CCSニュースファイル
   2013年10−12月

  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」をバージョン32に更新
      2013.10.04−富士通九州システムズ(FJQS)は、オンラインで利用できる「ADMEデータベース」サービスを更新し、バージョン32として10月から提供開始した。ウェブブラウザーにキーワードや化学構造を入力することで、薬物代謝に関する実験データなどを検索することが可能。今回は最新データが追加され、トータルのデータ件数が約10万件に達している。
  • ヒューリンクスがTSUBAMEでバーチャルスクリーニング実用実験
      2013.10.09−ヒューリンクスは、東京工業大学のスーパーコンピューター「TSUBAME」の共用促進事業を利用し、約111万化合物の大規模化合物ライブラリーからのバーチャルスクリーニングを実用実験として実施した。同社が販売権を持っている英クレセット社のスクリーニングソフト「Cresset blaze」を使い、大規模並列処理の有用性を探った。最大で「TSUBAME2.0」の200ノード/2,400コアを使用したが、貴重な経験が得られたという。
  • アクセルリスがケムインフォマティクス向け新クライアントソフト
      2013.10.16−アクセルリスは、研究開発に必要な化合物情報などを扱うケムインフォマティクス向けの新しいクライアントソフト「Accelrys Insight」および「Accelrys Insight for Excel」を開発し、提供開始した。ISIS、Isentris、Accordに対応したデータ検索・閲覧・可視化のための次世代ソリューションで、操作性・柔軟性に優れていることに加え、同社の共通システム基盤である“Accelrys Enterprise Platform”(AEP)を利用した拡張性が最大の特徴。クラウド環境にも適合したソフトとして開発されており、ユーザーの要望を反映させながら、今後も引き続き機能強化が図られるという。
  • アクセルリスが「Discovery Studio」の最新バージョン4.0
      2013.10.23−アクセルリスは、生命科学系統合モデリングシステム「Accelrys Discovery Studio」(ディスカバリースタジオ)の最新バージョン4.0(DS4.0)を開発、提供開始した。シミュレーションによる創薬のための予測的科学を実現するシステムで、計算精度・予測精度をさらに改善するとともに、計算化学の専門家ではない生物系の研究者などにも使いやすくなるよう、操作性を高めている。とくに、今年のノーベル化学賞を受賞したマーティン・カープラス教授が開発したことで知られている分子動力学法(MD)プログラム「CHARMm」の最新バージョンも組み込まれている。
  • 「SciFinder」のAPI機能をラクオリア創薬が導入、国内第1号ユーザーに
      2013.10.25−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)と化学情報協会(JAICI)はこのほど、科学者向け情報検索ツール「SciFinder」のAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)機能を、日本市場で初めてラクオリア創薬が導入することになったと発表した。「SciFinder」の豊富なコンテンツを社内の情報のようにシームレスに活用できるようにするもの。研究効率がアップするとして関心が高まってきている。
  • パトコアの法規制物質判定ソフトをピストイアアライアンスが採用
      2013.10.26−パトコアとハンガリーのケムアクソン社が提供している法規制物質判定システムが、欧米の大手製薬会社などで組織されるピストイアアライアンス(Pistoia alliance)の規制薬物コンプライアンス対応のためのソリューションに選定された。今年の12月には同アライアンスの要求仕様に対応した製品を準備し、全世界で販売開始する。最近、製薬会社は研究の過程で麻薬や向精神薬に該当する化合物を扱うことに神経をとがらせており、パトコアが開発した「CRAIS Checker」(CRAISチェッカー)は国内ですでに多くの実績を持っている。
  • 京都コンステラが新発想の創薬支援システム、PSO法で広大な空間探索
      2013.10.30−京都コンステラ・テクノロジーズは、新しい発想の創薬支援システムを開発、「CzeekD」の商品名で来年4月にパッケージソフトとして販売開始する。従来のバーチャルスクリーニングとはケタ違いの広大な化合物空間(ケミカルスペース)を探索対象とすることができる“de novo”(デノボ)的発想のシステムで、計算化学者向けではなく、一般的な薬化学者の創薬に向けての思考を助けるシステムとして製品化する。
  • CLCバイオジャパンとノーザンサイエンスが新創薬支援ソリューション
