- 日立製作所が材料インフォの実用化を支援、クラウド上で分析環境
2017.10.14−日立製作所は11日、マテリアルズインフォマティクス(材料インフォマティクス、MI)に基づく研究開発支援サービスを製品化し、「材料開発ソリューション」として11月1日から提供開始すると発表した。計算や実験で得られた材料データをクラウド環境で分析するための「材料データ分析環境提供サービス」、分析システムの利用をサポートする「材料データ分析運用サポートサービス」、研究内容やデータ様式に沿って分析基盤を顧客に合わせる「材料データ分析アプリカスタマイズ」、人工知能(AI)を活用して分析を代行する「材料データ分析支援サービス」などのメニューを用意している。企業におけるMIの実用化を具体的に支援するサービスはまだあまり例がなく、反響が注目される。
- パーキンエルマーのクラウド型ELNが好調、エンタープライズ版も実績
2017.11.02−パーキンエルマーインフォマティクスが提供するクラウド型電子実験ノートブック(ELN)が好調だ。ワールドワイドの導入実績はすでに数百社・機関に達しており、日本国内では製品体系を一新して今年4月から本格的に販売を開始したが、大学や民間企業での採用が急ピッチで進んできている。クラウド版であるため毎月のように機能強化が実施されており、国内ユーザーが要望した機能も実装されてきているという。使用権は「ChemOffice Professional」にバンドルされており、国内の多くの大学がライセンスを所有している状態になるため、来年にかけて一気に普及するとも期待される。
- 米シミュレーションズプラス:ウォルトスCEO、ディベラ社長インタビュー
2017.11.14−薬物動態の予測・解析ソフトで知られる米シミュレーションズプラスは、2014年9月に買収した米コグニジェンに続き、今年6月には米ディリシム(DILIsym Services)を統合し、製品とサービスの範囲を大幅に拡張した。NASDAQに上場しているシミュレーションズプラス(シンボルはSLP)が存続会社となり、3部門から構成される企業へと大きく組織を変えた。ウォルター・ウォルトス会長兼CEOが引き続き全体を監督するが、3部門にそれぞれ社長が任命され、新体制がスタートしている。今回、新たにランカスター部門の社長に就任(昇格)したジョン・ディベラ氏(John DiBella)とウォルトスCEO(Walter Woltosz)に今後の戦略などを聞いた。
- モルシスがケモターゲットの医薬研究開発向けデータ科学プラットホーム
2017.11.16−モルシスは、スペインのケモターゲット社が開発した「CLARITY」を国内で新たに販売開始した。医薬の研究開発におけるデータサイエンスプラットホームとなるウェブベースのシステムで、同じスペインのプロウスインスティチュートが提供していた「SYMMETRY」の後継製品という位置づけ。プロウスが今年5月にケモターゲットに戦略的な投資を行い、大量のデータを提供したことで製品化が実現、10月に正式リリースされている。薬物の有効性や安全性を予測するというコンセプトが明確になり、予測精度も大きく向上しているという。
- コンフレックスが配座探索ソフト最新版「CONFLEX 8」をリリース
2017.11.25−コンフレックスは、自社開発の配座空間探索ソフトを機能強化し、「CONFLEX 8」としてこのほど提供開始した。2012年10月にバージョン7が出て以来、5年ぶりになるバージョンアップで、結晶などの大きな系の配座解析を行うための機能が強化され、計算速度も大幅に高速化された。非経験的分子軌道法プログラム「Gaussian」との連携強化もポイントになるという。
- 化学情報協会が外国特許調査のための新サービス、機械翻訳を利用
2017.11.29−化学情報協会(JAICI)は、化学物質情報、化学文献・特許などの情報提供サービスに長く携わってきたノウハウを生かし、高精度機械翻訳を活用した外国特許調査支援サービス「JAICI AutoTrans」を来年1月から開始する。英語・中国語などの特許・論文が増加の一途をたどる中、それらの内容を日本語で手早く理解したいというニーズが高まっている。機械翻訳ながら複雑な化合物名も正確に訳すことができ、数値が混じるなどの特許に特有の文章に対応するようにチューニングされていることが特徴だ。
