- ジーンデータがバイオマーカー探索ソリューション強化、日本で普及拡大へ
2010.01.09−スイスのバイオ系ソフトベンダーの日本法人であるジーンデータは、プロテオミクスやメタボロミクスなどの網羅的な研究を支援する統合ソリューションについて、国内での事業展開を加速させる。この製品は、バイオマーカー探索のための大量データを統合・管理・解析する一連の機能を備えた「Genedata
Expressionist」(ジーンデータ・エクスプレッショニスト)で、欧米では実際の臨床データを用いた大規模な研究が拡大している。3月には次期バージョン6.0を投入する予定で、欧米での実績をテコに国内でもさらなる浸透を図る。
- 富士通九州システムズがADMEデータベースのV17を提供開始
2010.01.14−富士通九州システムズ(FJQS)は、主要な代謝酵素に関する新しい情報を盛り込んだ薬物動態関連の「ADMEデータベース」を最新バージョン17に強化し、提供開始した。新たに277の文献から約1,800件のデータを追加しており、全データ件数は7万6,000件へと増加。とくに、マウスやラットなどの動物データが約2万1,000件に増えている。フルコンテンツでの年間利用料金は、企業および国立研究機関向けが157万5,000円、教育機関向けは52万5,000円。
- エルゼビアのScopusを利用してJSTが基金の投資効果を定量測定
2010.02.02−エルゼビアは、このほど書誌・引用文献データベース「Scopus」のカスタムデータが科学技術振興機構(JST)に採用され、科学技術のイノベーション創出における投資効果の測定に威力を発揮したと発表した。学術論文と特許とのリンケージによって効果を定量的に分析したもの。昨年11月に内閣府行政刷新会議ワーキンググループによって行われた「事業仕分け」など、科学技術予算の投資効果が問われているなか、今回の方法による定量的測定は注目を広く集めると考えられるという。
- 米オープンアイ:ニコルズ社長兼CEOインタビュー、対日投資を加速
2010.02.06−創薬支援のためのユニークな研究ツールを提供している米オープンアイ・サイエンティフィック・ソフトウエアは、2008年10月の日本法人設立に続き、2010年は東京オフィスの開設、日本人スタッフ増員、初のオープンフォーラム開催と、日本市場への投資をさらに加速させる。「欧米と同様に、日本の顧客との長期的な関係を築きたい」とするアンソニー・ニコルズ(Anthony
Nicholls)社長兼CEOに今後の戦略を聞いた。
- CTCLSが協和醗酵キリンに試薬管理・法規制チェックシステム導入
2010.02.16−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、協和発酵キリンに対して試薬管理と法規制化合物のチェックを行うパッケージソフトを導入した。自社開発した「RAKTIS」(ラクティス)および「RegSys」(レグシス)と呼ばれるシステムで、今年の1月から本格的な運用がスタートしている。化学物質の適正な管理とコンプライアンスの推進を目的としたもの。同社では、今回の実績を機に、システムの継続的な機能強化を図り、広くライフサイエンス企業への提案活動を強化していく。
- トムソン・ロイターが「Web
of Knowledge」の日本語インターフェース
2010.02.19−トムソン・ロイターは18日、世界最大級の学術情報ソリューション「Web
of Knowledge」の日本語インターフェースを21日(米国時間)から提供開始すると発表した。インターネット経由で文献調査などが行えるサービスで、日本語環境のパソコンから接続すると、自動的に日本語の画面やヘルプファイルが利用できるようになる。論文のオンライン投稿・査読システムも今年から日本語対応が行われているため、今回のリリースによって先行調査から論文執筆・投稿・発表・出版までの一連のワークフローの日本語化が完成したとしている。
- 米エヌビディアがGPU利用の生命科学研究向けソリューション
2010.02.23−米エヌビディアは、ライフサイエンス研究でGPUコンピューティングを活用するための新しいソリューションとして「Tesla
BioWorkbench」を製品化した。GPUで科学技術計算を行うためのアーキテクチャーである“CUDA”に最適化された分子動力学法などのアプリケーションを利用することができ、数十倍の高速処理が可能。わずかな投資でスーパーコンピューター並みの性能を引き出せることから、バーチャルな実験室として注目を集めそうだ。
- 米シミックスがソフト中心へ事業再構築、受託事業を分離
2010.03.05−米シミックス・テクノロジーズは2日、ハイスループット実験のための技術や装置、受託研究サービスなどを提供している“Symyx
HPR”事業部門の分離・別会社化を正式に完了したと発表した。独立した新会社の名称は「フリースレート」(FreeSlate)で、HPR部門の社長だったジョン・セナルディ(Jhon
Senaldi)氏がCEOに就任している。これは、2月11日付の決算発表に際して明らかにしていた計画で、今後シミックスはソフトウエア専門のベンダーとして、電子実験ノートブックなどの成長事業を中心にさらなる発展を目指すことになる。