      2013.12.12−CLCバイオジャパンとノーザンサイエンスコンサルティング(NSC)は、メディシナルケミスト向けに開発された新しい創薬支援システム「CLC Drug Discovery Workbench 1.0」(CLCドラッグディスカバリーワークベンチ、略称=DDW)を来年2月上旬にリリースする。デンマークに本社を置くCLCバイオが、同じデンマークのモレグロ社を昨年9月に買収して開発を進めていたもので、モレグロが提供していたドッキングシミュレーションソフト「Molegro VirtualDocker」(バーチャルドッカー)の後継製品となる。多機能化されており、ドッキング解析だけでなく、ドッキングを含めたドラッグデザインプロセス全体をサポートすることが可能。
  • 菱化システムが統合分子モデリング最新版「MOE 2013.08」をリリース
      2013.12.13−菱化システムは、生命科学向けの統合分子モデリングシステム「MOE」の最新バージョンである「MOE 2013.08」を国内でリリースした。カナダのケミカルコンピューティンググループ(CCG)が開発しているシステムで、1997年以来の長い歴史がある。製品としてはかなり成熟しているが、毎年ユーザーの要望をきめ細かく取り入れてバージョンアップされており、今回の最新版でもバイオ医薬品開発などの新しい研究テーマに合わせた機能強化が実施されている。ライセンス体系がシンプルなことも特徴で、保守費用だけで新しいプログラムをすべて利用することが可能。
  • 富士通九州システムズが「DDIシミュレーター」の最新バージョン2.3
      2013.12.14−富士通九州システムズ(FJQS)は12日、薬物の併用投与時の薬物間相互作用を予測する「DDI Simulator」(DDIシミュレーター)の最新バージョン2.3を開発し、20日から発売すると発表した。薬物の併用によって薬効や副作用発現の変動が引き起こされるが、最近ではそれが原因で臨床段階や販売後に開発中止・販売停止になる例も目立っている。このソフトを利用すれば、そうしたリスクをあらかじめ回避することが可能。今回の最新版では予測できる範囲や精度をさらに向上させた。価格は年間ライセンスで250万円から。
  • CASとパーキンエルマーが製品連携で協力、SciFinderとChemBioDraw
      2013.12.14−米ケミカルアブストラクツサービス(CAS)と米パーキンエルマーは、このほどそれぞれの化学者向け研究ツール「SciFinder」と「ChemBioDraw」を連携させることで協力すると発表した。ChemBioDrawで構造式を作図し、シームレスにSciFinderを介してCASのデータベースコンテンツを検索することができる。来年初めからこの機能が使えるようになるという。
  • 医薬研究から製造までのビッグデータプロジェクト始動、東大・船津教授ら
      2013.12.18−科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択された「医薬品創薬から製造までのビッグデータからの知識創出基盤の確立」プロジェクト(研究代表者=東京大学大学院工学系研究科・船津公人教授)が始動した。3つの研究グループに分かれ、2018年度末のゴールを目指す。医薬品の研究から製造までの各段階を俯瞰的にとらえ、ビッグデータを活用した知識創出基盤を構築することで、プロセス全体を効率化・高度化させることを狙いとしている。
  • 富士通が東大先端研に「TCクラウド」サービス、IT創薬向けで利用
      2013.12.21−富士通は19日、東京大学先端科学技術研究センター(RCAST)が実施するIT創薬研究向けに、解析シミュレーション用クラウドサービス「TCクラウド」を提供すると発表した。学内の電力使用の制約を超えて大規模な計算環境を使用することが目的で、2014年1月から利用が開始される。富士通では、今回の実績をテコに創薬分野でのクラウドサービスの拡大に弾みをつけたい考え。
  • アクセルリスがアイルランドのQUMASを買収、コンプライアンス強化
      2013.12.27−アクセルリスは、ライフサイエンス業界向けにコンプライアンス対応の専門的な文書管理とプロセス管理ソリューションを提供しているアイルランドのQUMAS社を買収したと発表した。買収額は約5,000万ドル。QUMAS製品は、「Accelrys Enterprise Platform」を共有するELN(電子実験ノート)やLIMS(研究所統合情報管理システム)などと連携し、アクセルリスが推進する科学技術革新ライフサイクル管理(SILM)ソリューションを構成する重要な要素の1つとなる。国内では同社の代理店であるCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)が2011年からQUMAS製品を取り扱っているため、国内の事業体制やユーザー対応に変化はないとみられる。
  • パーキンエルマーのモバイルアプリ 3万本弱がダウンロード
      2013.12.28−パーキンエルマーが今年6月から提供を始めたタブレット端末用アプリのダウンロード実績が明らかになった。アップルのiPad専用で、化学構造式を作図する「ChemDraw for iPad」と、分子の三次元モデルを表示する「Chem3D for iPad」の2種類があるが、最初の25週間で2万8,000本がダウンロードされたという。内訳は、有料のChemDrawが4,100本、あとは無料のChem3Dとなっている。有料のChemDrawでも9ドル99セント(国内では1,000円)と安価であり、数字的には物足りない。まだ認知度が低いためだとみられるが、さらなる普及を期待したい。