- 富士通が「TCクラウド2.0」で材料インフォを支援、深層学習環境を提供
2017.12.05−富士通は、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)専門クラウドサービス「TCクラウド」を機能強化し、材料インフォマティクス(マテリアルズインフォマティクス=MI)を支援するサービスに乗り出した。「TCクラウド2.0」と名付けて深層学習(ディープラーニング)に利用できる環境を用意し、収集・蓄積した材料データから材料の物性や組成を予測・設計するための知識を引き出すことができるようにする。計算・情報・実験の三位一体による協動・共創の場を提供することで、MI研究の基盤になることを目指していく。
- モルシスが化学物質の安全性評価ソリューション、ICH M7にも対応
2017.12.09−モルシスは、化学物質の安全性評価とリスク管理のためのソリューションを発売した。独モレキュラーネットワークスと米アルタミラが共同で推進している“MN-AM”ブランドで開発された製品で、毒性・安全性データベース「ChemTunes」、毒性予測システム「ToxGPS」から構成される。日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)が定めた医薬品変異原性不純物ガイドライン(M7)に対応したリスク評価と管理をワークフローに沿って行う機能を持っている。
- 量子コンピューター研究開発の現状と展望、東工大がプレスセミナー
2017.12.15−東京工業大学は12日、プレス向けセミナーを開催。理学院物理学系の西森秀稔教授が「量子コンピューター研究開発の現状と展望」と題して講演したあと、記者らの質問に答えた。量子コンピューターは、特定の種類の問題を解くことが得意なマシンで、現在のコンピューターを置き換える存在ではないこと、また量子コンピューターの種類や開発状況を解説するとともに今後の展望を示した。西森教授は、量子コンピューターの理論的研究を世界的にリードしている研究者で、来年からスタートするIEEEの量子コンピューティング用語標準化ワーキンググループのメンバーにも選ばれている。1998年に量子アニーリングを提唱したことで有名。
- ELNなどクラウド専門のアークスパンが急成長、バイオと化学で導入倍増
2017.12.19−クラウド専門の化学情報管理ソリューションを提供している米アークスパンが、急速に業容を拡大している。今年はスタッフを40%増員しており、日本で技術サポート体制を整備したことにより、グローバルに24時間体制で問い合わせに対応できるようになった。顧客としては、バイオベンチャーおよび化学・食品分野が倍増の伸び。先月には日本で初めてのユーザー会を開催し、電子実験ノートブック(ELN)などの導入事例を紹介した。来年に向けてさらに事業体制を固める方針だ。
- 小野薬品工業が米シュレーディンガーと創薬提携契約
20117.12.20−小野薬品工業は19日、米シュレーディンガーとの間で、複数の創薬標的に関する創薬提携契約を締結したと発表した。小野薬品が提示した創薬標的に対する新規低分子化合物を、シュレーディンガーが自社のIT創薬技術を駆使して創製する。提携期間中の研究資金および研究の進捗に応じたマイルストーンが支払われるという。
- 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」バージョン49をリリース
2017.12.29−富士通九州システムズ(FJQS)は28日、来年1月4日に「ADMEデータベース」バージョン49をリリースすると発表した。約280件の新しい文献を調査し、約2,200件の非臨床薬物代謝データと、約80件の臨床薬物相互作用データを追加している。年間に30契約を見込んでいる。
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- アイフォーカス・ネットワークに新社長が就任、人と対話するAIエンジン
