CCSニュースファイル
   2012年4−6月

  • 米パーキンエルマー:マイケル・ステープルトンGMインタビュー
     2012.04.04−米パーキンエルマーが、ケンブリッジソフトをはじめとするソフトベンダーを相次ぎ買収し、医薬品の研究開発から製造までの幅広い領域を網羅する目的で、ソフトウエア事業の強化を推進している。電子実験ノートブック(ELN)を基盤に、各種の計測・分析・試験データの統合を含め、“情報”の活用を核としたソリューションを提供していく。新設されたインフォマティクス事業部門を率いるマイケル・ステープルトン(Michael Stapleton)ジェネラルマネジャー(GM)に戦略を聞いた。
  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」のバージョン26
     2012.04.05−富士通九州システムズ(FJQS)は、インターネット経由で利用できる薬物動態関連のデータベースサービス「ADMEデータベース」を更新し、4月からバージョン26を提供開始した。ウェブブラウザーからキーワードや構造式を入力することで、効率的に情報収集を行うことができる。今回のバージョンアップはデータの更新・追加がメイン。総データ件数は、ヒトの主要な代謝酵素であるチトクロームP450を中心に約9万件となっている。
  • インフォコムが豪デザート社の新創薬支援ツール、複合体の相互作用解析
     2012.04.20−インフォコムは18日、豪デザートサイエンティフィックソフトウエア社(ニール・テイラー社長)と国内独占販売代理店契約を結び、薬物分子設計に役立つたん白質/リガンド複合体解析ソリューションを発売したと発表した。大手製薬会社と共同開発した新規性の高い手法を導入しており、より結合性の高いリガンド構造を設計することができる。Linuxをサーバーとして利用し、ウェブクライアントで動作するので、一般の研究者にも使いやすい。
  • クロスアビリティが計算化学エントリーパック、月額3,000円のサポートも
     2012.05.28−クロスアビリティは、計算化学に新たに取り組みたい研究者を対象に、ハード・ソフト・サービスをセットにしたエントリーパックを製品化した。最新のノートPCにフリーの分子軌道法や分子動力学法の計算プログラムをインストールして提供するもので、月額3,000円で専門家が質問に答えるサポートサービスも付ける。価格は、PCのスペックにより、9万8,000円、15万円、19万8,000円の3タイプを用意する。
  • 英IDBSが9月にも日本法人設立へ、すでにオフィス開設ずみ
     2012.06.06−電子実験ノートブック(ELN)の大手ベンダーである英IDビジネスソリューションズ(IDBS)は、現地法人の設立など対日戦略を強化する。すでにスタッフ集めをはじめ、今年1月には本格的なオフィスを開設。9月までには日本法人の設立登記を完了させる。社長には旧シミックステクノロジーズの新谷智夫氏が就任する。現在の代理店と協調しつつ、自前でのスタッフ拡充も進め、2年後には開発元として顧客とのプロジェクトを遂行できる体制づくりを図りたいという。
  • ウェイブファンクションがiPadi/Phone向け分子モデリングソフトを開発
     2012.06.07−米ウェイブファンクションは、アップルのiPad/iPhone上で利用できる分子モデリングソフト「iSpartan」(仮称)を開発した。具体的なビジネスモデルはまだ固まっておらず、発売時期や価格も未定だが、計算化学ユーザーの裾野を広げる目的にかなうものと期待される。
  • 富士通が「SCIGRESS」の最新バージョン2.4、ドッキング解析機能を復活
     2012.06.11−富士通は、材料設計支援システム「SCIGRESS」の最新バージョン2.4を5月末から出荷開始した。旧製品の「BioMedCAChe」に搭載されていたドッキングシミュレーション機能を復活させたこと、分子動力学計算エンジンに新たに拡張Tersoff可変電荷ポテンシャルが追加されたことなどが特徴。今年はサービス面の強化も目標にしており、クラウド経由での計算サービスを開始するほか、計算受託サービスやコンサルティングサービスも積極的に提案していく。
  • 米シミュレーションズプラスがインシリコ創薬手法で新マラリア治療薬
     2012.06.13−米シミュレーションズプラスは、CCS(コンピューターケミストリーシステム)を活用したインシリコ創薬で新規のマラリヤ治療薬の設計に成功した。実際に4つの化合物を合成し、うちの2つは既存の薬剤よりも良い特性を示したという。プロジェクトにかかった期間は7ヵ月ほど。同社では、CCSを活用することで医薬品の開発コストが大幅に削減されるため、発展途上国で問題になっている疾患に対して有効な対策になるとしている。
  • CTCLSが新中期経営計画をスタート、CMC・GMP領域で成長へ
     2012.06.29−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、2014年度をゴールとする新中期経営計画をスタートさせた。ライフサイエンス市場での地位をさらに固めるため、既存の創薬研究領域に加え、CMC(化学、製造、品質管理)およびGMP(医薬品の製造に関するガイドライン)領域のソリューション拡大、理学機器の拡販−の3項目をポイントとし、2011年度比で2014年度に売り上げ25%アップを目指す。
