CCSニュースファイル
   2003年4−6月

  • CCS特集2003年春

総論:昨年の市場動向

インタビュー:豊橋技術科学大学・船津公人助教授(コンピュータ化学会学会賞受賞)

主要ベンダー各社の戦略:アクセルリスアダムネットアドバンスドテクノロジーインスティテュートベストシステムズ日本バイオ・ラッド ラボラトリーズコンフレックスCTCラボラトリーシステムズダイキン工業富士通九州システムエンジニアリング富士総合研究所富士通日立ソフトウェアエンジニアリング日本ヒューレット・パッカードヒューリンクス医薬分子設計研究所インフォコムトムソンISI/トムソンダウエント日本電子データム日本総合研究所エルエイシステムズ日本MDLインフォメーションシステムズ三井情報開発ナノシミュレーションNECNECソフト菱化システム住商エレクトロニクスサイエンス・テクノロジー・システムズウェイブファンクション (アルファベット順)

 

  • 医薬分子設計研究所がゲノム創薬支援システム販売で日本IBMと提携
     2003.04.04−医薬分子設計研究所(略称=IMMD、本社・東京都文京区、板井昭子社長)は、独自開発したゲノム創薬支援情報システム「KeyMolnet」の販売に関して日本IBMと提携した。特別価格のIBM製ハードウエアおよびミドルウエア製品群をセットにしたパッケージとして提供していく。たん白質・生体内物質・遺伝子・疾患・医薬に関する情報をリンクさせ、相互に関連付けた情報を引き出すことができるのが特徴で、システム一式の価格は同時使用5クライアントの年間ライセンス料が3,000万円から。
  • 富士通が複数遺伝子間の関連性を探索するマイニングソフト開発
     2003.04.10−富士通は9日、複数の遺伝子相互の関連性を探索するためのソフトウエア「Xminer」(エックスマイナー)を開発、販売を開始すると発表した。独自につくり上げた6億6,000万件の情報を持つ遺伝子辞書“コネクションインデックス”を用いて、関連情報を瞬時に引き出し、さまざまな角度から有益な情報だけを絞り込むことができる。米NCBI(国立バイオテクノロジー情報センター)が収集しているデータを網羅的にカバーしており、研究効率を5倍以上に高めることができるという。まずは個人向けツールを25万円で売り出すが、今年の夏には企業内のデータや既存システムとの連携を可能にしたエンタープライズ版を用意する。このようなコンセプトの製品は世界でも初めてだとしており、海外も含めた拡販を目指していく。
  • 日本総研が土井プロの商用版J-OCTAのアルファリリースを開始
     2003.04.18−日本総合研究所は、高分子材料設計支援システム「J-OCTA」(商品名)のアルファ版をリリースした。昨年3月まで実施された経済産業省の大学連携型プロジェクト「高機能材料設計プラットホームの開発」(通称・土井プロジェクト)の成果の商用化を目指したもので、予約販売という形で協賛企業を募って開発を推進中。3年間で最終的な商用版を完成させる。今回リリースしたのは初年度の開発成果を盛り込んだアルファ版で、使いやすさが大幅に向上した。今回は土井プロジェクト参加企業の中ですでに予約している10社ほどに提供されたが、来年のベータ版では新規企業を含めて20社以上への提供を見込んでいる。
  • 物質・材料機構が材料DB事業を刷新強化、JSTから6つのDBを移管
     2003.04.25−物質・材料研究機構(NIMS)は、4月から材料研究・開発に役立つデータベース(DB)を大幅に拡充・整備し、新たな体制でサービスを開始した。専門組織の「材料基盤情報ステーション」(八木晃一ステーション長)を設立し、「NIMS物質・材料データベース」の名称で11種類のDBをインターネットで無償公開している。そのうちの6種類はこのたび科学技術振興事業団(JST)から移管されたもので、公開と合わせてデータを追加・更新する事業にも継続的に取り組んでいく。ステーションでは、実際の材料開発に役立つDBとして、企業などに広く使われることが最も重要だと認識しており、内外の利用機関との共同研究などを促進していく計画だ。
  • ヒューリンクスが分子軌道法ソフトの最新版Gaussian03を発売
     2003.05.03−ヒューリンクス(本社・東京都渋谷区、滝沢治雄社長)は、米ガウシアン社が開発した非経験的分子軌道法ソフトの最新版「Gaussian03」(商品名)の販売・出荷を開始した。計算化学の定番といえるソフトで、1997年に発売されたGaussian98以来の約5年ぶりのメジャーバージョンアップに当たる。新しい計算理論の追加やアルゴリズムの改良、高速化がバランスよく実施されており、結晶や高分子などの大きな系にも対応することが可能。分子軌道法の応用領域を広げるものと期待される。最新版の投入で前年度の2倍の売り上げを目指す。
  • 住商エレが米インナフェーズのADME試験管理システムを発売
     2003.05.14−住商エレクトロニクスは、米インナフェーズ社(本社・ペンシルバニア州、ジョー・ウェッバー社長)が開発したADME(吸収・分布・代謝・排出)試験管理システム「ワトソンLIMS」(商品名)を販売開始した。非臨床および臨床分野の薬物動態試験のプロトコル作成から測定の実施、結果データの取り込み、データ解析、レポート作成までの業務全体を効率化することができる。ウィンドウズとオラクルのクライアント/サーバー環境で利用でき、ソフト価格は2,000万円から。製薬会社や臨床試験受託機関(CRO)向けに、初年度5システムの販売を見込んでいる。
