CCSニュースファイル
   2011年10−12月

  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」をV24に更新
     2011.10.04−富士通九州システムズ(FJQS)は、インターネット経由でサービスしている「ADMEデータベース」の最新バージョン24を10月3日から提供開始した。ヒトの薬物代謝酵素に特化したデータベースで、1年に4回データを更新している。年間利用料金は、民間企業と国立研究機関向けが157万5,000円(臨床薬物相互作用データベースとのセットで189万円)、教育機関向けは52万5,000円。
  • ヒューリンクスが製薬業向けCCSを拡充、新たに3社と販売契約
     2011.10.05−ヒューリンクスは、製薬業向けコンピューターケミストリーシステム(CCS)製品を一気に拡充し、10月から新たに3社のベンダーと販売契約を結んだ。具体的には、加シムバイオシス、英キーモジュール、英デジタルケミストリーで、すべて国内で別の代理店が販売していた製品。今回、既存ユーザーに対する保守・サポートもヒューリンクスが引き継ぐ契約になっている。同社のCCS事業は大学・官公庁分野が強いが、製薬業向けのシステムを幅広く品揃えすることで民間向けビジネスの拡大を図っていく。
  • 日本オラクルがライフサイエンス業界向けソリューション強化
     2011.10.21−日本オラクルは20日、「オラクルヘルスサイエンスフォーラム」の開催に合わせて、医薬品産業および医療関連市場への取り組みについての記者説明会を開催した。ライフサイエンス(医薬・バイオ)とヘルスケア(医療)を融合させた個別化医療の実現に向けて、オープンで柔軟なプラットホームや最新技術に基づく専門的なアプリケーションを段階的に提供していく同社の基本戦略が説明された。
  • シュレーディンガー日本法人が本格始動、コンサル事業にも力
     2011.10.22−米シュレーディンガーの日本法人「シュレーディンガー株式会社」が10月から本格的に始動した。まずは4名のスタッフを揃え、直接販売・直接サポートの体制で営業活動を開始している。米本社は最近、コンサルティング事業を強化してきているため、国内でもそれに取り組む方針。欧米ではいくつものプロジェクトの実績があり、早くも日本の製薬企業で関心を示すところがあらわれているという。
  • QuantumWiseが日本法人設立、東京理科大学と共同研究推進
     2011.11.01−デンマークのシミュレーションベンダー、QuantumWise社(クオンタムワイズ、カート・ストックブロCEO)が全額出資の日本法人を設立し、東京理科大学工学部の山本貴博博士の研究グループと共同研究を開始した。同社は、ますます微細化する電子デバイスの電気伝導特性を量子力学的視点でシミュレーションするソフトウエアを開発しており、次世代メモリーやマイクロプロセッサー開発に有用な技術として注目されつつある。とくに今回の共同研究では、山本博士の先進的な理論をプログラムに取り入れることにより、世界初を含む最先端のシミュレーション技術の確立を目指している。次世代の高周波デバイスや熱電変換素子への適用が期待されるという。
  • STNが世界初の機能を搭載、特許情報からの数値データ検索が可能に
     2011.11.10−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)と独FIZカールスルーエが共同で運用する科学技術情報データベース(DB)サービス「STN」が強化され、特許情報の全文から各種物性値などの数値データを検索する世界初の機能が搭載された。特定の物性データがある範囲内でクレームされている(請求項に記載されている)特許だけを検索したいといったニーズに簡単に対応できる。企業の知財戦略に役立つ強力な機能だとして注目を集めそう。
  • アクセルリスが日本新薬に電子ノートを導入、法規制チェックを統合
     2011.11.12−アクセルリスは、電子実験ノートブックソリューション「Symyx Notebook by Accerlys」を日本新薬に導入したと発表した。システムは、約半年の導入期間を経て8月から探索合成部門で稼働しており、研究業務効率の改善やコンプライアンスの面で大きな効果をあげているという。構築・導入はパートナーであるCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)が担当した。