- トムソン・ロイターが「PharmaVision2010」、2大統合サービスの製品戦略
2010.03.12−トムソン・ロイターは、2月24日に東京、26日に大阪で製薬業向けのユーザーフォーラム「Pharma
Vision 2010」を開催した。トランスレーショナルリサーチやバイオマーカーなど、最新の話題が基調講演や特別講演で扱われたほか、同社の製品・サービスの現状や今後の方向性なども示された。両日とも定員を超える盛況となり、東京会場では180人、大阪会場では70人の聴衆が集まった。ここでは、同社の製品戦略を中心にいくつかのポイントを紹介する。
- 文科省RISSプロジェクトが6月にベータ版を公開、最新の研究成果を反映
2010.03.19−文部科学省「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発」(RISS)プロジェクトは、各ソフトのコア部分の機能に関する研究開発をほぼ終了させ、6月からベータバージョンの公開を開始する。プロジェクト自体は2012年度まで続くが、早めにベータ版を提供することで実際に産業界での利用を促し、そのフィードバックを得て、さらに実用的なソフトに仕上げていく狙いがある。
**************<一般ITニュース>***************
- 新会社「MetaMoji」が始動、研究開発に特化し事業化はパートナーと
2010.01.21−新会社MetaMojiが1月14日、事業構想などについて記者説明会を開催した。ジャストシステムの創業者だった浮川和宣・初子夫妻があらためて独立して設立した企業で、ジャストシステムの研究部門にいたスタッフら16人が従業員として参加している。ユニークな技術を自社で育て、外部のパートナーを個々に募ってビジネスを立ち上げるスタイルで具体的な事業化を進めていく。5年後には1−2社のIPOを目指したいとしている。
- 米エヌビディア:ジェン・スン・フアン社長兼CEO会見、GPU活用へ
2010.02.02−米エヌビディアと理化学研究所が1月28日と29日の両日、東京・六本木の国際文化会館で「Accelerated
Computing」カンファレンスを共同開催した。今後、スーパーコンピューターの性能向上のペースがスローダウンすることが懸念されているが、その有効な解決策として期待されているのが、GPU(グラフィックプロセッサー)の活用。現時点では期待が先行している感があるものの、本格的な活用を見据えて先端の研究者同士の議論を活性化したいとの目的で会議が行われた。その基調講演に、米エヌビディアのジェン・スン・フアン(Jen-Hsun
Huang)社長兼CEOが登壇、またその後に記者会見を開催した。主な発言内容は以下の通り。
- マカフィーが個人向けセキュリティソフトの2010年版メジャーリリース
2010.02.11−マカフィーは10日、個人向け製品を対象に2010年メジャーアップデートの提供を12日から順次開始すると発表した。SaaS形式で提供される統合セキュリティソフトで、業界最高のウイルス検出精度、スキャン速度の325%向上、使いやすい新ユーザーインターフェースなどの特徴を持つ。メーカー製PCへのプリインストール、ISPパートナーのサービスへの組み込み、店頭でのパッケージ販売−の3つのチャンネルで提供される。今年はメーカー製総出荷PCの過半数への搭載、ISPパートナー100社以上との契約、店頭販売シェア10%超の達成を目指していく。
- 富士通が新アプリケーションフレームワーク「INTARFRM」を発表
2010.03.13−富士通は11日、クラウド時代の要請に対応した新しいアプリケーションフレームワーク「INTARFRM」(インターファーム)を開発し、4月1日から提供開始すると発表した。SaaSやクラウドコンピューティングなど、より早く効率的なシステム構築・保守を実現するための技術を取り入れるとともに、既存のIT資産を継続的に発展させ投資効果を高めるためのSOAやモダナイゼーションといった技術も自由に活用できるようにした。富士通グループ全体として今回のフレームワークを活用し、2010年度に5,000ライセンス、2011年度には累計1万5,000ライセンスへの普及を目指す。2012年度以降は海外も含めて飛躍を図ることにしている。
- 東工大・青木尊之教授らが次世代気象モデルのフルGPU化に成功
2010.03.25−東京工業大学は24日、学術国際情報センターの青木尊之教授の研究室において、気象庁が開発中の次世代気象モデル「ASUCA」をGPU(グラフィックプロセッサー)上に完全移植し、約80倍の高速処理を達成したと発表した。天気予報の精度を高めるためには、精密なメソスケール大気モデルを導入するとともに、広範囲を細かな格子で区切って解析することが必要であり、スーパーコンピューターの能力不足が指摘されている。今回の研究は、GPUを並列に使用することで日本全土の6時間分の気象現象の予測を70分の計算時間で完了させたもので、GPUだけで気象シミュレーションを実行したのは世界初の成果だという。科学技術計算に対するGPUの有用性を示した事例としても注目される。
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