  • コンフレックスが国産配座探索システムCONFLEXを米国で販売
     2003.05.19−独立系コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーのコンフレックス(本社・横浜市中区、大田一男社長)は、豊橋技術科学大学の後藤仁志助教授らのグループによって開発された分子構造の配座探索システム「CONFLEX」(商品名)の米国での販売を開始した。このほど、米ネットライアンス社(本社・カリフォルニア州、アリス・ワン社長)と販売契約を締結、同じオフィス内にコンフレックスのサンディエゴ事務所も開設した。純国産のCCSが海外で販売される例はまだ少なく、反響が注目される。
  • ABINIT-MPバイオステーションのユーザー会が設立、開発へフィードバック
     2003.06.07−国立医薬品食品衛生研究所の中野達也博士(主任研究官)らの研究グループは、量子化学理論に基づいてたん白質と薬物分子との相互作用を解析するシステム「ABINIT-MPバイオステーション」の実用化を目指し、実際の利用者の意見や要望を集め、システムの普及と浸透を図るためのユーザー会を本格的に運営開始した。これは、文部科学省ITプログラムの「戦略的基盤ソフトウエアの開発」プロジェクトの一環として開発されているシステムで、2006年度に完成の予定。実際に使用できるバージョンはすでにできあがっており、さらに開発を進めつつ実用性を高めるのが狙い。
  • 富士通がWinMASPHYCの簡易コンサルティングサービスを開始
     2003.06.10−富士通は、分子動力学法(MD)の独自ソフトウエア「WinMASPHYC」(商品名)を利用した材料研究を支援するための簡易コンサルティングパックを製品化した。実際の研究テーマへの適用などに関して個別のサポートを実施し、ソフトを十分に活用できるように専門コンサルタントがていねいに面倒をみる。MD法は半導体や液晶、電池などの新材料開発に利用できるが、使い方が難しく、計算化学の初心者には敷居が高いともいわれる。同社では、低価格のコンサルティングサービスを提供することでソフト自体の価値を高め、一層の普及を促す考えだ。
  • 日本総研がJ-OCTAのグリッドコンピューティング対応で日本IBMと提携
     2003.06.12−日本総合研究所は、材料設計支援システム「J-OCTA」(商品名)のグリッドコンピューティング対応を進めるため、日本IBMと技術およびマーケティングの両面で提携した。IBMの日米欧にまたがるグローバル拠点を結んだグリッド検証施設を利用し、日本IBMと共同で実際にこの環境にJ-OCTAを移植して稼働させ、性能や問題点などを検証、製品化に結びつける。同時に、共同でのセミナー開催などのプロモーション活動も展開。 J-OCTAの普及に向けて、強力なパートナーシップを推進していく。
  • 米MDLが米サイテジック製データマイニングツールの販売権を取得
     2003.06.13−大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの米MDLインフォメーションシステムズは、データマイニングツールベンダーの米サイテジックと戦略提携を結んだ。創薬研究に最適な機能を備えた「パイプラインパイロット」(商品名)の販売権を取得、全世界のライフサイエンス市場で製品とサービスを提供していく。国内では、菱化システムが代理店として2年前から販売していたが、米国での提携にともない、国内の販売元も日本MDLインフォメーションシステムズに交代した。ただ、既存ユーザーのサポートに関しては、年内は菱化システムが継続する。
  • ベストシステムズとGRIがドッキングシミュレーション向けグリッドを販売
     2003.06.14−ベストシステムズ(本社・茨城県つくば市、西克也代表取締役)とグループ会社のグリッド総合研究所(GRI、本社代表者同じ)は、スペインのグリッドシステムズ(ジョーン・マッソ社長)と販売代理店契約を締結、企業などのイントラネット環境でグリッドコンピューティングを実現する「innerGRID 2.0」(インナーグリッド)の販売を開始した。とくに、ポストゲノム研究分野で注目されている薬物分子とたん白質とのドッキングシミュレーション用途に売り込んでいく。高速なシミュレーションに適したPCクラスターなども合わせて提供する。
  • 米アクセルリスがインドにソフト開発拠点、製品開発を加速へ
     2003.06.25−コンピューターケミストリーシステム(CCS)最大手の米アクセルリスは、開発体制を大幅に強化するため、インドのバンガロールに開発拠点となる新会社を設立した。9月から本格的な体制で業務を開始し、来年7月までに100名を越える開発陣を揃えていく。近年、インドはソフトウエア開発の拠点として日米のソフトウエア業界などから注目されてきているが、どちらかというと外注先として利用されるケースが多く、米国のソフト会社が直接に進出する例はまだ少ない。その意味でも、今後の成果が注目されそうだ。

