CCSニュースファイル
   2015年10−12月

  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」をバージョン40に更新
      2015.10.03−富士通九州システムズ(FJQS)は、10月1日から「ADMEデータベース」バージョン40の提供を開始した。ヒトの薬物動態関連タンパク質と薬物の情報を文献などから集めたデータベースで、インターネット経由で検索・利用できる。データ内容は年に4回更新されており、今回は約290の文献から約2,000件の非臨床薬物代謝データと、約300件の臨床薬物相互作用データを追加した。
  • 英CCDCがアカデミックユーザーに研究用ソフトへの無料アクセス権
      2015.10.07−英ケンブリッジ結晶学データセンター(CCDC)は、ケンブリッジ結晶構造データベース「CSD」またはドッキングソフト「GOLD」を年間ライセンスで使用している世界中のアカデミックユーザーに対し、多くの研究用ソフトパッケージを含む「CSD-Enterprise」の全機能を追加費用なしで提供すると発表した。CSDの構造化学データを活用するためのソフトが揃っているため、ユーザーは自分たちの研究内容に合わせて好きなソフトを自由にダウンロードできる。実際にこれが適用されるのは来年からになるという。
  • 米CASのグズマン社長会見:新領域へ製品展開を加速、ワークフローなど
      2015.10.29−米国化学会(ACS)の情報部門であるケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)のマニュエル・グズマン社長(Manuel Guzman , President)は27日、今後の方向性や来年以降の製品戦略などについて、都内で記者会見した。化学物質に関して世界最大の情報量を抱える強みを生かしつつ、今後はデータベース(DB)そのものに加えて、具体的な研究課題を解決するためのワークフローやデシジョンサポート領域で新しい製品やサービスを展開していく方針。CASのサービスの利用者は、科学技術の最前線である欧米や日本が主体だったが、その市場を他地域へも広げるため、この1年半でグローバルオペレーションのスタッフを3倍に増員。今後1年間でさらに3倍増させるとした。
  • TSテクノロジーがダイアグラム作成ソフトを機能強化、Gaussian連携も
      2015.10.31−TSテクノロジーは、研究発表や論文などでのグラフ作成に役立つ「EasyDiagram」を機能強化し、バージョン2としてリリースした。マイクロソフトのエクセルに組み込んで利用することができ、今回から専用のリボンメニューが用意されて操作性も向上した。価格は民間4万9,800円、アカデミック2万4,800円。
  • TISが製薬業向けソリューション「MedicalDrive」、CDISC対応など支援
      2015.12.05−ITホールディングスグループのTIS(本社・新宿区、桑野徹社長)はこのほど、医薬品の臨床試験からプロモーション活動までの業務を効率化し、法規制などの環境変化にも柔軟に対応するためのIT活用を支援する統合サービスを「Medical Drive」として体系化し、提供開始すると発表した。まずは、来年10月から義務化されるCDISC(世界標準の臨床試験データ交換規格)標準への対応をにらんだ研究開発領域のサービスからスタートする。同社では、2017年度末までに周辺開発も含めて約30億円規模の事業に育てることを目指す。
  • アークスパンが創薬研究支援システムを強化、データ分析機能を追加
      2015.12.05−アークスパンのクラウドベース創薬研究支援システムの機能が充実してきた。「ArxLab」(アークスラボ)の名称で、Notebook(電子実験ノート)、Registration(化学・生物情報の登録)、Assay(アッセイデータ管理)、Inventory(試薬管理)の4つのアプリケーションが揃い、蓄積されたデータを横断的に検索して解析できる「FTツール」(Filter&Transfer)を新たに提供開始している。ウェブブラウザーだけで利用でき、ワンクリックで英語・日本語・中国語を切り替えることも可能。海外のCRO(医薬品開発受託機関)などとのパートナーシップもスムーズになるという。
  • PHASE/0の最新バージョン2015.01がリリース、スパコン「京」に最適化
      2015.12.10−物質・材料研究機構(NIMS)と東京大学生産技術研究所がPHASEシステム研究会を通して開発・頒布しているナノシミュレーションソフト「PHASE/0」の最新バージョン2015.01がこのほどリリースされた。スーパーコンピューター「京」への最適化で計算速度が大きく向上したほか、新機能としてELNES/XANES解析機能が実装されている。アプリケーションとしては半導体材料開発がメインだったが、今後はさらに計算対象を広げていく計画である。
