CCSニュースファイル
   2000年7−9月

  • 富士ゼロックスがMD計算専用ボードの第2弾を開発
     2000.07.05−富士ゼロックスは、分子動力学法(MD)によるシミュレーション演算を高速化するための専用アクセラレーターボード「MDエンジンU」(商品名)を開発し、販売を開始した。VMEバス対応のボード製品で、VME規格のシャーシに格納し、サン・マイクロシステムズのワークステーションまたはIBM-PC/AT互換パソコンに接続するか、VME規格のCPUボードをフロントエンドにして使用する。最大76ギガFLOPS(1ギガFLOPSは毎秒10億回の浮動小数点演算を実行)の計算能力を発揮することができ、価格は158万円。
  • サンのStarfireがヒト遺伝子数の新しい推測に貢献
     2000.07.06−米サン・マイクロシステムズの大型UNIXサーバーの働きによって、ゲノムの中に含まれるヒトの遺伝子の数が2万8,000から3万4,000であるという新しい発見が得られた。これは、仏ジェノスコープ・シーケンシング・センター(エソンヌ県エブリー)で行われた研究で、仏Gene-IT(本社・モンテソン、ジャン・ジャック・コダーニCEO)のバイオインフォマティクスソフトウエア「LASSAP」を用いた720億回の計算の結果、明らかになったという。この分野での計算サーバーは、コンパックが実績でリードしているが、サンの追い上げも急。バイオインフォマティクス領域は世界的にも投資が拡大しており、受注競争はますます白熱しそうだ。
  • 理経がバイオインフォマティクス製品群を拡充
     2000.07.10−ハイテク専門商社の理経は、バイオインフォマティクス事業を強化し、帝人システムテクノロジー(TST)および島津製作所と販売提携した。日米欧のゲノム研究分野で豊富な実績を持つコンパックコンピュータのアルファサーバーを核に、ソリューションを順次広げていく計画。今回は、TSTが販売権を持つ米タイムロジックの小型遺伝子解析システム「My DeCypher」と、島津製作所のDNAシーケンサー「RISA-384」を中心としたLIMS(ラボラトリー・インフォメーション・マネジメント・システム)を、大学官公庁や製薬会社向けに売り込んでいく。
  • MSIが製品計画を公表、製品体系を刷新へ
     2000.07.12−大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)は、今後の製品戦略の一部を明らかにした。サイード・ザラビアン社長(米ファーマコピアの最高執行責任者を兼務)がインタビューに応えたもので、大量の研究情報を縦横に活用するためデータベース(DB)やインフォマティクス技術を中心に製品体系を刷新させる。プラットホームは、UNIX系から徐々にウィンドウズ系にシフトさせていく。クライアント側のソフトも大きく変わる予定で、3−4年後には新体系が全ぼうをあらわすことになりそうだ。
  • 富士通がネットラボラトリーのコンテンツを急ピッチで拡充
     2000.07.17−富士通が、化学・医薬・材料などの研究者に役立つコミュニティーとして開設したインターネットポータルサイト「ネットラボラトリー・ドット・コム」が6月から正式にサービスを開始し、1ヵ月を経てコンテンツも急速に充実してきた。今年の2月に仮オープンした際にはバイオインフォマティクス関連の話題だけを扱っていたが、現在では「バイオインフォマティクス」「マテリアル」「CAE(コンピューター支援エンジニアリング)」「HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の4つの“研究室”が確立、7月14日からは各研究室に属さない話題を扱う「サロン」もオープンした。各研究室ごとにコーディネーターを置き、さらに内容の充実に務めるとともに、知的情報ナビゲーターや知的情報検索など先端的な情報技術も導入しながら世界中の科学者や技術者、そこに向けたサービスを提供する企業や起業家などが広く集まるサイトに育て上げていく。
  • FQSが個人でも利用可能な化学情報DBサービスを提供
     2000.07.18−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、インターネットで検索可能な独インフォケム社の化学情報データベース(DB)「SPRESI」(スプレッシ)の販売を開始した。これまでのオンラインDBサービスは利用料金が高く、契約の形態も法人や団体向けのものがほとんどだったが、今回のサービスは大学などを含め研究者が個人レベルでも利用できる水準の低料金を狙ったもの。3年間で3,000セットの販売を見込んでいる。
