、最新版では操作性が大幅に改良されたほか、シミュレーション機能や実験データ解析機能の強化も図られた。Windows Vistaにも対応しており、価格は企業向けで157万5,000円、大学官公庁向けは52万5,000円。
  • 菱化システムがKNIME対応のMOEノードをリリース、50種以上を無償提供
     2009.07.11−菱化システムは、統合分子設計支援システム「MOE」の主要機能をフリーのワークフローツール「KNIME」(ナイム)で利用するためのノードプログラム集「KNIMOE」(ナイモエ)を国内で正式リリースした。スクリプトよりも簡単に解析手順をシステム化できることに加え、作成したワークフローを共有することで、実験化学者などが手軽にMOEを活用できるようになるというメリットがある。利用するにはMOE本体のライセンスが必要だが、KNIMOE自体は無償で提供することにしている。
  • インフォコムがKNIME対応ノードを無償提供、構造式作図・可視化ツール
     2009.07.16−インフォコムは、フリーのワークフローツール「KINIME」(ナイム)上でケムインフォマティクス関連の化合物データ処理を自動化するための「JChem Extensions」(JChemエクステンションズ)を提供しているが、13日にその一部機能を「Marvin Family Nodes」として無償公開すると発表した。化学構造の作図ツールや分子グラフィックスを中心とするもので、化学研究分野におけるKNIMEの普及を一段と加速させることが目的。インフォコムはKNIMEをベースにしたシステム構築や受託開発を戦略市場に位置づけており、無償化によって需要を呼び込む狙いがある。
  • 富士通九州システムズがADMEデータベースの最新バージョン15を提供
     2009.07.30−富士通九州システムズ(FJQS)は、オンラインで利用できるADME(吸収・分布・代謝・排出)データベースサービス「ADMEデータベース」の最新バージョン15を提供開始した。ヒト、ラット、マウスのデータを中心に約8,000件を追加しており、データ件数は約7万にまで増加。ヒトと動物の薬物吸収や代謝の違いを比較することにより、動物実験の結果を臨床に応用する際などに重要な知見が得られるという。
  • ケンブリッジソフトが“SaaS”分野で実績、難病治療薬開発でソフト提供
     2009.08.06−ケンブリッジソフトは、インターネット経由でソフトウエアをサービスとして提供する“SaaS”(サービスとしてのソフトウエア)分野で実績を重ねている。米国の難病治療薬開発などのプロジェクトに参加し、ホスティングサービス式でアプリケーションとシステム基盤を提供したもの。IT業界では最近、SaaSやクラウドコンピューティングなど、ネットワーク経由でソフトウエアを利用するビジネスモデルに関心が集まり、ビジネス系の業務システムでは実際の需要も急速に拡大している。同社の取り組みは、CCS分野における先進的な事例として注目される。
  • アドバンスソフトが材料設計支援システムの開発に着手、プラットホーム型
     2009.08.19−アドバンスソフトは、新しい国産の材料設計支援システムの製品化に向け、このほど開発をスタートさせた。国内の大学や研究機関で開発された計算エンジンを相互に連携させ、材料設計に役立つ解析機能を組み込んだ統合プラットホームの確立を目指す。この分野のシステムは海外製品が優位にあるが、同社は国産ならではの充実したサポートサービス、普及価格での提供を武器に市場を広げたい考え。製品化の時期はいまのところ未定だが、来年以降になるとみられる。
  • 米シミックス:トレバー・ヘリテージ社長インタビュー、SaaSで電子ノート提供
     2009.09.17−シミックス・テクノロジーズ・ジャパンは、9月10日と11日の2日間、都内で「2009 Symyx Software Symposium」を開催した。とくにソフトウエア関連にテーマが絞られ、研究情報プラットホーム製品「Isentris」や電子実験ノート「Symyx Notebook」などの最新版の機能や開発ロードマップが紹介されたほか、内外のユーザー事例の講演も行われた。今回のインタビューでは、ソフトウエア事業の社長を務めるトレバー・ヘリテージ氏に最新の話題のいくつかを聞いた。
  • 米CASが5,000万件目の物質を化合物データベースに登録
     2009.09.18−米CAS(ケミカルアブストラクツサービス)は、化学物質データベース「CAS REGISTRY」(CASレジストリー)に収録された5,000万件目の物質として、鎮痛作用のある“arylmethylidene heterocycle”を登録したと発表した。1957年の収録開始から最初の1,000万件目まで33年かかったのに対し、4,000万件目から今回の5,000万件目まではわずか9ヵ月しかかからなかった。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • マイクロソフトが新年度経営方針、Windows7の発売日が10月22日に確定
