CCSニュースファイル
   2017年1−3月

  • 伊コデの分子記述子計算ソフト「DRAGON」、機械学習など適用範囲拡大
      2017.01.13−伊コデ・ケモインフォマティクスの分子記述子(ディスクリプター)計算ソフト「DRAGON」の利活用が広がっている。分子記述子はQSAR(構造活性相関)で使用される技術で、長年の歴史があるが、DRAGONは計算できる記述子の種類が5,270種とケタ違いに多いのが特徴。計算毒性学やMMP(マッチドモレキュラーペア)解析など新しい応用例が増えている。とくに、多くの切り口で化合物の特徴量を表現できるため、通常の統計処理・重回帰分析にかからないケースでも、機械学習などの手法で複雑な相関関係を探るなどの問題解決に役立つ期待があるという。国内総代理店のアフィニティサイエンスでは、この機に販売・サポートをさらに強化していく。
  • クラリベイトが世界のトップイノベーター100社を選出、日本企業が34社
      2017.01.14−クラリベイト アナリティクス(旧トムソン・ロイター IP&サイエンス)は10日、知的財産・特許分野で最も革新的な企業・研究機関を独自の基準で選び出した「トップ100 グローバル・イノベーター2016」を発表した。100社のうち、日本企業は米国に次いで多い34社が選ばれており、とくに産業別の自動車関係では、全体で9社が選出されたうち、7社を日本企業が占めた。製薬業は年々増えて今回は7社になったが、ここには日本企業は含まれていない。また化学・化粧品は9社で、日本企業は3社となっている。
  • 米CASが新ワークフローソリューション「SciFinder n」をリリース
      2017.02.01−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)は、新ワークフローソリューション製品「SciFinder n」のリリースを開始したと発表した。まずは、北米の主要ユーザー企業および教育機関向けに公開されており、順次他の国や地域にもサービスを拡大していく。研究者が必要とする科学情報をかつてない速さで提供できるようにしたもので、ベータ版を試用したユーザーからは「必要と思われる情報がすべて得られた」「除法を得るのが簡単で申し訳ないくらいだ」などのコメントが寄せられているという。
  • CTCがライフサイエンス子会社を吸収合併、4月1日付でCTCLSを統合
      2017.02.11−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10日、ライフサイエンスおよびヘルスケア分野でのビジネス拡大を目指し、100%子会社のCTCライフサイエンス(CTCLS、城田勝行社長)を4月1日付で吸収合併すると発表した。政府が医療分野でAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の積極活用を図る方針を打ち出しているため、本体との統合によってビジネス機会をさらに拡大できると判断した。医療診断や新薬の研究開発でのAI活用、遠隔医療でのIoT活用などの需要を狙っていくという。
  • 東工大の新型スパコン「TSUBAME3.0」が今夏稼動、半精度演算重視
      2017.02.22−東京工業大学と日本SGIは17日、東京工業大学の次期スーパーコンピューター「TSUBAME3.0」が今年の夏から稼働すると発表した。政府調達の結果、日本SGIが落札したもので、計算ノードとして「SGI ICE XA」が540台採用され、エヌビディア製の最新GPUを高密度実装した専用設計のブレードサーバーとなっている。計算性能は現行のTSUBAME2.5のおおむね2倍だが、今回のマシンは人工知能(AI)やビッグデータ解析での利用を念頭に置いて16ビットの半精度演算性能を重視したことが特徴。併用するTSUBAME2.5と合わせるとトータルの半精度演算性能は64.3ペタFLOPSとなり、東京大学の新型スパコン「Oakforest-PACS」を上回る国内最大のデータセンターになるという。
  • CTCLSが臨床試験計画の立案支援ソリューション、網羅的DB構築・活用
      2017.03.08−CTCライフサイエンス(CTCLS)は3日、ベルギーに本社を置くMDCパートナーズ社と国内で初めて販売代理店契約を締結し、医薬品の臨床試験計画を立案支援するソリューション「ta-Scan」を提供開始したと発表した。特定の疾患領域に対して、臨床試験を行うための網羅的なデータベースを構築することが可能。検索やデータ解析に役立つグラフィカルツールも備えている。とりわけ、海外で臨床試験を実施する際の強力な武器になりそう。
  • クラリベイト日本法人が正式に社名変更、日野博文新社長が就任
      2017.3.14−クラリベイト・アナリティクスの日本法人が13日、旧社名「トムソン・ロイター・プロフェッショナル」から、新社名「クラリベイト・アナリティクス・ジャパン」に、正式に社名変更した。米国では昨年10月に変更ずみ。このタイミングで日本法人の社長も長尾正樹氏が退任し、日野博文氏が取締役から昇格して就任した。