  • TSTがスイス・アップストリーム社の構造異性体発生ソフト
     2000.07.21−帝人システムテクノロジー(TST)は、スイス・アップストリームソリューションズ社が開発した構造異性体発生ソフトウエア「Assemble(アセンブル)」の販売を開始した。化合物の分子式をもとに、可能性のあるさまざまな構造の異性体を自動的に発生させ、実際の計測データを使ったランキング機能によって確からしい構造を絞り込んでいくことができる。スペクトル解析とデータベースの総合システムである「SpecInfo」(独ラブコントロール社)と組み合わせることで、高度な実用性を発揮する。TSTは、この両システムの販売権を持っているため、セットでの販売を推進していく。
  • ネットサイエンスが初のGaussian純正ビューアーWin版を発売
     2000.07.26−住商エレクトロニクスグループのサイネックスは、非経験的分子軌道法プログラムの定番であるGaussian98で利用できる専用グラフィックソフト「GaussViewW」を科学技術系ソフトのショッピングサイト「ネットサイエンス」を通して発売した。ウィンドウズのグラフィック環境で対話的にGaussian98を起動することができ、計算結果をビジュアルに理解することが可能。米ガウシアン社の初のウィンドウズ対応純正グラフィックソフトであり、大きな反響が予想される。
  • TSTが米シュレーディンガーのADME物性予測ソフトを発売
     2000.08.01−帝人システムテクノロジー(TST)は、開発中の化合物が医薬品としてふさわしいかどうかを判断するための物性予測ソフト「QikProp」(商品名)を8月末から発売する。米シュレーディンガー社が開発したソフトで、ADME(吸収・分布・代謝・排出)関連の7種類の物性を高速に予測できる。とくに、胃腸などの人の消化管からの吸収のしやすさをはかる基準となる膜透過係数“Caco-2”の予測機能があり、ファイザーなどの大手製薬会社で有効性が認められたという。UNIX、Linux、ウィンドウズで利用でき、ソフト価格は約200万円。
  • 英OMGが受託研究事業を米ミレニアムに売却
     2000.08.02−欧州最大のコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーである英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)は、コンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)技術などを利用して、製薬会社向けなどに受託研究サービスを提供している「ディスカバリーソリューション事業部門」を、米創薬ベンチャーのミレニアムファーマシューティカル社に売却した。具体的には、OMGの子会社であるケンブリッジディスカバリーケミストリー(旧ケンブリッジコンビナトリアル)の所有権を引き渡したもので、ミレニアムによる買収金額は3,500万ポンドになる。ミレニアムは、メディシナルケミストリーとコンピューテーショナルケミストリーの先端技術を85名の技術者とともに手に入れたことになり、同社の科学者部隊は一気に倍増の150名強に拡大した。
  • 富士通のnetlaboratory.comにガイド役新キャラクターが登場
     2000.08.04−富士通の科学者向けポータルサイト「ネットラボラトリー・ドット・コム」に、ガイド役を務める新キャラクター「アルベルト」が登場した。知識ベースに基づいて状況を判断し、適切な処理を自ら実行する機能を持つ“エージェント技術”を利用したもので、いろいろな話題でユーザーに話しかけたり、おすすめ情報を提供したりしてくれる。文字コンテンツが中心のネットラボラトリーに彩りを添えるキャラだが、今後さらに機能が充実すれば、役に立つ存在になりそう。
  • 英OMGが米ファーマコピアにCCS事業を売却
