CCSニュースファイル
   2015年4−6月

  • PreFEEDが化学プラントビッグデータ解析の新手法、原因分析に威力
      2015.04.08−PreFEED(本社・東京都目黒区、熊谷善夫社長)は、化学プラントのビッグデータを効率良く解析する新手法を開発、このほど特許(日本・米国)を取得した。「累積異常解析」(Discretized Data Analysis:DDA)と名付けており、実際に化学企業などに対するコンサルティングを通じ、製造プロセスでの品質不良の原因特定などで威力を発揮したという。エクセルを使って解析できるため、敷居が低いのも特徴。今後、同様にデータ変数が多いバイオや食品なども含めてこの技術の適用分野を広げていく。
  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」バージョン38を提供開始
      2015.04.22−富士通九州システムズ(FJQS)は、「ADMEデータベース」の最新バージョン38を4月から提供開始した。主に非臨床の薬物代謝データを収録したデータベースだが、安全性の高い医薬品開発において重要な情報となるヒト臨床薬物相互作用データも増やしてきている。年に4回更新されており、今回は約235件の文献から約1,700件の非臨床薬物代謝データと、約145件の臨床薬物相互作用データが追加されている。
  • 分子機能研究所の辻代表が反応面立体選択性で新モデル提唱
      2015.05.08−分子機能研究所(本社・埼玉県三郷市)はこのほど、辻一徳(つじもとのり)代表が有機化学反応における重要未解決問題である反応面立体選択性に関する原理の解明に成功したと発表した。「Asian Journal of Organic Chemistry」誌に「Geometrical Dependence of the Highest Occupied Molecular Orbital in Bicyclic Systems」のタイトルで論文が受理された。今回の発見により、これまでのモデルで矛盾・例外とされていたケースをすべて理論的に説明できることが確かめられたという。化合物を設計する段階で有機合成の立体選択性を精確に予測・考察できるため、医農薬など産業界の研究開発にも大きく貢献する可能性がある。
  • FMO計算でヒドロキシアパタイトとペプチドの相互作用解析に成功、東大ら
      2015.05.09−東京大学生産技術研究所の加藤千幸教授、立教大学理学部の望月祐志教授、日本大学松戸歯学部の福澤薫助教、みずほ情報総研の加藤幸一郎コンサルタントらの研究グループは、歯の表面の主要成分であるヒドロキシアパタイト(HAp)とそれに結合する微小タンパク質(人造ペプチド)の相互作用を、量子化学計算を用いて世界で初めてシミュレーションすることに成功したと発表した。特定のアミノ酸残基が結合に強く寄与していることと、そのメカニズムを明らかにしたもの。国産のフラグメント分子軌道法(FMO)ソフト「ABINIT-MP」を利用した成果で、ナノバイオテクノロジー領域の論理的な機能材料設計に道をつける研究として注目される。
  • BIOVIAが「DiscoveryStudio」の最新バージョン4.5、抗体の自動モデリング
      2015.05.22−ダッソー・システムズ・バイオビア(BIOVIA)は、生命科学向けの統合モデリング・シミュレーションソフト「Discovery Studio」(ディスカバリースタジオ)の最新バージョン4.5をリリースした。新しいプラットホームである“BIOVIA Foundation”(BIOVIAファウンデーション)に対応し、WebGLのサポートによって、ブラウザー内でのリッチな3D分子グラフィック表示を可能にしたほか、ノンエキスパートにも使いやすい抗体モデリング機能などを実現している。最近の市場では、抗体医薬の分子設計ならびにタンパク質工学のシミュレーションで引き合いが増えており、今回のバージョンアップも注目度は高い。
  • 英ドットマティックスが日本市場に本腰、創薬研究基盤の更新需要狙う
      2015.05.23−英ドットマティックス(スティーブ・ギャラハーCEO)が日本市場に本腰を入れる。創薬研究を中心にした化合物情報・実験データ管理などのケムインフォマティクスソリューションを提供するベンダーで、このほど日本支店を正式に開設し、東京と大阪で初のオープンセミナーを開催した。最新のIT環境をベースに、電子実験ノートブック(ELN)などを含めた統合的な研究基盤を提供できるのが強み。多くの製薬企業において更新期にある古いプラットホームのリプレースを積極的に狙い、国内の大手システムインテグレーターとの提携にもめどを付けつつある。今回は、グローバルコマーシャルオペレーション担当のリチャード・リンガード上級副社長(Richard Lingard)、グローバルインフォマティクス担当のロバート・ブラウン副社長(Robert Brown)、日本支店の福山隆カントリーマネジャーにインタビューした。