  • 米シミュレーションズプラスが主要製品をバージョンアップ
     2011.12.14−米シミュレーションズプラスは、年末にかけ主要製品を相次ぎバージョンアップする。薬物の吸収を予測する「GastroPlus」、溶出試験シミュレーションソフト「DDDPlus」、ADME(吸収・分布・代謝・排出)予測を行う「ADMET Predictor」、化合物スクリーニングのための統合プラットホームソフト「MedChem Studio」などで、国内では代理店のノーザンサイエンスコンサルティングを通して販売される。同社の事業は本国では非常に好調で、2011年度(2011年8月期)はこの事業で前年比15%増、2012年度第1四半期も創業以来の記録的な業績になっているという。
  • TSテクノロジーがQM/MC法の独自パッケージソフトを製品化
     2011.12.15−Transition State Technology(TSテクノロジー)は、量子化学を用いてモンテカルロシミュレーションを行う技術計算プログラムを独自に製品化し、「PowerMC」の名称で販売開始した。溶媒効果を考慮した化学反応解析が行えることが特徴で、PCクラスターを利用した高並列環境で精度の高い計算を実行できる。ソフト価格は、企業向けの永久サイトライセンスが790万円、年間サイトライセンスは210万円、学術・教育機関向けは同様に290万円、90万円となる。
  • FJQSが米国で薬物相互作用予測ソフトのセミナー第2弾を開催
     2011.12.17−富士通九州システムズ(FJQS)は、自社開発した薬物相互作用シミュレーションソフト「ADMEWORKS DDI Simulator」(DDIシミュレーター)の欧米での普及を目指すため、10月17−19日にかけて米国アトランタで行われた国際薬物動態学会(ISSX)に出展、20日にはセミナーも開催した。6月にシアトルで開かれた国際薬物相互作用学会(DDI)に続いての展示・セミナーで、大手製薬会社からトライアルの申し込みがあるなど大きな手応えを得たという。来年度から本格的に海外市場に進出する計画で、現地での販売ルートづくりにも着手している。
  • NIMSが物質・材料データを外部機関にライセンス供与、MatNaviを対象に
     2011.12.20−独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)は、世界最大級の材料データベース(DB)「MatNavi」として蓄積・整備してきたデータを、民間企業などの外部機関にライセンス供与する方針を固めた。「MatNavi」では十数種類のDBがインターネットで無償公開されているが、検索・利用はオンライン上に限られ、データをダウンロードすることはできなかった。このため、DBの利用状況を秘密にしたい企業などからデータ提供の要望が強く寄せられていた。NIMS側として、ライセンス供与の準備は整っており、すでにいくつかの具体的な問い合わせも来ているという。このライセンス収入を開発費に充当することにより、安定的にDBの構築・整備が進んでいくと期待されている。
  • 菱化システムが「MOE」の最新版2011.10をリリース、3D-RISM法採用
     2011.12.21−菱化システムは、加ケミカルコンピューティンググループ(CCG)の統合計算化学システム「MOE」の最新バージョン2011.10をこのほど国内でリリースした。たん白質の結合ポケット構造における水分子の配置を予測できる“3D-RISM法”が実装されたことに加え、フラグメントベースドラッグデザイン(FBDD)およびストラクチャーベースドラッグデザイン(SBDD)関連の機能も多数強化されている。MOEは1997年に日米で販売開始されて以来、来年で15周年となり、機能的にも円熟味を増しているのが現状。今後も着実な発展が期待されるという。
  • アクセルリスがデンマークの食品会社にELN導入、グローバルに知財管理
     2011.12.22−アクセルリスは、デンマークに本社を置く食品および添加物の大手メーカーであるクリスチャン・ハンセン社に電子実験ノートブック(ELN)システムを導入した。知的財産の全社規模での管理を目的としたもので、グローバルな拠点を網羅したかたちでの導入計画を推進中。2年以内のプロジェクト完了を目指している。
