CCSニュースファイル
   1999年1−3月

  • CCS特集

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1999.01.08−コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの日本MDLインフォメーションシステムズとCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、ハイスループットスクリーニング(HTS)などのアッセイデータの解析に威力を発揮するソフトウエア「スポットファイヤー・プロ」(商品名)の販売を開始した。米MDLが1998年11月に、米スポットファイヤーから化学・生物分野における全世界の独占販売権を取得したことにともない、国内でも本格的に発売する。膨大なデータの中に隠れた有用な相関関係や意味のある情報を探り当てる“データマイニングツール”の一種で、パソコンのウィンドウズ環境で利用できる。標準構成のソフト価格は約100万円から。

1999.01.12−住商エレクトロニクスは、米トライポスが開発した新薬開発向けCCS(コンピューターケミストリーシステム)の最新版「SYBYL6.5」(商品名)の販売を開始した。とくに、たん白質の構造情報を新薬開発に応用する手法を強化しており、基本モジュールのソフト価格は700万円から。シリコングラフィックスのUNIXワークステーションで利用できる。

1999.01.18−CRC総合研究所は、パソコン上で利用可能なコンピューターケミストリーシステム(CCS)「SPARTAN」(スパルタン)を教育市場に普及させるための新戦略として、全国の主要大学と共同したセミナープログラムを開始した。具体的には各大学が主催する公開セミナーとタイアップして、いろいろな大学の教育関係者などを対象に、CCSを利用した化学教育のやり方を提案しようというもの。1998年10月に大阪大学と協力して実施したところ、希望者が多数でニーズにこたえられなかったため、今後も継続的に開催していくことを決めた。ここ数年、大学におけるCCS教育の必要性が指摘されており、その意味からも意義深い取り組みといえそう。

1999.01.19−日本MDLインフォメーションシステムズは、有機合成の際に必要な試薬を効率良くみつけ出すためのデータベースアプリケーション「リージェントセレクター」(商品名)を、このほど日本国内で発売した。物性や価格、サプライヤーなどの情報をもとに、25万件の試薬情報の中から必要な製品を絞り込むことができる。新薬の研究開発で注目されているコンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)に対応しており、試薬の発注・購買システムや在庫管理システムとの連携も可能。統合化学情報管理システム「ISIS」のアプリケーションとして動作し、クライアントにはウィンドウズおよびマッキントッシュが利用できる。

1999.02.25−コンピューターケミストリーシステム(CCS)最大手の米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)は、“コンビナトリアル材料科学”分野に進出し、新薬の開発に利用されているコンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)技術を、触媒や分離、ポリマー、超分子などの材料開発分野に応用するための技術サービス事業を2 −3ヶ月以内をめどに立ち上げる。“ハイスループット実験”(HTE)と銘打ち、96穴マイクロプレート上で大量の物性試験を高速に行なおうというもの。ユーザー企業に対し、個別の受託研究あるいは共同研究の形で技術およびサービスを提供する。この分野では1995年設立のベンチャーである米シミックスが先行しているが、MSIでは早期にキャッチアップを図っていく考えである。

1999.03.03−米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)はこのほど、コンピューターケミストリーシステム(CCS)の中心的プラットホームをUNIXからウィンドウズNTを中心としたパソコンへ徐々にシフトさせる計画を明らかにした。ポリマーモデリング分野を皮切りに、2年後をめどに統合型材料設計支援システム「CERIUS2」の全部の機能をNT上で提供する予定。まずは、今年後半に非晶状態のポリマーのモデルビルダーをNT用として製品化する。

1999.03.09−NECは、米ガウシアン社の非経験的分子軌道法プログラム「GAUSSIAN」専用のグラフィックソフトウエア「MolStudio」を機能強化し、最新版リリース2.0を4月15日から発売する。既存ユーザーの要望を取り入れ、ウィンドウズ版GAUSSIANへの対応、操作性の改善など、実用性がさらに向上している。ウィンドウズ95/98/NTで利用でき、価格は7万円。バージョンアップ料金は3万円で、合わせて年間500本の販売を見込んでいる。

1999.03.11−ソニー・テクトロニクスは、英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)の分子モデリングシステム「CAChe」の最新機能として、豊橋技術科学大学の大澤映二教授らのグループが開発した配座空間探索プログラム「CONFLEX」を統合して製品化し、販売を開始した。オプションプログラムとして提供され、価格はウィンドウズ/マッキントッシュ版が15万円、SGI/IBMのサーバー版が25万円から。CACheには各種多数の計算機能が組み込まれているが、日本製のプログラムが内蔵されるのは初めて。これにより、CONFLEXは世界中で販売されることになる。

1999.03.25−帝人は25日、米国のコンピューターケミストリーシステム(CCS)最大手であるモレキュラーシミュレーションズ(MSI)と折半出資で1992年に設立した帝人モレキュラーシミュレーション(TMSI)の株式を譲渡し、合弁を解消したことを明らかにした。今後は、情報事業子会社の帝人システムテクノロジー(TST)を中心にしてCCS事業戦略を再編成し、バイオインフォマティクス関連や創薬支援のシステムビジネスに力を入れていく。

1999.03.25−富士通は1999年3月25日、世界的に広く使われている分子軌道法(MO)ソフトウエアの最新版として、低分子化合物から1万原子からなる巨大分子までの電子状態をシミュレーションできる「MOPAC20000」(商品名)を開発、26日から国内および海外での提供を始めると発表した。MO計算は一般的には100原子ほどの系を計算するのが限界だといわれているが、今回の製品によりたん白質やポリマーなどの巨大分子を対象とした計算機実験に道を開いたことになる。ソフト価格はUNIX版が80万円、ウィンドウズ版が40万円で、2年間で1,000本の販売を見込んでいる。

1999.03.26−帝人システムテクノロジー(TST)は、米シュレーディンガー(本社・ニュージャージー州、ウエイン.C.ガイダ社長)が開発・販売している分子設計支援システム「MacroModel」(商品名)を日本市場で独占的に販売する契約を締結した。米コロンビア大学のクラーク・スティル教授らのグループが開発し、大学から販売されていたシステムで、シュレーディンガーは1998年8月に開発陣と販売権をそっくり取得した。国内では94年から旭化成情報システムが販売していたが、TSTが既存ユーザーのサポートも含めてそれを引き継ぐ形になる。TSTでは初年度1億円の売り上げを見込んでいる。

1999.03.31−米国の大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーであるモレキュラーシミュレーションズ社(MSI)の日本国内における新しい販売体制が31日までにほぼまとまった。帝人との合弁の「帝人モレキュラーシミュレーション」を100%子会社化するにともない、抜本的な代理店網の再編成を進めていたもの。それによると、菱化システムが独占販売元となり、その下でいくつかの代理店が活動する形となる。MSIは、旧ポリジェンや旧バイオシムなどのCCSベンダーを合併しながら拡大してきたが、国内ではそのたびに代理店が増える格好となり、以前から代理店間でも販売窓口が多すぎるとの指摘があった。

1999.03.31−富士通は、コンピューターケミストリーシステム(CCS)で米国のベンダーと相次ぎ業務提携した。分子軌道法プログラム「MOPAC2000」に関して、米シュレーディンガーに北米市場における独占販売権を供与、加ハイパーキューブとはインターフェースプログラムの開発で提携した。これを機に、海外での事業活動を本格化させていく。


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