     2000.08.11−欧州最大のコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーである英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)が、CCSのソフトウエア事業全体を米ファーマコピアに売却する方針を固めた。8月末までに主要株主の同意を得て、約2,700万ドルで売却する。OMGのソフトウエア部門の昨年の売り上げは約1,500万ドルだった。コンビナトリアルケミストリーを中心とする創薬ベンチャーであるファーマコピアは、1998年2月に米モレキュラーシミュレーション(MSI)、今年2月に英シノプシスと相次いで有力ベンダーを買収。今回、分子モデリング、ケムインフォマティクス、バイオインフォマティクスの主要3分野を完全にカバーすることになった。
  • ヒューリンクスが技術系ソフトのショッピングモールを開設
     2000.08.14−ヒューリンクスは、科学技術系ソフトウエアをインターネットで販売するためのショッピングモール「ワトソン君」を開設した。現在、国内のソフトベンダー/ディーラー30社の出店を集めてスタートしており、ソフトウエアは約1,200本が登録されている。ヒューリンクス自身もコンピューターケミストリーシステム(CCS)などの海外の技術系ソフトを長年販売しているが、今回はそうした特定のベンダー色をなくし、広く出店を働きかけている。年内には出店社を300社まで拡大して、国内の技術系ソフトベンダーをほぼ網羅し、技術者や科学者がソフトをオンライン購入する際の定番のサイトに育てていく考えだ。
  • TSTが米ネオケムと提携しケムインフォマティクスに進出
     2000.08.16−帝人システムテクノロジー(TST)は、米グロトン・ネオケム社(本社・マサチューセッツ州、ジョージ.E.バリンジャー社長)と販売代理店契約を締結し、ケムインフォマティクス分野のシステムインテグレーション(SI)事業に本格的に進出した。ネオケムのデータベース(DB)管理システム「NeoLink/cc」は、NMR(核磁気共鳴)やMS(質量分析)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)などの分析装置のデータをDB化し、それらと化合物情報との統合管理を実現するシステム。コンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)技術を利用した創薬システム環境を改善することができる。TSTでは、ユーザーの要望に合わせ、カスタマイズやインテグレーションを行って納入する。ソフトウエアの価格は標準的なカスタマイズ込みで1,000万−3,000万円。
  • 米IBMがライフサイエンス事業部門を新設
     2000.08.18−米IBMは、ライフサイエンス事業部門を新設し、この分野に今後3年間で1億ドルの初期投資を行うと発表した。この資金は、バイオインフォマティクスのためのソリューション開発と企業提携に使用される。同社は、ライフサイエンス向けのIT(情報技術)市場が、現在の35億ドルから2003年には90億ドル以上に成長すると予測しており、これを戦略的重点市場の1つに取り上げていく計画だ。
  • 米シュレーディンガーが新薬開発用スイートを年末に製品化
     2000.08.24−計算化学を中心とした米国のコンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーであるシュレーディンガー社は、年末をめどに新薬開発のためのスイート製品群を製品化する計画を明らかにした。たん白質(受容体)と低分子(薬物分子)の相互作用を解析するための一連のソフトウエアがセットになっている。ここ数年、CCSのアプリケーションは医薬偏重の傾向が続いており、シュレーディンガーとしても新薬開発を明確にターゲットにした製品の必要性を感じていたと考えられる。
  • ヒューリンクスが米テキストコのクローニング研究ソフトを発売
     2000.08.29−ヒューリンクスは、米テキストコ(本社・ニューハンプシャー州、ロバート.H.グロス社長)と総代理店契約を締結し、パソコン上で遺伝子のクローニング実験を行うためのソフトウエア「ジーンコンストラクションキット2(GCK2)」(商品名)を販売開始した。バイオの知識を持つ専門のサポート要員を採用し、すでにマニュアルの日本語化を行ったほか、プログラム自体の日本語化も進めている。同社は化学/医薬分野のパソコン版研究用ソフトを多数扱っているが、これを機に遺伝子/バイオ領域での事業展開を拡大させていく。
