- 東工大・秋山教授らが環状ペプチドの細胞膜透過性予測、大規模MD利用
2021.07.10−東京工業大学情報理工学院情報工学系の秋山泰教授らは9日、スーパーコンピューターの大規模活用による分子動力学(MD)シミュレーションにより、環状ペプチドの細胞膜透過性を予測する手法を開発したと発表した。計算結果から、環状ペプチドを構成する原子と細胞膜や水との間の静電相互作用が、細胞膜透過性と強く関係することが明らかになったという。これは、ペプチド創薬に関する分子設計指針となるもの。研究グループでは、シミュレーション予測精度の向上に引き続き取り組むとともに、深層機械学習を応用して高速な予測の実現も図ることにしている。
- 東大・溝口教授らが機械学習で結合物性を予測、状態密度を記述子に
2021.07.20−東京大学生産技術研究所の溝口照康教授、同大学院工学系研究科・修士課程2年の鈴木叡輝大学院生(研究当時)、生産技術研究所の柴田基洋助教らの研究グループは19日、ニューラルネットワークを利用して結合後の性質を高精度に予測する手法を開発したと発表した。結合を形成する前の原子、分子、固体の個々の状態をあらわす“状態密度”を入力データにすることで、結合の強さや結合距離などの結合物性を予測できることを示した。化学結合の形成は、吸着や化学反応などのきっかけ(素過程)として重要であるため、予測対象を広げることで物質開発の加速に道を付ける成果になるとして注目される。
- 伊藤忠テクノソリューションズがMI支援サービス、計算結果を機械学習
2021.7.21−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は20日、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)のための支援サービス「材料開発プラットフォーム」を製品化し提供開始すると発表した。環境負荷の低い素材や信頼性・安全性の高い素材の開発をターゲットに、電池材料や半導体を含む製造業、医療分野、大学および研究機関を中心に展開し、3年間で100社への提供を目指す。
- 量子アニーリングは古典コンピューターでシミュレートできず、東工大が証明
2021.08.20−東京工業大学 科学技術創成研究院 量子コンピューティング研究ユニットの坂東優樹研究員(研究当時)と西森秀稔特任教授の研究グループは19日、量子物質の動的性質の解析は、量子アニーリングによる古典コンピューター上のシミュレーターでは正確に求めることができないことを証明したと発表した。量子アニーリングを直接実現する量子デバイスの開発を促す成果であり、今後の技術開発の進展が期待される。
- 富士通が“Deep Tensor”を活用した化合物特性予測「SCIQUICK-DT」
2021.09.03−富士通は2日、説明可能な独自のディープラーニング技術である“Deep Tensor”を利用し、構造式から化合物の特性を予測する「FUJITSU Digital Laboratory Platform SCIQUICK-DT」を提供開始したと発表した。薬物動態に関係した代謝安定性や経口吸収性をクラウドで予測するサービスと、ユーザー個別のニーズに合わせてDeep Tensorで予測モデルを構築する受託サービスの2種類からなっている。予測サービスの利用料金は月額67万円。2024年度末までに6億2,000万円の売り上げを見込んでいる。
- 富士通が特許等から化学知識を抽出するAIツール「SCIDOCSS」
2021.09.09−富士通は8日、化学・材料研究のために行う特許などの文書・文献調査を人工知能(AI)で効率化する「FUJITSU Digital Laboratory Platform SCIDOCSS」(サイドックス)を製品化し、提供開始したと発表した。長年研究してきたAI応用の自然言語処理(NLP)技術を利用しており、一般の研究者が高度な特許調査などを自ら行うことが可能。調べたいキーワードや化合物との適合性をAIが評価して、重要度や類似度が高い文献・特許を優先的に示すことができる。マテリアルズ・インフォマティクス(MI)研究において、データを探索・収集するツールとして活用していく。
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- Appierが業績・戦略説明会、3月末に東証マザーズ上場
2021.08.26−Appier Groupは25日、チハン・ユー代表取締役兼CEOと橘浩二ファイナンス担当SVPによる記者説明会を開催し、最近の事業成績や今後の戦略などについて会見した。同社は人工知能(AI)をデジタルマーケティングに利用するための専門的な技術を持つ台湾の企業で、今年3月末に東京証券取引所マザーズに上場している。コロナ禍で、消費者は多くの活動をオンラインで行うようになってきており、デジタルトランスフォーメーション(DX)ブームやAI革命の流れに乗って企業のデジタル化投資も拡大。同社の業績も急成長を遂げている。
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