CCSニュースファイル
   2013年4−6月

  • 米CASがシュプリンガーと提携しDBコンテンツ拡充、実験項情報など強化
      2013.04.03−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)は、このほど欧州を本拠とする学術出版社シュプリンガーと提携し、データベース(DB)のコンテンツを強化した。1985年以降のシュプリンガーの化学雑誌165誌に掲載された化学反応に関係する数千の実験項情報を収録。CASの検索サービス「SciFinder」を通して利用することができる。文献の原本に直接当たらずに実験の詳細情報が得られるため、化学物質の合成方法の調査などが大幅に効率化されるという。
  • アクセルリスが新たにLIMSソリューション、プロセス主導の研究運営可能に
      2013.04.04−アクセルリスは、LIMS(研究所統合情報システム)ソリューションを新たに製品化し、医薬品研究開発のためのラボラトリー業務を包括的に支援する「Accelrys Process Management and Compliance Suite」を大幅に強化した。従来のLIMSとは一線を画す“プロセス主導”をコンセプトにしたシステムで、新薬の開発から上市に至るすべてのステージで製品の品質を高め、取り組み全体を効率化し、技術革新の導入を促進させる効果があるという。
  • エルゼビアが「Reaxys」をリニューアル、コンテンツを大幅に拡充
      2013.04.10−エルゼビアは、世界最大級の化学反応・化合物データベースサービス「Reaxys」を4月から刷新し、大幅にコンテンツと機能を強化した。400誌強だった収録対象のジャーナルを約1万6,000誌にまで広げ、約3,400万件の反応情報と5億件を超える実測物性値を収録。非常に幅広い化学情報を豊富に提供できることが特徴となっている。インターネット経由で利用できるが、今回はトップページもリニューアルされており、目的に応じた検索フォームにダイレクトにアクセスできるなど、操作性も大きく向上している。
  • パトコアが大日本住友製薬に試薬管理システム、法規制化合物チェックも
      2013.04.25−パトコアは、大日本住友製薬に法規制化合物チェック機能を連携させた試薬管理システムを導入したと発表した。試薬を取り扱うすべての研究拠点で使用され、今年の1月から本番稼働している。化学物質に関するコンプライアンス強化とともに、試薬の購入から廃棄までのプロセスを一元管理することで、試薬関係の経費削減と購買システムとの連携による業務効率化が期待されているという。
  • 立教大・望月教授らがFMOでナノ−バイオ境界の新モデリング技術
      2013.05.10−立教大学理学部の望月祐志教授と東京大学生産技術研究所らの研究グループは、大規模な系を計算対象にできることで注目を集めているフラグメント分子軌道法(FMO)を利用して、ナノ−バイオ境界の現象を解析する技術を新たに開発し、世界で初めてシリカ表面と微小たん白質(ペプチド)の相互作用に関する大規模モデリングに成功したと発表した。シリカ表面と強く相互作用(結合)するアミノ酸残基とそのエネルギーを精密に定量化することができ、特定組成の固体面を認識する人造ペプチドの分子設計に道をつける成果になったとしている。将来的には、生体親和性の高いインプラント材料開発、微小粒子を利用したドラッグデリバリーシステム、生体内の結晶析出を利用してナノ材料をつくるバイオミネラリゼーション、光応答たん白質などの新規デバイス開発にもつながると期待される。
  • 米シミュレーションズプラスがADME毒性予測ソフトの最新版
      2013.06.26−米シミュレーションズプラスは、化合物のADME(吸収・分布・代謝・排出)および毒性を予測する「ADMET Predictor」(ADMETプレディクター)の最新バージョン6.5を開発した。国内では代理店のノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)を通して発売する。新しく18種類の代謝予測モデルを搭載しており、これまでのような分子単位ではなく、代謝に関係する原子のレベルで代謝率を予測することが可能になった。
  • 米CASがSciFinderで利用できる実験項コンテンツを拡充、ティーメと提携
      2013.06.26−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)は、「SciFinder」からアクセスできるコンテンツを強化する目的で、科学・医学系出版社のティーメ・パブリッシング・グループと提携した。有名な有機化学雑誌2誌に記載された数十万件の化学反応の実験項情報が利用できるようになった。
  • KMデータが生命情報統合プラットホームのライト版を発売
      2013.06.27−KMデータ(本社・東京都中野区、谷口理恵社長)は、生命情報プラットホーム「KeyMolnet」のライト版を開発した。生体分子・遺伝子・疾患・医薬に関する情報を分子ネットワークを軸に統合したシステムで、疾患メカニズム解析、創薬ターゲット探索をはじめ、ゲノミクス・プロテオミクス・メタボロミクスなどのデータ解析に役立つ。今回のライト版は、Linuxサーバーを立てる必要がないので導入の敷居が低いことが特徴で、グループ単位での利用に適している。企業向けとアカデミック向けの両方を用意した。