  • 富士通九州システムズが液晶化合物DB「LiqCryst 5.1」を発売
     2011.12.22−富士通九州システムズ(FJQS)は、液晶化合物データベース「LiqCryst」の最新バージョン5.1を21日から販売開始した。既知のサーモトロピック液晶化合物を網羅したもので、12万5,148件の文献や特許から得られた10万6,398個の化合物に関する情報を収録している。
  • 日立ソリューションズが微生物全ゲノムマップ作成サービス
     2011.12.23−日立ソリューションズは、オプティカルマッピング(全ゲノムマッピング)サービスを提供している米オプジェン社(本社・メリーランド州)と提携し、国内で微生物の全ゲノム構造を迅速に解明するサービスを開始した。これは、顧客から提供された菌体からDNAを抽出し、オプジェン社のオプティカルマッピングシステムを用いて全ゲノムマップを作成するサービス。費用は個別見積もりとなる。
  • アクセルリスが「Symyx Notebook」に新機能、組織間のコラボ促進
     2011.12.24−アクセルリスは、このほど電子実験ノートブック「Symyx Notebook by Accerlys」を機能強化したと発表した。電子ノート(ELN)の中から他部署や外部組織に向けた依頼を発信できるようにする“ワークリクエスト拡張機能”などを実装したもので、研究者間・組織間のコミュニケーションを変革し、電子的なコラボレーションを促進できる。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 米アスペンテック:エノン北アジア担当副社長インタビュー
     2011.10.08−プロセス産業専門ITベンダーの米アスペンテクノロジー(アスペンテック)は、8月に設立30周年を迎えた。化学工学のシミュレーションソフト開発からスタートし、高度制御、運転最適化、生産計画、生産管理、サプライチェーンマネジメントまで、プロセス型産業の全体最適経営のためのエンタープライズソリューションを包括的に提供するまでに成長してきた。同社の北アジア地区担当に就任したジャン・フランソワ・エノン(Jean-Francois Henon)副社長に最近の製品戦略や今後の対日戦略などについて聞いた。
  • CTCと日本マイクロソフトがHPC分野でクラウドサービス
     2011.11.12−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と日本マイクロソフトは10日、両社のデータセンターのサービスを融合させ、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)領域でクラウドソリューションを提供すると発表した。一定の期間だけ計算量が増大するなどのニーズに柔軟に対応できるため、ピークに合わせた計算機資源を確保する必要がなく、最大で7割程度のコスト削減が実現できるという。サービスの主体はCTCで、まずは保険・金融分野をターゲットとし、3年間で30億円の売り上げを見込む。
  • 米エヌビディアが新技術“Maximus”、デュアルGPUで設計と解析を同時に
     2011.11.16−米エヌビディアは14日、GPU(グラフィックプロセッサー)を利用したプロフェッショナル向けの新技術“NVIDIA Maximus”を発表した。1台のワークステーションに2種類の異なるGPUユニットを搭載することにより、設計業務と解析業務を同時並行的に処理できるようにしたもの。設計者がデザインの傍らにシミュレーションを実行できるため、設計開発業務の大幅なスピードアップが見込まれるという。機械系CAD/CAEなどの主要アプリケーションがすでにこの技術に正式対応していることも、この技術の普及に向けての大きな要素だといえる。
  • ソースネクストがウイルス対策ソフトの新製品、ビットディフェンダーと提携
     2011.12.14−ソースネクストは12日、新しいウイルス対策ソフト「スーパーセキュリティZERO」を22日に発売すると発表した。中身はルーマニアに本社を置くビットディフェンダー社のOEM製品で、「検知率100%」をうたっている。価格は3,990円で、商品名の通りに毎年の更新料金はゼロ。来年、100万本を販売し、セキュリティソフトの販売本数シェア第1位の獲得を目指す。

 


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