  • JSTが日化辞をハブにしたライフサイエンスDB統合化に着手、RDF化公開
      2015.06.12−科学技術振興機構(JST)は、バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)のデータベース統合推進事業の一環として、国内最大の化合物データベースである「日化辞」(日本化学物質辞書)をハブに、ライフサイエンス系データベースの化学物質情報を統合するための基盤整備に着手した。まず、日化辞データのRDF(リソース・ディスクリプション・フレームワーク)対応を行い、科学技術情報を一元的に検索・提供する新サービス「J-GLOBAL Knowledge」の第1弾として公開した。米国や欧州もデータのRDF化を進めているため、将来的には日米欧のデータベース間の相互利用の促進、データベースを横断した検索によるユーザビリティーの向上などが期待されている。
  • NIMSが“材料インフォマティクス”でプロジェクト開始、産学官共同で
      2015.06.13−物質・材料研究機構(NIMS)は11日、材料設計の新潮流として注目されている“材料インフォマティクス”のためのプロジェクトを発足させると発表した。科学技術振興機構(JST)の「イノベーションハブ構築支援事業」の1つに採択されたもので、「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ」(MIII)の名称で推進される。プロジェクト期間は5年間で、7月から正式にスタートする。
  • CTCライフサイエンスが米Tableau製データビジュアル化ツールを販売
      2015.06.23−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、米Tableauソフトウェアが開発したデータビジュアル化ツールの最新版「Tableauバージョン9.0」をライフサイエンス業界向けに販売開始した。マイクロアレイや次世代シーケンサー(NGS)のデータを用いた遺伝子発現解析、ハイスループットスクリーニング(HTS)などのプレートアッセイデータによるヒット特定、医薬品の臨床試験や市販後に発生した副作用情報分析、営業マーケティングデータ分析、医療ビッグデータに基づく治療指針策定などの目的で利用できる。
  • 菱化システムが「SciMAPS」普及促進へ、新パッケージなど諸施策
      2015.06.23−菱化システムは、仏サイエノミクスの材料設計支援プラットホーム「SciMAPS」の普及を促進するため、大学などの研究者向けの新パッケージの提供、企業も含めて導入しやすい特別年間ライセンスの新設などの新たな施策を発表した。材料設計向けのモデリングシステムは、現実系に近いサイズのモデルが扱えるようになってきたことで実用性が高まり、本格的に取り組もうというユーザーが増えている。しかし、そうした裾野の広がりがニーズの多様化を招いている実態もある。今回の施策も、最近の新たなニーズに応えたものだという。
  • 化学情報協会が化学物質規制情報の検索サービス「NCI Global」
      2015.06.24−化学情報協会(JAICI)は、米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)の新サービスである「NCI Global」を国内で提供開始した。世界中の化学物質の規制情報をインターネット経由で調査できるツールで、主要11ヵ国/15種類の既存化学物質リストを持ち、約150の法規制に対応している。化学物質の製造・輸出入・輸送・販売に携わるエンドユーザーが簡単に利用できるようなシンプルなつくりが特徴。CASが製作しているため情報の信頼性は非常に高い。
  • CTCLSが毒性試験データベース「Vitic Nexus」最新バージョン2.6
      2015.06.24−CTCライフサイエンス(CTCLS)は23日、英Lhasaの毒性試験データベース「Vitic Nexus」の最新バージョン2.6を国内で販売開始したと発表した。1万8,085の化合物に関する38万2,094件の毒性試験データが登録されており、創薬研究の早期段階において、潜在リスク特定を目的とした構造毒性相関解析のためのデータとして活用することができる。