2017.10.06−人工知能(AI)エンジンを開発・販売するアイフォーカス・ネットワーク(本社・東京都千代田区)は、このほど創業者の早川典之氏が代表取締役社長に就任し、新体制でのビジネスをスタートした。会社設立自体は2012年で、すでにAIエンジン「Qlofune(黒船)」は人と対話できるAIとして実績が出ているが、来年3月にはこれをさらにバージョンアップし、商品名を「ENOKI(エノキ)」(Environment of Kindness Idea)に変更して新たに発売する計画も明らかにしている。
- 日本ディープラーニング協会が旗揚げ、3万人の技術者育成へ資格制度
2017.10.06−日本ディープラーニング協会(JDLA)が4日、正式に旗揚げし、その組織や活動内容などについて記者会見した。理事長に就任した東京大学大学院工学系研究科の松尾豊特任准教授は「人工知能(AI)は1960年代から連続的に発達してきたが、機械学習におけるディープラーニング(深層学習)は2010年代に登場するや破壊的な変化をもたらした。この技術を早くキャッチアップして、日本全体の産業競争力強化につなげなければならない」と強調。深層学習に関する正しい理解を広め、それを開発、または企業で活用できる人材育成を急ぐ方針を示した。
- CTCがコラボレーション専用スペース「DEJIMA」を開設、顧客との共創支援
2017.10.07−伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は6日、顧客との新規ビジネスアイデアの創出や各種イベントなどを開催するオープンイノベーションのための専用施設「DEJIMA」(デジマ)を16日に開設すると発表した。100名以上を収容できるプレゼンテーション空間、少人数用のワークショップスペース、個室のプロジェクトルームなどを用意したほか、米国シリコンバレーと結んで、現地の先端ベンチャー企業とコラボレーションできる仕組みを盛り込んだことが特徴になる。
- AIビジネス推進コンソーシアムが始動、開発ノウハウ・事例集を公開・共有
2017.12.15−AIビジネス推進コンソーシアムが13日、設立発表を行った。AI(人工知能)分野でのアプリケーションやサービス開発、実証実験などに携わる企業が結集し、関連するノウハウを相互に共有して連携を図ることが目的。人材不足が指摘されるAI開発の敷居を下げるため、基本技術やひな型となるユースケースを集めて公開し、参考になる事例をいつでもみつけられるようにしていく。メンバーは11社でのスタートだが、大学・研究機関やサービス事業者、ユーザー企業などの参加を広く募ることにしている。
- マカフィーが2017年セキュリティ10大事件と2018年脅威動向予測
20117.12.19−マカフィーはこのほど、今年のセキュリティ事件に関する意識調査結果と、来年の脅威動向予測を発表した。それによると、とくに今年は世界中に影響を与えたランサムウエアの被害や、無線LANの暗号鍵次述の脆弱性、若年層のサイバー犯罪の摘発などが目立った。来年は、機械学習を利用したサイバー攻撃の激化、ランサムウエアによる攻撃対象の変化、クラウドアプリケーションに対する攻撃の増加などが予想されるという。
- 日本テラデータが企業のAI活用を支援するサービス、業界別ユースケース
2017.12.23−日本テラデータはこのほど、エンタープライズAI(人工知能)戦略に関するプレスブリーフィングを開催した。すでにグローバルで100社以上の顧客とのプロジェクトを実施、1,000人以上のコンサルタントを揃えており、実際のユースケースを多く蓄積してきているという。これらのノウハウを具体的なサービスをとして体系化したのが「Agile Analytics Factory」で、データサイエンスのスキルとアナリティクスの専門知識をサービスとして提供するもの。2017年度の国内ビジネスとしては、予算を70%上回る好調さで推移しており、とくに製造業での導入が活発化している実態を明らかにした。
- ダッソー・システムズの山賀新社長が会見、3Dエクスペリエンス推進
2017.12.28−11月にダッソー・システムズ日本法人の社長に就任した山賀裕二氏が、このほど都内で記者会見した。とくに、同社のソリューションを通して顧客企業のデジタル変革を支援するとし、「顧客との信頼感に基づいて地に足を付けた事業活動を展開したい。顧客のビジネスの価値を理解して、深く議論することを意識している」と述べた。
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