  • ウェイブファンクションがタッチ操作対応の分子モデリングソフト発売へ
      2013.06.28−ウェイブファンクションは、ユニークな操作性を実現した分子モデリングシステムの最新バージョン「Spartan'14」を開発し、この夏から秋にかけて発売する計画を明らかにした。Windows 8のタッチパネル操作に対応し、構造式の作図や分子モデルの操作を直感的に行うことができる。また、製品構成が簡素化され、スタンダード版とパラレルスイート版の2種類になる。
  • シュレーディンガーが材料科学系モデリング市場に進出
      2013.06.28−シュレーディンガーは、材料科学系の分子モデリング市場に進出し、「MATERIALS SCIENCE SUITE」(マテリアルズサイエンススイート)を製品化した。同社は創薬向け分子モデリング技術で実績豊富なベンダーで、その基盤技術を材料科学向けにも共通化したもの。まずは、触媒設計などに適用できる機能が実装されているが、順次機能拡張が図られる予定であり、今後の方向性が注目される。
  • パトコアが構造変換アイデア提示ツール、MMP解析データの活用も
      2013.06.29−パトコアは、創薬研究における化合物の合成展開に際して、分子構造を変換できる可能性を網羅的に示すことができる「CRAIS Transformer」(CRAISトランスフォーマー)を開発した。構造変換のための信頼性の高い知識ベースをあらかじめ装備していることに加え、社内で蓄積した知識をルールとして組み込むことも可能で、合成研究者の世代交代にともなうノウハウ継承にも役立つとして注目される。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 日本マイクロソフトがXPサポート終了で移行支援強化期間をスタート
      2013.04.13−日本マイクロソフトは9日、Windows XPおよびOffice 2003、Internet Explorer 6 のサポート終了まであと1年となったのを機に、業界パートナー約360社と連携し、Windows 8 と2013年版新Officeへの「移行支援強化期間」としての取り組みをスタートさせると発表した。主に法人ユーザー向けの施策で、告知の強化、移行に向けた作業の支援、費用負担軽減のための金銭面でのサービスなどの内容となっている。記者会見では、サポート切れの製品を使い続けることによるセキュリティ上のリスクが強調された。
  • 日立ソリューションズがクラウドストレージ対応セキュリティ、暗号化して保存
      2013.04.23−日立ソリューションズは22日、安心してクラウドストレージサービスを利用できるようにする企業向けソリューション「秘文 Cloud Data Protection」(秘文クラウドデータプロテクション)を製品化すると発表した。クラウドストレージが普及している米国で先行してテストしており、国内では5月31日からトライアルサービスを、8月30日から正式に販売を開始する。文書ファイルを自動的に暗号化して格納し、タブレット端末などのモバイルからセキュアな環境で再利用することが可能。実際のビジネスは、クラウドストレージ事業者のサービスにビルトインするかたちと、オンプレミスのシステムとして販売するかたちの両面で展開する。
  • グーグルとクラリオンが車載情報機器向け地理空間情報サービスで提携
      2013.05.11−グーグルとクラリオンは10日、クラリオンの車載情報機器向けにGoogle地理空間情報サービスを提供する契約を結んだと発表した。車内のカーナビを音声で操作し、インターネット上の膨大な情報を地理情報と合わせて瞬時に検索する機能を搭載する。カーナビに内蔵された情報だけを対象としている従来製品と比べ、使いやすさと便利さが格段に向上するという。年内には具体的な製品として登場する予定だ。
  • 日本マイクロソフトがSurface RT を値下げ、iPadへの対抗意識あらわに
      2013.06.13−日本マイクロソフトは13日、タブレット端末「Surface RT」をきょう14日から値下げすると発表した。記憶容量が32GBのモデルが3万9,800円、64GBは4万7,800円と、それぞれ1万円引き下げた。東京・品川の本社で緊急会見した樋口泰行社長はアップルのiPadへの対抗意識をあらわにし、「向こうが(円安で)値上げするならこっちは下げてやろうと。これをチャンスととらえ、米国本社とも相談して緊急に決断した」と述べた。アップル製品と比較して、3,000円から最大2万2,000円の価格差が出る。
  • SAPジャパンが「SAP HANA」をビッグデータ統合基盤として強化
      2013.06.29−SAPジャパンは27日、インメモリーで大量のデータを高速に検索する「SAP HANA」を機能強化した最新サービスパック「SAP HANA SP6」を提供開始したと発表した。ビッグデータをリアルタイムで処理するための統合基盤へと発展させることを狙いとしたもので、とくに新たに追加されたスマートデータアクセス機能により、ユーザーはHadoopなどの異種混在ソース全体をカバーして動的にデータを引き出すことが可能。ビッグデータ活用型アプリケーションの開発を強力に後押しするという。

 

 


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