- 長瀬産業がMI研究向けデータプラットフォーム「Uncountable」、ELN統合
2022.10.14−長瀬産業は13日、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)に基づく材料研究を支援するため、電子実験ノート(ELN)機能や配合レシピ推奨機能などを統合したデータマネジメントプラットフォーム「Uncountable」を国内で本格的に販売開始したと発表した。米アンカウンタブル社(本社・カリフォルニア州)が開発したシステムで、販売代理店契約を5月に締結していた。実験データを保存・蓄積して、機械学習などを行い、最適な材料組成や配合比率、プロセス条件などを割り出すことができる。いわゆるフォーミュレーション分野における統合MI環境を実現できるソリューションとして注目される。
- 富士通が量子化学計算で量子とHPCの自動ハイブリッド化を実現
2022.11.09−富士通は8日、通常のHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)によるアルゴリズムと、量子コンピューター向けの量子アルゴリズムを組み合わせて自動的にハイブリッド計算する技術を世界で初めて開発したと発表した。まずは、材料開発などで多用される量子化学計算をターゲットとし、計算精度と計算時間の最適なバランスで解が得られるよう、両方のアルゴリズムを自動的に使い分けられるようにする。世界最大級の39量子ビットの量子コンピューターシミュレーターが本格的に利用できるようになる来年度中に、今回の技術に基づくサービス提供を開始したいとしている。
- 統計数理研究所などの研究グループが高分子物性MD計算を自動化
2022.11.10−統計数理研究所の林慶浩助教と吉田亮教授は、東京工業大学の森川淳子教授と東京大学の塩見淳一郎教授、物質・材料研究機構(NIMS)のPoLyInfo開発チームの協力を得て、分子動力学法(MD)による高分子物性計算を全自動化するオープンソースソフトウエア「RadonPy」を開発し、正式リリースしたと9日発表した。モノマーの化学構造と重合度、温度等の計算条件を入力とし、アモルファスポリマーや高分子溶液等の系に対し、熱物性、機械特性、光学特性を含む15種類の物性の自動計算が可能。研究グループでは、スーパーコンピューター「富岳」を活用して計算を進め、10万種類以上の分子骨格を包含する世界最大級の高分子物性データベース(DB)を創出するプロジェクトを推進。10月には産学共同で、RadonPy データベース共同開発事業コンソーシアムを設立している。日本のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)推進に向けた大きな武器になる可能性がある。
- QunaSysがデータマネジメントプラットフォーム「EDAMAME」の開発意向
2022.11.15−量子コンピュータースタートアップのQunaSysは、次世代のデータ駆動型材料研究基盤として、計算データと実験データを組み合わせて蓄積・活用できるデータマネジメントプラットフォーム「EDAMAME(仮)」の開発意向を表明した。今後、必要とされる機能のPoC(概念実証)に参加する企業を募って開発を行い、最終的な製品化を目指していく。
- 秘密計算のEAGLYSが次世代MIソリューション、企業間でデータ活用
2022.12.06−EAGLYS(イーグリス、本社・東京都渋谷区、今井広樹社長)は、次世代マテリアルズ・インフォマティクス(MI)ソリューション「EAGLYS ALCHEMISTA」を開発した。データやアルゴリズムを秘匿した状態で、複数企業間でのデータ連携やMI向けのデータ活用を実現できる。同社が得意とする“秘密計算”技術を利用したもので、来年1月にベータ版、6月に正式版をリリースする予定。ベータ版のPoC(概念実証)に参加してくれる企業を募集している。
- 日立がMIでポリ乳酸用添加有望候補発見、機械強度と生分解性向上
2022.12.14−日立製作所と日立ハイテク、日立ハイテクソリューションズの共同研究グループは、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を利用して、ポリ乳酸の機械強度と生分解性を向上させる添加剤を発見し、実験的にその効果を確かめた。11月に行われた高分子学会のポリマー材料フォーラムで研究発表され、広報委員会パブリシティ賞を受賞している。MIの有効性を示すとともに、バイオプラスチックの用途拡大やプラスチック社会の持続可能性向上にも寄与するものと注目される。
- Quantinuumが量子コンピューター用計算化学プラットフォームを強化
2022.12.29−量子コンピューティングを推進するQuantinuum(クオンティニュアム)は、量子計算化学ソフトウエアプラットフォームを機能強化し、「InQuanto 2.0」を提供開始した。現行の量子コンピューターでさまざまな量子アルゴリズムをトライアルすることができ、新しいアルゴリズムをサポートしたほか、計算の効率性やユーザーエクスペリエンスも向上している。
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- Trellixが2022年十大セキュリティ事件ランキング、サプライチェーンリスク
2022.12.29−Trellixは14日、毎年恒例になっている十大セキュリティ事件の2022年版を発表した。内部不正による営業秘密の持ち出し事件が第1位になったほか、子会社や取引先が被ったサイバー攻撃が自社の事業活動に影響する“サプライチェーンリスク”にスポットが当たる結果になった。また、引き続きランサムウェア被害が増加していることも目立った傾向となっている。
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