  • 米MSIが材料系CCS事業でコンパックと包括的提携に合意
     2000.09.01−大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)は、材料設計向けCCS事業で米コンパックコンピュータと業務提携を結んだ。まずは、材料系CCSの新製品「マテリアルスタジオ」(商品名)をコンパックマシン向けに提供していくほか、新しいコンピューター利用技術の共同開発や、コンパックマシン上でのソフト開発と動作テスト、両社製品の共同マーケティングの実施などを含め、包括的な提携関係に発展させていく考えだ。
  • 米MSIがサン・マイクロと遺伝子ASPサービス強化で提携
     2000.09.06−大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)は、ドットコム分野で米サン・マイクロシステムズと提携した。ゲノム情報を利用した新薬開発のためのケムインフォマティクスおよびバイオインフォマティクス関連のソフトウエアを、サンのUNIX系OS(基本ソフト)であるソラリス上に移植する。今回の提携には、サンのエンタープライズサーバーを使って遺伝子関連のASP(アプリケーションサービスプロバイダー)事業を展開している米ダブルツイスト社もかかわっており、MSIのソフトウエア技術をインターネットを通してさらに強力な環境で提供することが狙いとなっている。
  • 富士通が創薬、材料開発支援などで総合ソリューション体系確立
     2000.09.06−富士通は、コンピューターケミストリーシステム(CCS)を中心とした創薬研究や材料開発などのソリューションサービスを体系化し、「@R&D VISION」(R&Dビジョン)の名称で提供を開始した。ソリューション製品の総合体系である“ソリューションビジョン”の新しいメニューの1つとして製品化したもので、同社が今年の6月から本格的にスタートした研究開発支援のためのドットコムサービス「netlaboratory.com」を下敷きにしたものとなっている。最適な研究環境を実現するためのコンサルティングサービス、パッケージソフト、専任要員によるサポートサービス、運用アウトソーシングにより、基礎研究から応用研究、製品化までの効率化を支援していく。今後3年間で150億円の売り上げを見込む。
  • コンビナトリアル材料科学の独hteが日本でビジネスを開始
     2000.09.07−コンビナトリアル材料科学とハイスループット実験(HTE)の専門技術会社である独hte社(本社・ハイデルベルグ、ディルク・デームート社長)が、日本国内におけるビジネスを開始した。とくに、新規の触媒開発にフォーカスしており、触媒研究のアウトソーシングサービスをさまざまな形で提供する。このほど、日本の大手化学・触媒メーカー7社、4つの大学・研究機関を個別訪問し、最初のプロポーザル活動を行った。従来の触媒開発は経験的な知識に基づいていたが、hteの手法は大量の実験をハイスループットで実施することにより、候補化合物の探索範囲を大幅に広げるというもの。国内にはない技術であり、大きな反響が予想される。
  • 日立製作所が米モルソフトの創薬支援統合システムを発売
     2000.09.13−日立製作所・ライフサイエンス推進事業部は、米モルソフト社(本社・カリフォルニア州、マルガリータ・アバギャンCEO)と提携、ペプチド構造予測やたん白質のホモロジーモデリング、バイオインフォマティクス解析機能など、新薬開発のための総合支援システム「ICM」(インターナル・コーディネート・メカニクス)の国内における独占販売権を取得した。同時に、このシステムを有効活用するためのSI(システムインテグレーション)サービスも提供していく。ソフト価格は、フル機能の年間使用料金で400万円。年間約50本の販売を計画している。
  • 富士通がnetlaboratory.comに新メニューで有料サービスを追加
     2000.09.14−富士通は、科学者・技術者向けのドットコムサービス「ネットラボラトリー・ドットコム」を強化し、18日から有料のプレミアム会員向けサービスを開始する。無料で提供している現在のサービスに加え、研究に役立つソフトのダウンロードやメールを使った技術相談など新しいサービスメニューを拡充していく。有料サービスを受けるためにはあらためてプレミアム会員として登録する必要があり、会費は月額1,050円。3年後に2万人、将来的に10万人の有料会員を見込んでいる。