  • 米エヌビディアの最新“Kepler”GPUでMDシミュレーションがさらに加速
     2012.06.30−米NVIDIA(エヌビディア)は、最新の“Kepler”アーキテクチャーを採用した「Tesla K10 GPU」の新しいベンチマークを公表し、分子動力学法(MD)で際立ったパフォーマンスを確認したと発表した。大型のPCクラスターに匹敵する性能を数個のK10で達成しており、計算化学だけでなく、防衛、地震データ処理など、幅広い科学技術アプリケーションの進歩を促すと期待されている。
  • 富士通九州システムズが「DDIシミュレーター」の最新バージョン2.1
     2012.06.30−富士通九州システムズ(FJQS)は、薬物相互作用を予測する「ADMEWORKS DDI Simulator」(DDIシミュレーター)の最新バージョン2.1を7月末にリリースする。米食品医薬品局(FDA)のドラフトガイダンス(2012年2月版)に記載されている最新の薬物データをデータベースに追加するとともに、実際の臨床結果を反映するようにシミュレーション機能も大幅に強化した。昨年から海外での普及にも力を入れてきており、あらためて反響が期待される。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • インフォコムがMR支援システムを機能強化、アンドロイド端末に対応
     2012.04.12−インフォコムは、製薬企業向けMR(医薬情報担当者)活動支援システム「MRSupport」のラインアップを拡充し、アンドロイド系タブレット端末で利用できる営業支援システム「DigiPro for Android」を発売すると発表した。昨年10月に開発したiPad版に続いて、アンドロイドにも対応させたもので、同社では今後3年間に合わせて25社への導入を見込んでいる。
  • レッドハットが基幹系システム向けサポートを強化、パートナーと協業
     2012.04.12−レッドハットは11日、国内のOEMパートナーである富士通、日立製作所、NECと共同で記者会見し、Linuxを本格的に基幹系システム市場に浸透させる目的で国内向けサポートを大幅に強化すると発表した。「Red Hat Enterprise Linux 5」(RHEL5)および最新の「RHEL6」のサポート期間を現行の7年から10年へ延長するとともに、日本だけで提供しているサポートオプション制度「アドバンスド・ミッションクリティカル・プログラム」(AMC)を「RHEL6」にも適用する。これにより、メインフレーム市場の本格的なリプレースを狙うとしている。
  • スマートフォン向けの脅威が急拡大−カスペルスキーが調査結果
     2012.04.13−スマートフォンに対するネットワークの脅威が急激に拡大している実態が明らかになった。カスペルスキーが12日に都内で開始した報道関係者向けセミナーの席上で示されたもので、サイバー犯罪者はアンドロイドを主たる攻撃目標としており、今年3月の調査ではすべてのモバイル環境向けマルウエアの中でアンドロイドを対象にしたものが81.7%にのぼっているという。同社ではこの傾向はしばらく続くとし、スマートフォンに対してもPCと同じ感覚でセキュリティ対策をすべきだと警告している。
  • 日立ソリューションズがMR向けモバイルDBサービス、クラウド経由で接続
     2012.04.25−日立ソリューションズは24日、医薬情報担当者(MR)向けに特化したiPad利用のクラウド型モバイルデータベースサービス「Interactive-Pro サービス」を5月7日から提供開始すると発表した。クラウド経由で社内のイントラネットやデータベースにある最新の営業資料、文献情報、FAQを共有・参照し、医師らに対して的確で効果的かつ学術的なアプローチを行うことができる。費用は従量課金制で、50ユーザーで52万5,000円から。
  • 富士通がグループ内のものづくりノウハウを提供、ツール・人材も
     2012.05.11−富士通は8日、製造業向けソリューションの新展開として、グループが蓄積したものづくりノウハウをツールや人材とともに顧客に提供する「ものづくり革新隊」に基づくサービスを、10月から順次提供開始すると発表した。日本の製造業によるものづくりを支援する「NextValue」をグレードアップするもので、これまでに整備してきたPLMやSCM関連のソリューションに加え、自社で培ったノウハウを外販することで、より包括的に顧客のものづくりの革新を促そうというもの。準大手以上の製造業900社ほどを当面のターゲットに、今度3年間で関連ビジネスを含め1,000億円の売り上げを見込んでいる。
  • 日立ソリューションズがPHR/EHR市場に進出、専門組織を設立
     2012.06.16−日立ソリューションズは、医療・製薬業向けのIT(情報技術)ビジネスを強化し、今後の進展が期待されるPHR(パーソナルヘルスレコード、個人健康記録)/EHR(エレクトリックヘルスレコード、生涯健康医療電子記録)にフォーカスする方針を定めた。ヘルスケアビジネス事業部に専門組織を4月に設立しており、海外も視野に入れた事業展開を目指していく。

 

 


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