 

**************<一般ITニュース>***************

 

  • 米ハットコマース:クラーク副社長インタビュー、DCMで対日戦略本格化
     2003.04.10−米ハットコマースが、本格的に日本市場で攻勢をかける。同社のソリューションは、販売プロセスの自動化と統合化を実現するDCM(デマンドチェーンマネジメント)と呼ばれるもので、既存のERP(エンタープライズリソースプランニング)やSCM(サプライチェーンマネジメント)を補完して、企業の競争力を高め、コスト削減と収益向上を実現できる。とくに化学品産業への導入に力を入れているが、インダストリーセールス担当のチャールズ・クラーク副社長は「日本の化学産業が国際市場で勝ち組になるために当社のソリューションが強力な基盤になる」と強調する。その特徴や対日戦略について聞いた。
  • メタソフトが北大・田中教授らの“ミームメディア”を製品化
     2003.04.17−メタソフト(本社・東京都新宿区、吉田泰久代表取締役)は、北海道大学知識メディアラボラトリーの田中譲教授らのグループが推進している“Meme Media”(ミームメディア)構想を具体化した製品の第1弾として、三次元ウェブコンテンツ作成編集ツール「ミームコンポーザー」(商品名)および「ミームエディター」(同)の販売を4月末から開始する。製品化はシーズ・ラボ(本社・札幌市、山田二郎社長)が担当した。ウェブ版の電子マニュアルや電子カタログ作成などの用途を中心に、初年度1億円の販売を見込んでいる。
  • NECがプロセス産業専門ERP「FlexProcess」の最新版5.0を発売
     2003.05.30−NECは、化学・医薬・食品などのプロセス産業に特化した独自開発のERP(エンタープライズリソースプランニング)パッケージ「FlexProcess」(フレックスプロセス)の最新版リリース5.0の販売・出荷を開始した。副産物や連産品が生じるなどのプロセス産業特有の生産モデルに対応し、多通貨・多言語のグローバルな会計システムを組み込んでいることが特徴。とくに、今回の最新版はマイクロソフトの“ドットネットフレームワーク”に準拠させ、XMLを含めて他システムとの連携性を高めた。アジア市場での販売戦略も強化し、3年間で240サイトへの導入を目指していく。
  • マイクロソフトがWindows Server2003を正式に市場投入、対応製品も揃う
     2003.06.26−マイクロソフトは25日、サーバー用OS(基本ソフト)の最新版「Windows Server2003」(ウィンドウズサーバー2003)の市場投入を本格的に開始すると正式発表した。これを搭載したハードウエア75機種、対応アプリケーション250種類もほぼ同時に提供開始される。前回のWindows2000サーバーの際は、同じ基準でみると対応製品は15機種/90種類しか揃っていなかった。とくに今回、同社ではIT(情報技術)業界全体をあげてWindows Server2003の立ち上げに協力していることを強調。市場のIT投資が冷え込んでいるなかで、自信と意気込みを示した。

 

 


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