 

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • シマンテックがサイバー犯罪レポート2013年版、被害総額1,130億ドル
      2013.10.18−シマンテックは16日、世界24ヵ国のオンラインユーザー1万人以上を対象に調査し、サイバー犯罪の被害状況などをまとめた「2013年ノートンレポート」を発表した。それによると、過去1年間にサイバー犯罪に巻き込まれたユーザーの数は減少したが、被害者一人当たりの被害額が大きく増加している実態が浮かび上がった。とくに、ランサムウエアやスピアフィッシングなどの巧妙な攻撃が増えていることが原因だという。また、タブレット端末やスマートフォンなどのモバイルデバイスについては、セキュリティ意識が低いケースが目立ち、今後の被害の拡大が懸念されるという。
  • 富士通がビッグデータ活用で10種の課題解決メニュー、人材育成も
      2013.10.29−富士通は28日、ビッグデータに関する製品・サービスを体系化した「FUJITSU Big Data Initiative」(ビッグデータイニシアチブ)に基づき、顧客の最適なビッグデータ活用を促す10種類のオファリング(課題解決メニュー)を策定、提供開始したと発表した。実際に手がけた約200件のモデル事例の中から、とくにニーズが高い10種のテーマを選び出したもの。ユーザー企業は、導入効果や実装モデルを具体的にイメージでき、ビッグデータ活用のためのプロジェクトを迅速に進めることが可能。データ活用に精通した人材を社内で育成するための教育サービスも合わせて提供する。同社では、関連事業で今年度に約1,000億円(前年度比66%アップ)の売り上げを見込んでいる。
  • マカフィーが高度な脅威に対応する新セキュリティアプライアンス
      2013.11.01−マカフィーは10月31日、標的型攻撃など高度な脅威に対抗するための新しいセキュリティアプライアンス「McAfee Advanced Threat Defense」(マカフィーATD)を製品化したと発表した。企業向けのソリューションで、ネットワーク上の脅威の検出(FIND)から拡散防止(FREEZE)、修復(FIX)までをエンドツーエンドで対応する。サンドボックスによる動的解析ではみつけられない脅威も、コードの中身を調べる静的解析を通して発見することが可能。出荷開始は11月20日で、価格は1,214万9,860円から。
  • インフォミュートスがヘルスケア産業向け営業支援クラウドサービス
      2013.11.02−インフォコムグループのインフォミュートス(本社・東京都渋谷区、加地秀章社長)は、医薬品・ヘルスケア業界向け営業支援クラウドサービス「DS-SFA」の販売を11月から開始した。多店舗巡回型(ラウンダー)営業という業務の視点で必要な要素をシンプルに組み込んだソリューションで、一般用医薬品、動物薬、医療機器、医薬品卸、化粧品、健康食品などの企業に適している。今後3年間で80社への販売を見込む。

 

 


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