  • 住商エレが毒性DBなどサイビジョン新製品2種を発売
     2000.09.18−住商エレクトロニクスは、化合物の毒性やいわゆる環境ホルモン(内分泌かく乱物質)に関する情報を収集したデータベース(DB)システム「TOXSYS」、および化合物の構造と活性の相関を自由に解析できる「QSARIS」−の2製品を発売した。どちらも米サイビジョン社が開発した新システムで、医薬品の開発に役立てることができる。コンピューターケミストリーシステム(CCS)の世界では、ADME(吸収・分布・代謝・排出)/毒性などの物性予測に注目が集まっているが、精密な予測を行うための基礎データがまだまだ不足しているのが現実。同社では、まずDB利用が先行するとみて、積極的な提案活動を進めていく。
  • ユサコが独MDLのCrossFire2000化学DBシステム最新版
     2000.09.19−ユサコは、独MDLインフォメーションシステムズ社の化合物情報/反応情報データベース(DB)システムの最新製品「CrossFire2000」(クロスファイアー2000)の国内販売を開始した。データが最新版に更新され、検索速度などの基本機能が向上したほか、とくに高機能のDBを効率良く検索・利用するために利用者をサポートする機能が強化されている。MDLの専用サイトに接続して利用するインターネット版と、ユーザーがDBを社内に導入して利用するイントラネット版があり、年間使用料は標準的なクライアント数で700万−800万円。
  • KGTがQ-Chem2.0を発売、触媒など材料設計分野へ対応
     2000.09.25−ケイ・ジー・ティー(KGT)は、米キューケム社の非経験的分子軌道法ソフト「Q-Chem」(商品名)の最新版2.0を10月から販売開始する。とくに今回、計算手法としてECP(有効コアポテンシャル)などに対応し、金属を含む系を分子軌道計算(MO)で扱うことが可能になった。このため、アプリケーションの用途が広がり、触媒など材料設計分野の研究への応用が期待されるという。対応するOS(基本ソフト)はUNIXで、ソフト価格は新発売キャンペーンとして、当面は民間向け50万円、アカデミック35万円で販売する。国内での出荷開始は11月から。
  • 米ファーマコピアのOMG買収が完了、新戦略10月末にも
     2000.09.26−米ファーマコピアによる英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)の買収が完了した。日付は9月6日で、次いで9月22日にOMGの臨時株主総会が開催され、共同清算管財人と社名変更に関する提案が行われたのち、ロンドン証券取引所における株式の売買も正式に停止された。一方、ファーマコピアはOMG統合にともなう新組織・新体制、新たな製品計画などの基本方針を10月末をめどに確定させる予定。懸案となっている日本での販売体制などについても年内には決定したいとしている。
  • 米サンがバイオインフォマティクス戦略強化でベンダー支援制度
     2000.09.27−米サン・マイクロシステムズは、バイオインフォマティクス戦略を強化し、この分野のソフトベンダーやサービスプロバイダーのビジネスを支援する「サン・ディスカバリー・インフォマティクス・プログラム」をスタートさせた。同時に、バイオインフォマティクス領域の技術面でのブレーン役を務める外部の専門家からなる「サン・インフォマティクス・アドバイザリー・カウンシル」を組織した。サンは、とくに今年になってから各種のアライアンスを通してこの市場に対する戦略を段階的に強化してきているが、今回の支援制度と委員会の設立は、バイオインフォマティクス市場に対する長期的なコミットメントとして位置づけられよう。
  • 富士通がnetlaboratory.comでバイオ関連ニュース配信を開始
     2000.09.28−富士通は、研究者/技術者のためのコミュニティとして開設しているドットコムサービス「netlaboratory.com」の新サービスとして、欧米を中心にしたバイオ、創薬、医療に関するニュース配信サービスを開始した。世界中の200以上の情報源から集められた数多くのニュースのなかから、専門のスタッフによって厳選された情報を毎日(月曜日から金曜日まで)提供するというもの。閲覧は無料で、netlaboratory.comの会員になる必要もない。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 日本HPがNT/UNIX向け新型グラフィックボード