  • BIOVIAが材料設計シミュレーションでコンソーシアム設立へ
      2015.06.25−ダッソー・システムズ・バイオビア(BIOVIA)は、材料設計のミクロ/メソ/マクロ領域をつなぐマルチスケールシミュレーション技術を確立する目的で、コンソーシアム(マルチクライアントプロジェクト)の設立準備に入った。高分子の配合・複合化、化学反応と熱流体、リチウムイオン電池などのデバイス特性−といったテーマを中心にプロジェクトの大枠を固める。日本の材料メーカーのニーズをもとに企画したものだが、正式にコンソーシアムがスタートする際には海外のユーザーにも参加を呼びかける予定だ。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • インテルが第5世代 Core vProプロセッサーファミリーを発表
      2015.04.03−インテルは2日、第5世代「インテル Core vPro プロセッサー」製品ファミリーを発表した。モバイル使用を想定した企業向けの機能強化に重点が置かれており、先進のワイヤレス機能によってオフィスからケーブルをなくし、職場の環境を一新させることで、ビジネスの革新的なアイデアを生み出すような“仕事術”を実現させるとしている。同社は、今回の技術を採用したPCを実際に社内で活用し、導入効果などを検証していくことにしている。
  • Windowsサーバー2003サポート終了まで3ヵ月、移行支援ラストスパート
      2015.04.10−日本マイクロソフトは9日、Windows Server 2003(Windowsサーバー2003)のサポート終了期限を7月15日に控え、後継OSなどへの移行状況を発表した。同社の推計によると、今年3月末時点でのWindowsサーバー2003国内稼働台数は約14万台。サポート終了後も使い続けると、セキュリティ修正プログラムが提供されなくなるため、顧客情報の流出などの危険性が高まるという。同社では、サポート終了時点までにさらに9万台の切り替えを促す(残り5万台)目標を定め、パートナー各社と連携してラストスパートをかける。
  • レッドハットが新年度事業戦略、広範領域で20〜25%成長目指す
      2015.04.21−レッドハットは16日、新年度事業戦略に関する記者説明会を開催した。好調だった前年度(2015年2月期)を受け、国内では新しい市場領域への進出やパートナー戦略/サービスビジネス戦略の強化を通して20〜25%成長を目指す方針を打ち出した。同社では、2020年の東京オリンピックを一つの節目として国内のITインフラが大きく変化すると予測しており、オープンソース領域のテクノロジーリーダーとしてこの5年間に攻勢をかけていく。
  • 富士通がユビキタス端末利用のIoT事業を本格展開、センサーデータ活用
      2015.05.12−富士通は11日、ユビキタス端末を活用したIoT(モノのインターネット)事業を本格的に推進すると発表した。ヒトやモノの状態・状況・周囲の環境などをセンシングし、それらのデータをビジネスに活用できるようにするパッケージ「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE」(ユビキタスウエア)を開発し、今年の12月から提供を開始する。「ユビキタスウエア」を組み込んだIoT端末も合わせて製品化する計画だが、第1弾としてヘッドマウントディスプレイ(HMD)を同日発売した。工場や屋外作業などの作業者が頭に装着し、作業手順や点検項目などを眼前に表示させながら利用することができる。
  • 日本マイクロソフトがタブレット新モデル「Surface 3」を発売、より薄く軽く
      2015.05.21−日本マイクロソフトは19日、Surfaceファミリーで最も薄く軽い10.8インチタブレット「Surface 3」を6月19日から発売すると発表した。Windows8.1が動作(Windows10にも対応)するため、豊富なWindows資産を活用でき、ドッキングステーションを使えばデスクトップの代替機にもなるという。販売・普及面はソフトバンクモバイルとの戦略的パートナーシップに基づいて推進される。とくに、LTE対応は世界に先駆けて日本市場が初投入となる。

 

 


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