  • 菱化システムが「MOE」の最新版をリリースへ、ドッキング機能など強化
      2015.12.15−菱化システムは、加ケミカルコンピューティンググループ(CCG)が開発している統合計算化学システムの最新版「MOE 2015.10」(バージョン番号は予定)を年明けにも国内市場へリリースする。創薬・生命科学研究のための統合的なモデリング&シミュレーション環境を提供するもので、近年の機能強化の方向性を継承して、タンパク質などの生体高分子を扱う機能がさらに充実した。モデリングの専門家向けの最先端の機能性を追求する一方、現場のベンチケミストが実験の考察や指針を得る目的で手軽に利用できる柔軟性も備えており、活用シーンが大きく広がってきているという。
  • 分子機能研究所が核内受容体の創薬への応用に道
      2015.12.29−分子機能研究所(本社・埼玉県三郷市)は、辻一徳(つじもとのり)代表が核内受容体スーパーファミリーにおけるリガンド認識機構の原理の解明に成功し、その成果が「Journal of Molecular Graphics and Modeling」誌に掲載されたと発表した。核内受容体は、リガンドとの結合部位が表面に露出していないことに加え、タンパク質構造全体が結合前のアポ体から結合後のホロ体へと大きな構造変化を起こすなど、そうした働きの原理については謎が多い。辻代表は、独自の"ヘリックスH3三点初期結合仮説"に基づいたコンピューターシミュレーションにより、どのようにリガンドを認識するか、どのようにホロ体への構造変化が起こるか、その動作原理を原子・電子レベルで解明することに成功したという。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • マイクロソフトが新モデル「Surface Pro 4」を国内発売、随所にこだわり
      2015.10.24−日本マイクロソフトは22日、ノートPCとタブレット端末のどちらとしても活用できる“2-in-1デバイス”カテゴリーをリードする「Surfaceシリーズ」の最新モデルとして、Windows10を搭載した「Surface Pro 4」を11月12日から日本市場で発売すると発表した。米国本社のSurface&Windowsハードウエア販売&マーケティング部門のブライアン・ホールGM(ゼネラルマネジャー)は、「これまでのシリーズで積み重ねた技術と多くのユーザーからのフィードバックを得て、地球上で最も生産性の高いデバイスをつくりあげることに情熱を注いできた」とし、ディスプレイ、タイプカバー(キーボード)、ペン、ドック(ポートリプリケーター)などあらゆる面で大きな前進を遂げたと強調。日本法人の平野拓也社長も「この年末商戦には過去最大のプロモーションで売り込んでいく」と応じた。
  • SIMULIA:ロジャー・キーン副社長、マルチスケールなど連成解析を強化
      2015.11.14−ダッソー・システムズのSIMULIAブランドを担当するロジャー・キーン(Roger Keene)副社長(ワールドワイドオペレーション)がこのほど来日し、今後の戦略などについてインタビューに応じた。基本的にマルチフィジックスとマルチスケールの両軸で、幅広い業種の設計ニーズを満たすソリューションを整備・強化していく方針。とくに、今後の動向としては、物体を積層して成形する3Dプリンターなどの付加製造技術に注目しており、それに対応した設計・解析システムの開発に力を入れているという。
  • SecureWorks Japanが国内初のサイバー攻撃テストサービス、総合評価
      2015.11.14−デルの子会社でセキュリティ専門ベンダーであるSecureWorks Japan(マイケル・レネ・コート代表取締役)は11日、現実さながらのサイバー攻撃を仕掛ける「SecureWorks Red Team Testing」(レッドチームテスティング)サービスを国内で初めて提供開始すると発表した。情報漏えいなどのサイバー被害を防ぐため、企業が社内にセキュリティ管理部門やインシデント対応チームを設置する例が増えているが、このサービスによってそうした組織の危機対応能力や防衛力を実際的に評価することができる。セキュリティのレイヤーごとに評価するサービスはこれまでもあったが、あらゆる手段で攻撃しリスクを評価するのは今回が初だという。

 

 


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