  • 分子機能研究所の辻代表らが核内受容体のサブタイプ選択性を予測
      2017.03.15−分子機能研究所(本社・埼玉県三郷市)は、辻一徳(つじもとのり)代表らが標的タンパク質に対する医薬品分子の結合親和性を、量子力学計算を用いて予測することに成功したと発表した。とくに、複数の受容体(タンパク質)と複数のリガンド(医薬分子)間での相関が得られたことに新奇性があり、その論文が2月5日、FEBS Open Bio誌からオンライン出版された。同じタンパク質でも、サブタイプの違いでリガンドの選択性が変わる理由が、結合部位の構造だけでなく、ヘテロダイマーを形成する受容体の全体構造に影響されていることを示唆する結果が得られたという。
  • 京都大学・ブラウン講師らが予測モデル構築の新手法、機械学習利用
      2017.03.24−京都大学医学研究科のJ.B.Brown(ジョン・ブラウン)講師と、チューリッヒ工科大学およびマサチューセッツ工科大学の研究グループは、医薬品分子と標的タンパク質との結合性を評価するための新しいモデル構築法を開発した。機械学習を効果的に用いることにより、大量データの中からモデル構築に重要な情報だけを効率的に選び出すことに成功。少ないデータで既存のモデルを上回る予測精度を達成したことで、創薬研究のコストダウンに役立つと期待されるという。3月6日、英フューチャーサイエンスの学術誌「Future Medicinal Chemistry」に論文「Active learning for computational chemogenomics」が掲載された。
  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」をバージョン46に更新
      2017.03.29−富士通九州システムズ(FJQS)は28日、医薬品開発などに必要な薬物代謝情報を検索できる「ADMEデータベース」を更新し、4月1日からバージョン46としてサービス開始すると発表した。1年に4回のペースでデータを更新しており、今回は約260件の新しい文献から約2,600件の非臨床薬物代謝データと、約100件の臨床薬物相互作用データを追加している。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • CTCとみずほ銀行が3種類のロボットを協調させて資産運用のご相談
      2016.01.18−みずほ銀行と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は16日、3種類のロボットが掛け合いで資産運用の相談に対応するコーナーを、みずほ銀行八重洲口支店(東京都千代田区)に設置したと発表した。2月17日まで、同店頭で体験できる。「複数の人間が協動することで価値あるサービスを提供できるのと同様に、ロボットが連携し合うことの可能性を探りたい」との意図で開発したという。
  • Cylance JapanがAI応用アンチウイルス製品の技術的優位性をアピール
      2017.02.23−セキュリティベンダーのCylance Japan(サイランス)は14日、AI(人工知能)を応用したウイルス対策技術について、プレスセミナーを開催した。最近、他のセキュリティベンダーもAI応用をアピールしはじめているため、あらためて自社技術の優位性を訴えたもの。機械学習の使い方に大きな違いがあり、「競合他社はシグネチャー作成に単純な機械学習を用いているだけ。CylancePROTECTはいわばマルウエアのDNAを解析して、AI自身が危険なコードかどうかを判定する」(ロン・タルウォーカー副社長)という。
  • ロジクールがビデオ会議システム市場で躍進、Skype対応新製品発売
      2017.03.10−ロジクールは2月21日、ビデオ会議システム事業に関する記者説明会を都内で開催した。この市場は、大型の会議室に据え付けられた専用システムから、中小規模会議室用のウェブベースのシステムへとシフトして成長。2015年で61億4,000万ドルの市場が2020年には114億4,000万ドルに拡大すると予想されている。同社自身も、この事業に4年前に進出したが、2016年は約9,000万ドルを売り上げ、前年比47%増という急速な伸びを記録。ウェブカメラなどの設置数ではすでに業界トップの地位を得ているという。
  • ダッソー・システムズが2017年の国内重点分野、シミュレーション強化など
      2017.03.30−ダッソー・システムズは22日、2017年度の事業戦略説明会をプレス向けに開催した。インダストリー4.0関連の需要で好調な製造系ソリューションの流れを受け、買収で厚みを増した設計・解析系製品で自動車やハイテクなど製造業向けの販売を伸ばすほか、中小・中堅ユーザーを対象にクラウド版製品の普及に本格的に乗り出すこと、都市を丸ごとモデリングしてビッグデータ解析などと組み合わせる「3DEXPERIENCity」プロジェクトを日本でも開始することなどを表明した。

 

 


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