     2000.07.05−日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、UNIXおよびウィンドウズNTワークステーション用の新型グラフィックボードを開発、これを搭載したシステムの販売を開始した。ウィンドウズNTマシンに装着する「HP VISUALIZE-fx5/fx10」と、UNIXマシンに装備できる「HP VISUALIZE-fx5 Pro/fx10 Pro」があり、それぞれミッドレンジとハイエンドのグラフィックを実現している。グラフィックアーキテクチャーを一新しており、以前からのCADなどの処理に加え、CG(コンピューターグラフィックス)制作に適したパフォーマンスを発揮できるようになった。
  • 日本SGIがビジネスLinux事業強化でグループ結成
     2000.07.06−日本SGIは、Linux事業のビジネス分野への展開を強化するため、Linux分野の有力ソリューションベンダー、システムインテグレーターと提携し、“SGI Linux ソリューションズ・コミュニティー”を結成し、ニイウス(末貞郁夫社長)、UDBジャパン(目次徹也社長)、大塚商会(大塚実社長)、テンアートニ(角田好志社長)との5社によるアライアンス体制を構築した。今後、パートナーを拡大するとともに、システム構築からコンサルティング、教育サービスまでをパックしたソリューションパッケージ製品を毎月1本のペースで提供していく。SGIでは、Linux関連で初年度50億円の販売を見込んでいる。
  • NECが個人ユーザー向け 121ware.com サイトを開設
     2000.07.19−NECは、インターネットを利用して個人のパソコンユーザー向けの総合的なサービスを提供し、きめ細かなワン・ツー・ワン・マーケティングを実施することを狙いとした専用ウェブサイト「121ware.com」(http://121ware.com)を18日から開設した。同社は4月からパーソナル向け事業を「NECソリューションズカンパニー」の事業分野として集約化して展開する体制をとっており、その事業理念を“iSolution”の名称でまとめた。今回のサイトはそれを支えるサービス&サポート体系の基盤となるもので、個々のユーザーに特化したサービスを徹底的に掘り下げていく考え。また、この中で同社として初めてウェブ直販にも乗り出すことにしており、その成果が期待される。
  • TSTとインフォコムが来年1月に合併、eビジネス拡大を狙う
     2000.07.27−帝人システムテクノロジー(TST、本社・大阪市中央区、有馬市郎社長)と日商岩井グループのインフォコム(本社・東京都港区、沼惇社長)が2001年1月1日で合併することが決まった。それぞれの親会社である帝人とアイ・ティー・エックスの両社が基本合意したもの。合併後の新会社は、ウェブ対応のビジネスシステムとモバイルインターネットを組み合わせるなどのeビジネス分野をターゲットに事業活動を強化していく。社名は「インフォコム」となり、2001年3月期の決算をベースにして株式上場を目指す予定。
  • 日本オラクルがOracle8iエンタープライズ版をLinux対応
     2000.08.23−日本オラクルは、Linuxの本格的なビジネス需要に道をつけるため、基幹アプリケーション向けのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)最新版「Oracle 8i エンタープライズエディション for Linux リリース8.1.6」を8月30日から出荷開始すると発表した。ミッドレンジの「同ワークグループサーバー for Linux リリース8.1.6」も9月中旬から出荷する。同社がエンタープライズ版をLinuxに対応させたのは初めて。ソフト価格はウィンドウズ版と同じで、160万円(同時8ユーザー)から。
  • インフォテリアがXMLデータ変換ソフトでDB2をサポート
