CCSニュースファイル
   2015年1−3月

  • サターラが分子モデリングソフト最新版、合成経路設計機能を統合
      2015.01.20−サターラ(CERTARA)は、医薬分子モデリングシステムを大幅に機能強化し、「Muse Invent」バージョン4として販売開始した。望ましい特性を持つ分子構造をデザイン・最適化する機能に加え、設計した化合物を合成するための合成経路を予測する機能が統合されたことが最大の特徴。この2つの機能を合わせ持つ製品は他にはなく、米国では実現可能性の高い妥当な合成経路が示されるという評価が得られているという。国内では、既存代理店のワールドフュージョンを通して販売するほか、医薬に加えて化学分野にも適応できることから直販でも普及を図ることにしている。
  • 菱化システムが「MOE2014.09」をリリース、SBDD向けプロジェクトDB機能
      2015.01.22−菱化システムは、加CCG社が開発した統合計算化学システムの最新版「MOE 2014.09」を昨年12月にリリースした。創薬・生命科学研究のための分子モデリング&シミュレーションソフトで、ケムインフォマティクス/データベース機能も備えている。今回の最新版では、タンパク質などの生体高分子を扱う機能が重点的に強化されており、SBDD(ストラクチャーベース・ドラッグデザイン)関連での実用性が大きく向上している。
  • アフィニティサイエンスが創薬向け受託研究ビジネス、セミナー開催も
      2015.02.05−アフィニティサイエンスは、新たに創薬支援のための受託研究ビジネスに進出した。専門的知識を持つ技術スタッフを拡充し、実際の研究テーマに則した高度なニーズに応えていく。まずは、インシリコ創薬技術に関するセミナーを開催し、ファーマコフォアベースのスクリーニング、また構造ベーススクリーニング技術を紹介することによって、同事業の旗揚げとする方針。セミナーは2月26日に開催される。
  • アドバンスソフトがスパコン上でのシミュレーションを支援、京など対応
      2015.02.07−アドバンスソフトは、産業界に開放されているスーパーコンピューターを用いて、高度な解析シミュレーションを実行できるようにする「スーパーコンピューティングサービス」を2月下旬から開始する。高度情報科学技術研究機構(RIST)が運用する「京」と、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する「UV2000」を対象に、同社が独自開発した解析ソフトの移植を進めており、これらのスパコン上で低料金でソフトを使用できるようにしていく。利用するためのコンサルティングやサポートなどのサービスにも応じる。
  • CTCLSがSDファイル専用ツール、大量の構造式を軽快操作
      2015.02.10−CTCライフサイエンス(CTCLS)はこのほど、化学構造式情報を扱うSDファイル(SDF)の参照・編集・更新ツール「SDTool」を開発、販売を開始した。スプレッドシート形式のユーザーインターフェースを持ち、多数の構造式を含む重いファイルでも軽快に扱えることが特徴。価格は永久使用のコーポレートライセンスで120万円から。3月25日発注分までの発売キャンペーンも実施中で、特別価格98万円となっている。
  • 菱化システムが研究情報共有クラウドサービス、大学向けなど簡便・安価
      2015.02.11−菱化システムは、大学の研究室などで手軽に実験ノートを電子化し、研究情報の適正な管理と共有を図るためのクラウドサービスを製品化した。「CLISS」の名称で今春から提供を開始する。STAP細胞の研究不正問題を機に、大学や企業において研究情報の管理方法を見直す動きが広がっているが、既存の電子実験ノート(ELN)ソリューションは製薬業向けに厳しい法規制に対応したつくりとなっており、非製薬用途ではオーバースペックな場合が多い。それに対し、「CLISS」は簡便さを最優先に機能を絞り、安価なサービスとして提供することを最大の狙いとして開発したという。アクティブユーザー数20人までで、年間利用料100万円以下という設定。他の機関との共同研究チームで利用することもできる。
  • CTCLSがICH M7対応ソフトの最新版、ワンクリックで2種類の予測
      2015.02.11−CTCライフサイエンス(CTCLS)は、英Lhasaのインシリコ毒性予測システムの最新バージョン「Nexus 2.0」を販売開始した。日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)のM7ガイドラインに沿ったリスク評価を行う機能が強化され、知識ベースと統計ベースの異なる手法による毒性予測をワンボタンで実行できるようになった。
  • STN新プラットホームが過去最大のコンテンツ追加、生物・医学文献など
      2015.02.13−化学情報協会(JAICI)は12日、特許関連の審査官・知財専門家向けの科学技術オンライン情報サービス「STN」が大幅に機能強化されたと発表した。「STN」はウェブベースの新プラットホーム版に移行中だが、今回は過去最大のコンテンツ追加が行われ、化学系に加えて、医学・薬学およびライフサイエンス系データベースが利用可能になっている。それぞれのシソーラスも追加されているので同義語などの漏れのない網羅的な検索が可能。多くのユーザーの要望に応えたもので、完全移行への重要なステップになるという。
  • 英PSEが経口投与薬物の吸収予測ソフト、ファイザーなどと共同開発
      2015.02.18−英プロセスシステムズエンタープライズ(PSE)は、医薬製剤の経口吸収を予測するシミュレーションソフト「gCOAS」を製品化したと発表した。システムベース薬学(SbP)アライアンスを通じてファイザーなどと共同開発したもの。医薬原体や製剤、または異なる投薬条件下でのヒトの腸での吸収を予測することができる。原薬(API)の服用量、API結晶の粒度分布、その他の関連する特性などの点で、最良の投薬形態を探ることに役立つという。
  • BIOVIAが材料設計支援統合ソフト「Materials Studio」バージョン8.0