     2009.07.08−7月から新年度を迎えたマイクロソフト日本法人の樋口泰行社長は7日、都内で記者会見し、新年度の経営方針を発表した。とくに、次世代OSの「Windows7」については、「日本法人の社員が積極的に開発に参加し、日本市場への対応も含めて本当に自信の持てる製品に仕上がった」とし、普及への強い意欲を示した。発売日は、米国と同じ10月22日となることが正式に発表された。
  • Windows7の企業向けボリュームライセンスが9月1日発売、キャンペーンも
     2009.07.28−マイクロソフトは、Windows7の企業向けボリュームライセンスを9月1日から販売開始する。今回、Vistaの時は企業向け市場では行わなかったキャンペーンを展開し、Windows7の早期普及を目指しているが、9月1日からは「法人向け早期アップグレード割引キャンペーン」(2010年2月まで)を開始し、1万9,800円でWindows7プロフェッショナル版へのアップグレードを提供する。保守契約(ソフトウエアアシュアランス、略称・SA)に加入すれば、Windows7エンタープライズ版を入手することができる。
  • アスペンテックジャパンがプロセス業向け製造・SCM最新ソリューション
     2009.07.30−アスペンテックジャパンは、プロセス産業向けの統合ソリューション「aspenONE バージョン7」の製造およびサプライチェーンマネジメント領域をカバーするスイートパッケージ「aspenONE V7 MSC」を新たに提供開始した。不透明な需要環境の中で生産活動の全社的な最適化を図ることができで、各ソフトの活用により経営利益の拡大などに結びつけることが可能だとしている。
  • 日本HPが製薬業向けCRMソリューション、マイクロソフト基盤に構築
     2009.08.22−日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、マイクロソフトのCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)パッケージ「Microsoft Dynamics CRM」(ダイナミクスCRM)をベースにした製薬業向けソリューションを製品化し、提供開始した。製薬業特有のMR(医薬情報担当者)の業務を支援するもので、メールベースでの営業日誌更新、増加する新薬情報や営業活動の成功事例の共有などを通し、情報を活用した効率的なビジネス展開が可能。マイクロソフト製品が基盤になるため、エンドユーザーにとって使い慣れたツールを活用できることが最大の利点だという。
  • Tech・Ed2009基調講演:俊敏性持つ“Dynamic IT”実現へ
     2009.08.28−15回目を迎えるマイクロソフトの開発者コンファレンス「Tech・Ed 2009」が26日、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜で開幕した。初日の午前中には「次世代のITの可能性がここにある」と題して基調講演が行われ、経済の変化に俊敏に対応できる“Dynamic IT”のコンセプトを具現化する新製品・新技術を紹介した。講演では、間もなく提供開始される「Windows7」、「Windowsサーバー2008 R2」、「Office 2010」にとくに焦点が当てられた。
  • エクシードがリソース量り売りのサーバーホスティングサービス
     2009.09.17−エクシード(本社・東京都渋谷区、鈴木義則社長)は16日、クラウド型のサーバーホスティングサービス「Libra」(ライブラ)を開発したと発表した。ウェブ経由の簡単な操作で必要なサーバーの構成やリソースを設定することができるほか、リソースの必要量は随時変更可能で、ユーザーは使った量だけを後払いすることになる。最小構成の月額使用料は1万2,000円で、追加したリソースは日割りで精算される。21日から申し込みを受け付け、正式なサービス開始は10月13日から。海外展開も視野に入れており、2010年度に500契約、売上3億円を見込んでいる。
  • オートデスクが樹脂流動解析などCAE製品最新版を発売
     2009.09.19−オートデスクは18日、CAEソリューションを強化し、構造・機構解析ソフトの新製品「Autodesk Algor Simulation 2010」と、樹脂流動解析ソフトの最新版「Autodesk Moldflow 2010 R2」を発売すると発表した。同社が強みとしている2次元/3次元CADに加え、CAE分野の製品を強化することでデジタル製品開発の幅広い領域を網羅していく。とくに、設計者自らが手軽にCAE解析を行えるようにすることで開発効率が大きく向上することを強調している。

 

 


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