     2000.08.25−XML専門ベンダーのインフォテリア(本社・東京都品川区、平野洋一郎社長)は、データベース管理システム(DBMS)とXMLとの容易なデータ交換を実現できるようにする「iConnector」(商品名)の最新版2.0を9月19日から発売する。とくに、eビジネスの中核的DBMSとして人気のあるIBMの「DB2」(同)に対応させた。DB2は汎用コンピューターからパソコンまで、IBM以外の主要プラットホームも含めた異機種混在環境でも使いやすいので、B to Bの企業間eビジネスの実現に最適だという。
  • シスコシステムズが無線LAN製品など中小企業向け新販売網を構築
     2000.08.30−シスコシステムズは、無線LAN製品「シスコ Aironet(エアロネット)340シリーズ」で新しい販売戦略を導入し、中小企業向けのリテールマーケットに本格的に進出する。大手パソコンディーラーであるダイワボウ情報システムとソフトバンクコマースの2社を認定ディストリビューターに起用し、両社のチャンネルを通して製品を広く市場に供給していく。9月から新しい販売網を本格的に始動させ、AVVIDアーキテクチャー対応LANスイッチの「Catalyst(カタリスト)3524-PWR XL」や、中小規模オフィス向けISDNルーター「Cisco 811/813」もこのルートに乗せていく。
  • iPlanetがJava2EE完全対応のインターネットアプリケーションサーバー
     2000.09.07−iPlanet eコマース・ソリューションズジャパン(末次朝彦代表)は6日、オンラインショッピングやネット証券取引、インターネットバンキングなど大規模なeコマースアプリケーションを構築するのに最適なインターネットアプリケーションサーバーソフトウエア「iPlanetアプリケーションサーバー6.0」の日本語版を発表した。10月からパートナー企業を通じて販売を開始する。旧ネットスケープ社のアプリケーションサーバーの後継製品で、Java2 プラットホーム・エンタープライズエディション」(J2EE)の認定テストに合格した世界で最初の製品に当たる。価格は、CPUライセンス方式で100万円からと、エントリーユーザー層にも配慮した。
  • 日本オラクルがOracle8i連携のインターネットアプリサーバー
     2000.09.08−日本オラクルは7日、eビジネスを実現する機能を包括的に備えたインターネットアプリケーションサーバー製品「オラクル・インターネットアプリケーションサーバー8i」(Oracle 8iAS)の日本語版を9月27日から発売すると発表した。Java2 エンタープライズエディション(J2EE)フルサポートなどの基本機能に加え、ウェブ対応のデータベース(DB)サーバーとして高いシェアを誇る「Oracle 8i」との親和性・統合性を重視している。ソフトウエアのライセンス体系も刷新しており、価格はペンティアムV(500MHz)のPCサーバーの場合で50万円となっている。
  • インター・タッチがプリンスホテルにVDSL客室インターネット接続サービス
     2000.09.19−インター・タッチ ジャパン(本社・東京都台東区、吉崎夏来代表取締役)は、出張などのビジネスマン向けに高速のインターネット接続サービスを提供する同社の高速VBN(ビジターベースドネットワーク)システムをプリンスホテルに導入した。VDSL(ベリーハイビットレート・デジタル加入者線)方式の高速接続が可能で、客室および宴会場・会議室などからインターネットが自由に利用できるようになる。ハードウエアはスリーコムジャパン、インターネットプロバイダーにNTTコミュニケーションズが採用されている。利用料金は、1日当たり1,500円。
  • エー・アイ・ソフトが消費者向けドットコムサービス「ai2you.com」
     2000.09.21−エー・アイ・ソフト(本社・長野県松本市、北沢昇社長)は、パソコンの個人ユーザーを対象にしたドットコムサービス「ai2you.com」(アイツーユー・ドットコム)を12月からスタートさせる。「インターネットとメールしかやらないユーザーに、パソコンの楽しさや可能性を知ってもらい、周辺装置を含めてもっとパソコン活用を広げる手助けをしたい」(北沢社長)のが目的で、当初は同社のパッケージソフト製品と連動するサービスを提供するが、順次サービス内容を拡張し、映画や画像・出版などのメディア関係、パソコンソフト・ハードなどの販売関係、銀行・金融などの生活関連など幅広いパートナーを取り込んでいく。

 

 


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