      2015.03.07−ダッソー・システムズ・バイオビア(BIOVIA)は、材料設計支援のための統合モデリング&シミュレーションソフト「Materials Studio」(マテリアルスタジオ)の最新バージョン8.0を提供開始した。新しい計算手法が導入され、長時間スケールのシミュレーションが可能になったほか、化学反応に関連する解析や、電子部品・燃料電池などの開発に役立つ材料特性計算機能などが強化されている。
  • パトコアがマネージメントサービスの100%子会社として新体制へ
      2015.03.14−パトコアは、システム開発企業のマネージメントサービス(MSC)の100%子会社として再出発することになった。1月23日に開催された臨時株主総会で決定したもの。パトコアは創業12年だが、今後の長期的な経営戦略を模索する中で、さらなる発展を目指すために今回の判断に至ったという。
  • アフィニティサイエンスと京都コンステラが共同で受託研究サービス
      2015.03.14−アフィニティサイエンスは13日、京都コンステラ・テクノロジーズと業務提携し、インシリコ創薬に基づく受託研究・解析サービスを「ACISS」(Affinity-Constella In Silico Support)の名称で正式に提供開始すると発表した。両社のコア技術と各種ソフトウエアを組み合わせることにより、高速・高精度のインシリコスクリーニング、ターゲット予測、de novoデザイン、精密ドッキング解析などの計算業務実施、また顧客の要望に応じたハード・ソフトのシステム導入支援など、創薬研究を総合的にサポートしていく。
  • 日立ソリューションズが市販後調査支援機能を提供、新機能追加
      2015.03.25−日立ソリューションズは24日、製薬業向け実消化パッケージ「REGASAS」に市販後調査を支援するオプション機能を追加、25日から提供開始すると発表した。MR(医薬情報担当者)による調査報告書作成の業務負担を軽減させ、入力内容の均一化や適切な進捗管理を実現することができる。
  • 東大医科研がヒトゲノム解析用スパコンを刷新、日立製作所と共同で
      2015.03.28−日立製作所は26日、東京大学医科学研究所において、ヒトゲノム解析用の新型スーパーコンピューター「Shirokane3」が4月1日から稼働すると発表した。理論最大性能は422テラFLOPSで、従来機に比べて約10倍の速度でヒトゲノムのデータ解析を行うことが可能。ストレージも拡張され、約100万人分のデータを保存することができる。これにより、ゲノムの変異した箇所を高速に検索・特定し、その変異と疾患との因果関係の分析や、治療効果の高い医薬品の予測を行うことなどが可能になる。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 日本マイクロソフトが2015年の研究開発戦略、加治佐CTOが会見
      2015.02.05−日本マイクロソフトは1月29日、加治佐俊一CTO(最高技術責任者)が記者会見し、最近の研究開発のトピックスについて説明した。「モバイルファースト」「クラウドファースト」をキーワードに、研究開発のプロセスがスピードアップしており、幅広いパートナーシップを築き、オープンソースコミュニティとの連携もますます加速している。研究テーマとしては、信頼できるクラウド、機械学習、マルチプラットホームに力を入れているという。
  • ASUSがキーボード脱着式超薄型ノートの新シリーズ「TransBook Chi」
      2015.02.14−ASUS JAPAN(エイスースジャパン)は13日、キーボード脱着式の“2 in 1”超薄型ノートPCの新シリーズ「ASUS TransBook Chi」を含む春モデル22製品を発売すると発表した。ASUSTeK本社のジョニー・シー会長は、アップル製品よりも強く薄いなどと強調するとともに、他のWindows製品と比べても性能が高いと訴えた。「携帯性、美しさ、エンターテインメント、生産性の観点で理想の1台に仕上がった」と自信をみせた。
  • IP500アライアンスが日本市場での活動を開始、IoT時代の無線通信規格
      2015.02.25−IoT(モノのインターネット)時代の新たな無線通信規格として注目されている独IP500 Alliance(IP500アライアンス、本部・ベルリン)が24日、日本およびアジアでの拠点となる「IP500 Alliance Japan」を東京に設立したと発表した。今後、日本での会員拡大を図るとともに、海外の企業とも連携して、IoTに関連した新しいビジネスモデルの構築を目指す。アプリケーションを主体にして、それに必要な規格や仕様を定めていくトップダウン型のアプローチが特徴だとしており、欧州ではビルオートメーションや都市防災などの分野で普及が進んでいるという。
  • 創造的人材や起業家を支援する「未踏」が活動開始、ネットワーク形成
      2015.03.11−ITを中心にした日本人起業家を支援することを目的にした一般社団法人未踏(竹内郁雄代表理事)が10日、正式に活動を開始すると発表した。経済産業省所管の情報処理推進機構(IPA)が2000年から進めている“未踏事業”で発掘・育成された創造的能力を持つ人材を会員として集め、ビジネスマッチングの場を提供するなどして、優れた人材が活躍できる土壌を醸成していく。未踏事業の出身者がすでに1,600人いるほか、それに準じる能力を持つ人材も加えて、将来的には1万〜2万人規模の組織に拡大させていきたいという。
  • EMCジャパンが“データレイク基盤”対応製品を拡充、ビッグデータ時代
      2015.03.19−EMCジャパンは18日、新時代のストレージソリューションとして推進中の“データレイク基盤”(データの湖)に対応する製品群を拡充したと発表した。従来型のビジネスアプリケーション(信頼性重視)と、ビッグデータを活用した次世代型アプリケーション(アジリティ重視)の両方を統合的に管理・運用できることが特徴。市場の変化に柔軟・迅速に対応した経営を志向する企業にとって、新たな競争力を生み出す源泉になるという。

 

 


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