CCSニュースファイル
   2011年7−9月

  • アクセルリスが化学・材料向け高度実験環境ソリューション
     2011.07.01−アクセルリスは、新ソリューション体系“Accelrys Enterprise R&D Architecture”の主要な柱の1つとなる新しいスイート製品「Accelrys Enterprise Lab Management Suite」(ELMスイート)を発表した。研究所における実験プロセスや実験データの管理、分析やレポート作成、研究チーム間のコラボレーション、知的財産の記録、研究ワークフローの追跡と管理などを行うもので、旧シミックス製品を「Pipeline Pilot」(パイプラインパイロット)で統合したソリューションとなる。
  • 富士通九州システムズが「ADMEデータベース」をバージョン23に更新
     2011.07.05−富士通九州システムズ(FJQS)は、「ADMEデータベース」の最新バージョン23を7月1日から提供開始した。化合物の代謝などのADME(吸収・分布・代謝・排出)特性をインターネットで検索できるサービスで、四半期ごとにデータの追加や機能強化が実施されている。文献から収録した非臨床の薬物代謝データが中心だが、昨年からは臨床の薬物相互作用データも増やしてきている。製薬企業における新薬開発や大学教育などの分野で利用されており、年間に30件の新規契約を販売目標としている。
  • パーキンエルマージャパン:青木睦郎新社長が会見、CS統合は来年1月
     2011.07.09−パーキンエルマージャパンは8日、6月1日付で新たに就任した青木睦郎社長が記者会見し、企業戦略などについてあらためて説明した。各種の化学分析機器を環境測定や新材料・医薬品開発、半導体関連などの幅広い分野に提供しているが、「今後は単に機器を販売するだけでなく、トータルソリューション志向に転換し、より進化したビジネスモデルを追及していく」と表明した。
  • 米アクセルリス:フランク・ブラウンCSOら3氏にインタビュー
     2011.07.10−アクセルリスは、シミックスとの合併後1年というわずかな時間で統合化された新しい製品体系“Accelrys Enterprise R&D Architecture”を確立した。計算化学系から情報化学系まで幅広いソリューションを持ち、対象領域を研究分野から開発分野へと広げてきている。6月に開催した「2011 Accelrys Japan User Group Meeting」で来日したフランク・ブラウン(Frank Brown)上級副社長兼CSO(最高科学責任者)、ジョン・マッカーシー(John McCarthy)製品戦略担当副社長、プリンシパルサイエンティストのマイケル・ドイル(Michael J.Doyle)マーケティング担当ディレクターの3氏に近況や今後の戦略を聞いた。
  • 富士通が「SCIGRESS」の最新バージョン2.3、計算手法の強化など
     2011.07.16−富士通は、計算化学統合プラットホーム「SCIGRESS」を機能強化し、最新バージョン2.3としてこのほどリリースした。金属・セラミックス、触媒、半導体・薄膜、高分子・液晶、電池など、材料科学分野を対象とした自社開発の分子モデリングシステムで、今回の最新版ではカーボンナノチューブビルダーの搭載や計算化学エンジンの機能強化などを図った。
  • サイバネットシステムがCCS事業から完全撤退、顧客向けメールで表明
     2011.07.29−サイバネットシステムが、CCS(コンピューターケミストリーシステム)市場から撤退することを表明した。27日付の顧客向けメールで明らかにしたもので、会社全体の経営方針の見直しの結果、CCS関連の全製品の販売を取りやめることにしたという。対象となるのはすべて海外のソフトだが、現時点で国内でこれらを引き継ぐ代理店はあらわれておらず、今後はそれぞれの開発元に直接問い合わせてほしいとなっている。
  • ジーンデータ:オスマン・ファネスCEOインタビュー、大手顧客と強固な関係
     2011.08.02−1990年代終盤から2000年代前半に市場を席巻したバイオインフォマティクスブームが過ぎ去って久しい。当時登場したベンダーの多くはすでに消えているが、スイスに本社を置くジーンデータ社は生き残り、最近の5年間は年平均20%という高い成長を成し遂げている。新薬の研究開発において、ターゲットやリード、バイオマーカーなどの探索のためのソリューションで実績を伸ばす同社のオスマン・ファネス(Othmar Pfannes)CEOに事業の近況や今後の対日戦略について聞いた。
  • パトコアがエーザイからグローバルライセンス、化合物情報管理ソフト
     2011.08.09−パトコアは、創薬研究の基幹情報を管理するためのソフトウエア「JChem Cartridge for ORACLE」のグローバルライセンスをエーザイから受注したと発表した。同時に、国内の研究拠点で利用中の法規制化合物チェックシステム「CRAIS Checker」もグローバルライセンスに移行し、ワールドワイドに利用されることになった。
  • クロスアビリティが量子化学計算の高速化ソリューション、CPU&GPU活用
     2011.08.23−クロスアビリティ(本社・東京都文京区、古賀良太社長)は、計算化学パッケージ「XA-CHEM-SUITE」のさらなる充実を図り、量子化学計算の高速化ソリューションを提供開始した。分子軌道法(MO)プログラムとして有名なGAMESS(米アイオワ州立大学)に対応したアドオンを開発しており、CPUとGPUをダブルで駆使した高速計算を実現できる。一般的なスペックのパソコンでも数倍の高速化が可能だという。同社では今後、量子モンテカルロ法などさらに並列処理に適した計算手法の製品化にもチャレンジしていく方針だ。
  • パトコアが塩野義製薬から化学構造式検索エンジンを受注
     2011.09.08−パトコアはこのほど、塩野義製薬から化学構造式検索エンジン「JChem Cartridge for ORACLE」の国内無制限ユーザーライセンスを受注したと発表した。
  • 米エヌビディアがGaussianのGPGPU対応に着手、3社共同プロジェクト
     2011.09.09−米エヌビディアは、米ガウシアンおよび米PGI(ザ・ポートランドグループ)と共同して、量子化学計算プログラム「Gaussian」のGPU(グラフィックプロセッサー)対応を進めると発表した。ハード、コンパイラー、アプリケーションの3ベンダーが協力することで完成度の高いソリューションが実現すると期待される。
  • ビヨンド・コンピューティングが「MolWorks3.1」用プラグイン提供開始
     2011.09.27−ビヨンド・コンピューティングは、無償で利用できる分子モデリングソフト「MolWorks」を機能強化し、最新バージョン3.1を提供開始した。プログラム本体は無償のままだが、拡張機能をプラグインとして追加できることが特徴で、これを有償で提供(年内は無償)することにより事業として成り立たせていく。外部の計算化学エンジンとのインターフェースや、化学構造式をもとにした物性推算機能などが用意されており、実用性も高い。8月末に米国コロラド州デンバーで開かれたアメリカ化学会(ACS)秋季大会に出展し、海外での普及にも力を注ぐ。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 日本マイクロソフトが次世代クラウドサービス「Office 365」正式スタート
     2011.07.01−日本マイクロソフトは6月29日、公開ベータを実施してきた次世代クラウドサービス「Microsoft Office 365」(オフィス365)を正式版として提供開始したと発表した。オフィスアプリケーションをサブスクリプション方式で利用できることに加え、電子メールやコミュニケーション、情報共有などのためのビジネスソリューションをクラウドベースでいつでもどこからでも活用することができる。料金は、SMB向けのプランPが1ユーザー月額600円から、大企業にも対応できるプランEは同1,000円から。オフィス365は20ヵ国語に対応し、世界の40の国や地域でサービスが開始されているが、国内ではNTTコミュニケーションズ、大塚商会、リコージャパンの3社を「ワンストップクラウドパートナー」として事業展開していく。
  • 日本マイクロソフトが2012年度経営方針、クラウド事業さらなる拡大へ
     2011.07.07−日本マイクロソフトの樋口泰行社長は6日、2012年度経営方針について記者会見した。引き続きクラウドコンピューティングに取り組んで本格的な普及の年にしていくほか、新たにデバイス/コンシューマー分野専門の組織を設け、重点的な強化を図る方針を明らかにした。
  • KDDIと日本マイクロソフトらがWindowsPhone7搭載スマートフォン
     2011.07.28−KDDIと日本マイクロソフト、富士通東芝モバイルコミュニケーションズは27日、最新のスマートフォン用OSであるWindows Phone 7.5 を採用した「Windows Phone IS12T」を9月以降に発売すると発表した。防水・防塵、1320万画素カメラ搭載、32GBメモリー内蔵と高いスペックを採用し、大容量のクラウド型ストレージサービスとの連動など、ビジネスからプライベートまで幅広い用途で活用が可能。KDDIのau携帯電話は、スマートフォンではグーグルが開発したAndroid(アンドロイド)をベースにラインアップを広げているが、「選ぶのはユーザーであり、いろいろな選択肢を用意したい。(Androidとは)異なる良さがあるので、そこを訴求するようなプロモーションを展開していく」(KDDIの田中孝司社長)とした。
  • ダイワボウ情報システムと日本マイクロソフトがスレートPC拡販で協業
     2011.09.07−ダイワボウ情報システム(DIS)と日本マイクロソフトは5日、Windowsを搭載したスレートPC(タブレット端末)の拡販で協業すると発表した。10月1日付けでDIS社内に「Windowsスレート推進センター」を設立し、全国に約1万7,000社のDISパートナーを通して、今後3年間に70万台を販売していく計画。
  • カスペルスキーが個人向けセキュリティソフト2012年版、強力キャンペーン
     2011.09.07−カスペルスキーは6日、セキュリティソフトの最新版「カスペルスキー2012 マルチプラットホームセキュリティ」を9日から発売すると発表した。パソコンのWindowsとマッキントッシュに加え、スマートフォンのアンドロイドにも対応できることが特徴で、3台のデバイスにインストールできる年間ライセンスは7,140円。来日した本社のユージン・カスペルスキーCEOは、「当社は世界3位のシェアを持つセキュリティベンダーだが、日本市場では立ち遅れている。技術の強みに加え、今後はマーケティング面にも力を注ぎたい」として、AKB48の峯岸みなみさんを起用したキャンペーンを開始することも明らかにした。
  • シマンテックがネット犯罪被害額を算定、年間3,880億ドル・毎日百万人
     2011.09.15−シマンテックは13日、個人向けセキュリティ製品の2012年版「ノートン2012」の発売とともに、同社が実施したネット犯罪に関する調査結果を発表した。それによると、直接の被害額1,140億ドルに加え、被害からの回復に要した時間的損失を加味すると、トータルで昨年の被害総額は3,880億ドルに達した。また、インターネットユーザーの65%が過去1年以内に何らかのネット被害にあったと回答している。日本だけを取り出すと、直接の被害額は22億ドル、同様に総計101億ドルに相当する被害が出ていることが明らかになった。

 

 

 


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